3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)とは…成分効果と毒性を解説

美白成分 抗酸化成分
3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)
[化粧品成分表示名称]
・3-O-エチルアスコルビン酸

[医薬部外品表示名称]
・3-O-エチルアスコルビン酸

[慣用名]
・VCエチル

2004年に日本ハイポックスにより医薬部外品として承認された水溶性ビタミンC誘導体のひとつです。

ビタミンC誘導体は、ビタミンCが肌に浸透するように糖やマグネシウムなどで包み、肌の中でそれらが分解されてビタミンCが効果を発揮するという過程をたどるため、通常は効果に時間が現れるまでタイムラグがあるのですが、VCエチルは分解しなくてもそのままビタミンCの効果を発揮できる即効性と72時間以上続く持続性、そして安定性が特徴です。

また、そのままビタミンCの効果を発揮できるので、下のロート製薬が公開しているビタミンC含有量比較をみるとわかるように、他のビタミンC誘導体と比較してビタミンC含有率が高いのも特徴です(文献1:2009)

ビタミンC誘導体におけるビタミンC含有率の比較

それぞれ効果や性質が違うので、必ずしも含有率が高ければいいというものでもないのですが、できるだけ速くできるだけ多く浸透させたいという目的には重宝されます。

VCエチルの代表的な美白効果は、シミやそばかすの原因を2重にブロックすることです。

VCエチルのメラニン化防止の仕組み

一つ目の美白作用は、紫外線B波(∗1)を浴びることでチロシンとチロシナーゼの結合が結合しドーパに移行するのをチロシナーゼの活性を阻害することでドーパに移行しないようにするチロシナーゼ阻害作用です。

∗1 紫外線B波(UV-B)は夏の熱い日差しのことで、肌の表面までしか届きませんが、肌の表面にヒリついて赤くなる炎症を起こします。

台湾の化粧品原料会社Corum.Incのin vitro試験(文献2:2013)によると、3-O-エチルアスコルビン酸のチロシナーゼ活性阻害率は、以下のように(∗2)

∗2 グラフのビタミンC濃度は共通して1mg/mL(0.1%)です。

3-O-エチルアスコルビン酸のチロシナーゼ活性阻害率(チロシン→ドーパ)

3-O-エチルアスコルビン酸のチロシナーゼ活性阻害率(チロシン→ドーパキノン)

チロシンからドーパにかけてのチロシナーゼ活性阻害率は37.6%で、ドーパからドーパキノンにかけてのチロシナーゼ活性阻害率は54.8%と総合的にビタミンC誘導体の中ではかなり優れているのが認められます。

補足ですが、グラフ中ではビタミンCが最も阻害率が高い(ほぼ100%)ですが、これはin vitro試験(試験管の中でヒト皮膚を培養して行う試験)のビタミンCの活性阻害率の目安であり、実際にはビタミンCは皮膚に浸透しないために、各ビタミンC誘導体の形でいかに安全・安定に皮膚に浸透させてビタミンCの効果を発揮させるかという課題に対するソリューションということになります。

二つ目の美白作用は、紫外線A波(∗3)を浴びるとプレメラニンのひとつであるDHICA(ディーカ)に直接作用しメラニンに変化してしまうのですが、DHICAを黒色化メラニンにさせない黒色メラニン化防止作用です。

∗3 紫外線A波(UV-A)は肌の真皮まで届き、コラーゲンを破壊し光老化の原因となったり、プレメラニンを黒色化させてしまいます。

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3-O-エチルアスコルビン酸の安全性(刺激性・アレルギー)について

3-O-エチルアスコルビン酸の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗3)やレポートを参照しています。

∗3 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元である日本精化の安全データシート(文献3:2011)によると、

  • [ヒト試験] 臨床安全反復傷害パッチ試験の結果、皮膚刺激性および皮膚感作性なし

と記載されています。

試験データはひとつですが、開発元のデータであり、皮膚刺激および皮膚感作なしと記載されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

開発元である日本精化の安全データシート(文献3:2011)によると、

  • [in vitro試験] 動物試験の代替として、正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に3-O-エチルアスコルビン酸を処理したところ、非刺激性に分類された

と記載されています。

試験データはひとつですが、開発元のデータであり、非刺激性と記載されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
3-O-エチルアスコルビン酸 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、3-O-エチルアスコルビン酸は化粧品毒性判定事典出版以降につくられたため、掲載なしとなっています。

∗∗∗

ビタミンC誘導体そのものやよく使用されているビタミンC誘導体の種類も合わせて興味がある方は以下の記事も参考にしてください。

参考:アスコルビン酸(ビタミンC誘導体)の種類・成分効果を解説

3-O-エチルアスコルビン酸は美白成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:美白成分

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文献一覧:

  1. “スキンケア研究所[ロート製薬]”(2009)「ビタミンC」, <http://www.drx-web.com/bihada/seibun/vitaminc.htm> 2018年1月26日アクセス.
  2. “Cosmetics&Toiletries”(2013)「3-O-Ethyl Ascorbic Acid: A Stable, Vitamin C-Derived Agent for Skin Whitening」, <http://www.cosmeticsandtoiletries.com/formulating/function/active/premium-3-O-Ethyl-Ascorbic-Acid-A-Stable-Vitamin-C-Derived-Agent-for-Skin-Whitening-225540872.html> 2018年1月26日アクセス.
  3. 日本精化株式会社(2011)「安全性データシート VCエチル」, <https://www.nipponseika-cosme.com/products/productdetail.html?c=4w786c6gp4gpqxq0h083r30w5ug66r> 2018年1月26日アクセス.

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