フェルラ酸とは…成分効果と毒性を解説

美白成分 抗酸化成分 紫外線吸収剤
フェルラ酸
[化粧品成分表示名称]
・フェルラ酸

[医薬部外品表示名称]
・フェルラ酸

コメヌカに含まれている生理活性成分であり、また植物の細胞壁を形成するリグニンの前駆体で、ケイ皮酸誘導体の一種です。

化粧品における主な作用は、美白作用(チロシナーゼ活性阻害作用)、紫外線吸収作用、活性酸素消去作用です。

フェルラ酸は、構造がチロシンに類似しているため、チロシンと拮抗することでメラニン生成を抑制すると考えられています(文献1:1980)

以下の図のように、メラニンはチロシンというアミノ酸の一種にチロシナーゼという酸化酵素が反応することからつくられ始めますが、

チロシンがメラニンに変化する仕組み

フェルラ酸はチロシンと類似しており、チロシナーゼがチロシンと間違えて効果が分散するため、結果的にメラニン生成量が減弱という仕組みです。

また、有害な長波紫外線の吸収性が非常に強いということも明らかにされており、(文献2:1991)近年では、ビタミンCやビタミンEなど同様の働きをもつ成分との相乗効果も報告されています(文献3:1997)

2006年に発表されたフェルラ酸とコエンザイムQ10(ユビキノン)、イデベノン(ユビキノンの合成誘導体)およびキネチン(サイトカインの一種)とのUV照射比較実験結果では、以下のような結果が明らかになっています。

フェルラ酸の豚皮膚における紫外線保護作用の比較

フェルラ酸の豚皮膚における紫外線保護作用の比較

実験内容は、0.5%フェルラ酸、15%ビタミンC、1%ビタミンEの混合液とControl(無塗布)、1%ユビキノン溶液、1%イデベノン溶液、0.5-1%イデベノンクリーム、0.5%キネチン溶液、0.1%キネチンクリームをそれぞれブタの皮膚に4日間塗布した後、UVAおよびUVBを5段階の強さで照射し、24時間後に皮膚の画像を撮影し、死滅細胞の測定を行うというものです。

この実験の結果、フェルラ酸混合溶液は、コントロールと比べて明らかな紫外線に対する保護作用が確認され、他の紫外線保護溶液やクリームと比較しても一番強い作用が認められました(文献4:2006)

細胞死亡数においても、以下のグラフをみるとわかるように、画像と同様の結果が得られており、

フェルラ酸のブタ皮膚における死滅細胞抑制作用

フェルラ酸混合溶液は、ほかの保護剤より強く有意な抑制作用を示しました(文献4:2006)

これらの報告により、化粧品の分野では、強力な紫外線吸収作用やメラニン抑制作用を活かして美白剤や日焼け止め製品に配合されています。

また、食品分野では抗酸化剤や変色防止剤として汎用されているほか、医薬品にも使用される成分であり、化粧品に使用する場合は配合上限が以下となっています(文献5:2000)

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 10g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 10g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 配合不可

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フェルラ酸の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

フェルラ酸の現時点での安全性としては、食品添加物や医薬品に認可されている成分であり、化粧品配合上限内で使用する場合において、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

試験データや安全データはみあたりませんが、食品添加物および医薬品にも認可されていることもあり、化粧品配合上限も定められているため、化粧品配合範囲内において、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験データや安全データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データや安全データはみあたりませんが、食品添加物および医薬品にも認可されていることもあり、重大なアレルギーの報告もないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
フェルラ酸

参考までに化粧品毒性判定事典によると、フェルラ酸は■(∗1)となっていますが、これはポジティブリスト(化粧品に使用する場合は10%上限)ということが考慮されていると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

フェルラ酸は美白成分、抗酸化成分、紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:美白成分 抗酸化成分 紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 井端泰夫(1980)『フレグランスジャーナル』No.45,92
  2. 芋川玄幽ら(1991)『フレグランスジャーナル』No.129,41
  3. 船坂陽子,市橋正光ら(1997)『フレグランスジャーナル』No.9,19
  4. Tournas J.A., Lin F.H., Burch J.A., Selim M.A., Monterio-Riviere N.A., Zielinski J.E.,
    Pinnell S.R. (2006)「Ubiquinone, idebenone, and kinetin provide ineffective photoprotection to
    skin when compared to a topical antioxidant combination of vitamin C and E with ferulic
    acid.」Journal of Investigative Dermatology.126,pp.1185-1187
  5. 厚生労働省(2000)「化粧品基準」, <http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf> 2017年9月5日アクセス.

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