カモミラETとは…成分効果と毒性を解説

美白成分
カモミラET
[医薬部外品表示名称]
・カモミラET

キク科植物カミツレ(学名:Matricaria recutita = Matricaria Chamomilla)の花からスクワランで抽出して得られるエキスです。

1999年に花王の申請により医薬部外品として承認されています。

スクワランで抽出したものを花王のオリジナル成分であるカモミラETとしており、水、エタノール、BGなどで抽出したものはカミツレ花エキスとして区別されています。

カモミラETの成分組成は、天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • 精油:ビサボロール、カマズレン
  • テルペンアルコール
  • フラボノイド類:アビゲニン、ルテオリン
  • アズレン

などで構成されています(文献1:2006;文献2:2016)

カミツレは、もともとカモミール(ジャーマンカモミール)と呼ばれ、ハーブティーとして親しまれており、薬用ハーブとしても胸焼け、胃炎、生理痛、冷え症、不眠、皮膚炎、口内炎など幅広い薬効を有しており、主要成分は消炎成分のカマズレン、ビサボロール、強力な鎮痙作用を有しているフラボノイドのアピゲニンなどが知られています(文献2:2016)

化粧品に配合される場合は、

これらの作用があるとされており、花王のスキンケア化粧品に使用されます(文献1:2006)

エンドセリン-1抑制による色素沈着抑制作用

エンドセリン-1抑制による色素沈着抑制作用に関しては、まず前提知識としてメラニン生合成のメカニズムとエンドセリン-1について解説します。

以下のメラニン生合成の仕組み図をみてもらえるとわかりやすいと思うのですが、

紫外線におけるメラニン生合成までのプロセス

紫外線を浴びた皮膚は、最初に活性酸素を発生し、紫外線による様々な情報伝達物質(メラニン活性化因子)をメラノサイトに伝達し、メラノサイトが情報伝達物質を受け取るとメラノサイト内でメラニンの生合成が始まります。

カモミラETには、この情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)のひとつであるエンドセリン-1の阻害作用であり、エンドセリン-1を阻害してメラノサイトへの伝達を遮断することで、メラノサイト内でのメラニン合成を抑制するというものです(文献4:1997)

1999年に花王株式会社と神戸大学医学部による共同研究として報告されたカミツレエキスの紫外線誘導色素沈着に対する抑制効果の検証によると、

健常男性22人の上腕内側に2MED(最小紅斑線量)の紫外線Bを含む人工紫外線を照射し、照射直後から0.5%カミツレエキス(カミツレの花をスクワランにて加温調製した抽出物)配合クリームまたはプラセボクリームを1日2回塗布し、紫外線照射1,2および3週間後に誘導された色素沈着の比較検討をおこなったところ、以下の表およびグラフのように、

各クリーム塗布部位の4段階評価結果

各クリーム塗布部位のdLx値の推移

0.5%カミツレエキス配合クリームは、紫外線照射1週目および2週目において各試験クリーム塗布部位の肉眼判定による4段階黒化度評価、相対的な黒化度比較および色差測定のいずれの判定においてもプラセボクリームよりも有意に黒化度を下げる効果が観察され、紫外線による色素沈着に対する抑制作用を有することが確認された。

このような研究結果が明らかになっており(文献3:1999)、カミツレ花スクワラン抽出物(カモミラET)にエンドセリン-1抑制による色素沈着抑制効果が認められています。

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カモミラETの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

カモミラETの現時点での安全性は、1999年に医薬部外品として承認されており、1999年からの使用実績があるため、医薬部外品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
カモミラET 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、カモミラETは掲載なしとなっていますが、医薬部外品に承認されており、1999年からの使用実績があるため、安全性に問題はないと考えられます。

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カモミラETは美白成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:美白成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,366.
  2. 林真一郎(2016)「ジャーマンカモミール」メディカルハーブの事典 改定新版,74-75.
  3. 市橋 正光, 小林 明美, 奥田 峰広, 芋川 玄爾(1999)「カミツレエキスの紫外線誘導色素沈着に対する抑制効果」皮膚(41)(4),475-480.
  4. Imokawa G, Kobayashi T, Miyagishi M, Higashi K, Yada Y(1997)「The role of endothelin-1 in epidermal hyperpigmentation and signaling mechanisms of mitogenesis and melanogenesis,」Pigment Cell Res(10),218-228.

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