ビタミンC誘導体の解説とビタミンC誘導体一覧

美白成分 抗酸化成分 
ビタミンC誘導体
[慣用名]
・ビタミンC誘導体

ビタミンC(アスコルビン酸)は、強い抗酸化作用があり、メラニン色素の生成を抑制してシミやソバカスを防止する働きがありますが、そのままでは不安定で分子構造が壊れやすく、、また水溶性であるためそのまま配合しても皮膚に浸透しないことなどから、生体外での安定化および生体内での吸収率向上のために生体内で酵素反応によりビタミンCとなるように誘導体化された化合物です。

ビタミンC誘導体は、1994年にアスコルビルグルコシドが医薬部外品として承認されて以来、安定性・作用・効果持続性などが改善されたものがいくつも開発されており、そのうちのいくつかは市場に定着しています。

ビタミンC誘導体には油溶性と水溶性があり、代表的なものはそれぞれ以下になります。

– 水溶性ビタミンC誘導体 –

  • リン酸アスコルビルMg(リン酸アスコルビルマグネシウム)
  • リン酸アスコルビルNa(リン酸アスコルビルナトリウム)
  • アスコルビルグルコシド(アスコルビン酸グルコシド)
  • 3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)

– 油溶性ビタミンC誘導体 –

  • テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)

– 水溶性&油溶性ビタミンC誘導体 –

  • パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)

∗ マイナーなものを含めるとわかりにくくなると思ったので、現在広く使われているものだけを掲載しました。

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ビタミンC誘導体の種類

すでに油溶性ビタミンC誘導体と水溶性ビタミンC誘導体を伝えましたが、ここではそれらの特徴と各詳細ページへのリンクを載せておきます。

・リン酸アスコルビルマグネシウム(APM)(成分表示名:リン酸アスコルビルMg)

リン酸アスコルビルマグネシウムは、安定型ビタミンCとも呼ばれ、最も歴史のある水溶性ビタミンC誘導体で、肌への浸透性が優れていて表皮の基底層あたりまで浸透することがわかっています。

安定性に優れて壊れにくいため、ビタミンCが有しているメラニン抑制効果や肌のハリを保つコラーゲンの産生を促進する効果、過剰な活性酸素を抑制する効果、皮膚の脂質などの酸化を防ぐ効果などが有効に発揮されます。

リン酸アスコルビルマグネシウムと聞くと人工的でケミカルな印象をもつかもしれませんが、リン酸酵素は人間の体内でも大量に生産されている重要なもので、親和性の高いものです。

また、ニジマスはこのリン酸アスコルビルマグネシウムを体内で合成しているのですが、人間が考えて作り上げた仕組みを生物が体内で自然に行っているというのは興味深い事実です。

ヒトとも親和性の高い成分でつくられた誘導体だからこそ、広く使用されるようになり安心感と信頼性が認められたというわけです。

ただし、現在は、リン酸アスコルビルMgよりリン酸アスコルビルNaのほうが使用量が大きくなっています。

詳細ページ:リン酸アスコルビルMgの成分効果と毒性を解説

・リン酸アスコルビルナトリウム(APS)(成分表示名:リン酸アスコルビルNa)

水溶性の安定型ビタミンCのひとつで、リン酸アスコルビルMg同様にひろく使用されているビタミンC誘導体です。

効果や特徴もリン酸アスコルビルMgと似ているのですが、リン酸アスコルビルMgにはマグネシウムが水に対する溶解度が低く、月日が経つと化粧水やクリームの中で沈殿や結晶を生じやすい問題があるため、現在はAPSへ移行している傾向にあります。

ただし、APS配合で美白効果(医薬部外品)を示すためには厚生労働省に医学データを表示して個別に許可を受ける必要があります。

効果を認められた上でビタミンC誘導体を5%以上配合で医薬部外品として認可されるため、ハードルが高く、APSを5%以上配合している医薬部外品はまだ少ないのが現状です。

・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)(成分表示名:同じ)

テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは、油溶性のビタミンC誘導体で、略称のVCIPで呼ばれることが多いですが、一般的にはビタミンCテトライソパルミテートと呼ばれることもあります。

ビタミンCそのものは不安定で壊れやすく皮膚への浸透性もよくないのですが、近年活性酸素の肌への影響が問題になるにつれて、安全性の高い高酸化防止剤としてビタミンCが再認識されるようになり、ビタミンCに改良が加えられています。

そのうち油溶性にもかかわらず皮膚からの吸収性が高いビタミンC誘導体として注目されているのがテトラヘキシルデカン酸アスコルビルで、皮膚への浸透率はビタミンCの3倍~5倍高いことが明らかになっており、浸透後はビタミンCそのものになるので、ビタミンCが本来持っている効果が発揮されます。

リン酸アスコルビルMgなどは短期間で皮膚に浸透するのに対して、VCIPは持続的にジワジワと皮膚に浸透していきエステラーゼという皮膚内の酵素によりイソパルミチン酸が切断されビタミンCに変換されるため、ビタミンCの持続力が長くなるので長時間の効果が得られます。

イソパルミチン酸というのは皮脂にも含まれる分岐脂肪酸というもので、水分が皮膚内にたまりすぎないように適度に蒸発させたり調整を行う働きがあります。

イソパルミチン酸単体で天然に存在するわけではないのですが、皮膚内の酵素によってビタミンCとイソパルミチン酸という皮膚内に存在する物質へ変換されます。

また、VCIPはニキビの状態を改善する作用があることが報告されていますが、これはニキビの原因となる過剰な皮脂の分泌を抑制したり、ニキビを悪化させる活性酸素を除去する働きがあるからと考えられます。

詳細ページ:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)の成分効果と毒性を解説

アプレシエ(APPS)(成分表示名:パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)

浸透型ビタミンCや進化型ビタミンCと呼ばれている親油性を与えた水溶性ビタミンC誘導体で、水溶性と油溶性ビタミンC両方の優れた働きをもっています。

ただし、APPSは安定性が悪く、安定的に配合するには工夫や技術が必要です。

現在は凍結乾燥という医薬品製造技術を使用して安定性を高めたものが主流ですが、凍結乾燥は製造コストが通常の3倍ほどかかるため高額製品となります。

水にも脂にも溶けるので浸透力は高いのですが、実は医学的な美白データが現時点では十分ではなく厚生労働省では美白効果を認めていません。

試験による化学的データでは、たしかにほかのビタミンC誘導体を圧倒する浸透力があるのですが、臨床におけるデータがほとんどないためまだ広く普及しているとは言い難い状況です。

詳細ページ:パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)の成分効果と毒性を解説

・アスコルビルグルコシド(成分表示名:アスコルビン酸グルコシド)

ビタミンCに糖が結合した持続型ビタミンCと呼ばれるビタミンC誘導体です。

ビタミンCをブドウ糖で包んだ構造をしており、皮膚から吸収されるとビタミンCとグルコースに分解されてビタミンCとの効果を発揮し美白作用やコラーゲンの産生を促進しますが、人間の体内には糖をはずす酵素がほとんどないのでビタミンCに変換されにくい(ビタミンCの効果を得にくい)という欠点があります。

壊れにくく安定性が高いビタミンC誘導体なので一部のメーカーは好んで使用しますが、ビタミンC誘導体の効果はあまり期待できないと考えられており、多くのメーカーはほかのビタミンC誘導体を採用するようになっています。

詳細:アスコルビン酸グルコシドの成分効果と毒性を解説

・3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)(成分表示名:3-O-エチルアスコルビン酸)

水溶性のビタミンC誘導体で、即効性・持続性・安定性に優れており、ビタミンC含有率は80%を超え、ビタミンC誘導体の中でもNo.1です。

VCエチルは、他のビタミンC誘導体と違って分解しないでもそのままビタミンCの効果を発揮できるため、即効性があり、さらに72時間以上の持続性も有しています。

ビタミンC誘導体としての効果は、チロシナーゼの活性阻害作用とプレメラニンの黒色化を防止するダブル美白作用になります。

詳細ページ:3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)の成分効果と毒性を解説

∗1 安定型ビタミンC – 不安定なビタミンCにリン酸や糖を結合させて壊れにくくしたもの
∗2 持続型ビタミンC – ビタミンCに糖(グルコース)を結合させて生体内でゆっくり分解されて美白効果を発揮するもの

∗∗∗

ビタミンC誘導体は美白成分、抗酸化成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:美白成分 抗酸化成分

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