アルブチンとは…成分効果と毒性を解説

美白成分
アルブチン
[化粧品成分表示名称]
・アルブチン

[医薬部外品表示名称]
・アルブチン

[慣用名]
・β-アルブチン、ハイドロキノン誘導体

ハイドロキノングルコース(糖)をβ結合してつくられるハイドロキノン誘導体で、1990年に資生堂による申請で医薬部外品として承認されている美白剤です。

一般的にアルブチンと成分表示に記載されているアルブチンは、β-アルブチンになります。

また、アルブチンには他にも2002年には江崎グリコによりβ-アルブチンの10倍のチロシナーゼ阻害効果を有するα-アルブチンが開発されており、こちらはα-アルブチンと表示されます。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、主に美白を訴求するスキンケア化粧品に使用されます。

チロシナーゼ抑制による色素沈着抑制作用

チロシナーゼ抑制による色素沈着抑制作用に関しては、前提知識として以下のメラニン生合成の仕組みを解説します。

紫外線におけるメラニン生合成までのプロセス

紫外線を浴びるとまず最初に活性酸素が発生し、様々な情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)をメラノサイトで発現するレセプター(受容体)に届けることで、メラノサイト内でメラニンの生合成がはじまり、ユウメラニン(黒化メラニン)へと合成されます。

メラノサイト内でのメラニン生合成は、まずアミノ酸であるチロシンに活性酵素であるチロシナーゼが結合することでドーパ、ドーパキノンへと変化していきますが、アルブチンにはこのチロシナーゼの活性抑制作用が明らかにされており、チロシンとチロシナーゼを結合させない(結合量を減少させる)ことで、黒色メラニンの生合成を抑制することが認められています。

2011年に日本精化によって公開されているアルブチンのチロシナーゼ活性阻害検証によると、

精製水、ならびにそれぞれ0.1%濃度のアルブチン、アスコルビルグルコシド(ビタミンC誘導体)アスコルビルリン酸Mg(ビタミンC誘導体)にメラニン生成の処方を実施し、20分後に観察したところ、以下の写真のように、

アルブチンのチロシナーゼ活性阻害効果試験

精製水およびビタミンC誘導体はメラニン生合成によって黒っぽく変色したものの、アルブチンはメラニン生合成が抑制され、黒化の有意な抑制が示された。

また抑制率を計測したところ、以下のグラフのように、

20分後のメラニン生成量

精製水と比較してビタミンC誘導体はメラニン生成量の抑制が認められなかったが、アルブチンは顕著な減少を示した。

このような検証結果が明らかになっており(文献2:2011)、アルブチンにチロシナーゼ活性抑制作用が認められています。

補足しておくと、ビタミンC誘導体はチロシナーゼ活性阻害作用に特化した美白剤ではないため、その点でアルブチンとの顕著な差があるのは自明であり、ビタミンC誘導体に美白効果がないということではありません。

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アルブチンの安全性(刺激性・アレルギー)について

アルブチンの現時点での安全性は、1990年に医薬部外品として承認されており、医薬部外品としての使用実績も長く、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

“Scientific Committee on Consumer Safety”の「OPINION ON β-arbutin」(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] ボランティア(人数不明)に10%アルブチン水溶液および7~10%アルブチンを含む化粧品製剤を単一パッチ適用したところ、この物質は非刺激性であることが明らかになった
  • [ヒト試験] ボランティアに日光の有無にかかわらず、10%β-アルブチンを含む化粧品製剤を解放パッチで繰り返し適用したところ、試験物質に有害反応は認められず、十分使用に耐えうるものであった
  • [動物試験] ウサギの擦傷された皮膚における10%濃度までのβ-アルブチンを含む溶液の皮膚刺激試験の結果、刺激性を示さなかったため、ウサギの皮膚に対して10%濃度まで非刺激性であるとみなされた

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、ヒトまたは動物にかかわらず10%濃度まで刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Scientific Committee on Consumer Safety”の「OPINION ON β-arbutin」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて10%濃度までのβ-アルブチンを含む溶液の眼刺激試験の結果、刺激性を示さなかったため、ウサギの眼に対して10%濃度まで非刺激性であるとみなされた

と記載されています。

試験結果はひとつですが、10%濃度まで眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Scientific Committee on Consumer Safety”の「OPINION ON β-arbutin」(文献1:2015)によると、

  • 10%濃度までのβ-アルブチンを使用した皮膚感作性試験の結果、試験した濃度は陰性であることが示され、また陽性対照は明らかにアレルギー反応を誘発したため、β-アルブチンは皮膚感作物質でないと考えられた

と記載されています。

信頼性のある試験結果はひとつしかみあたりませんが、皮膚感作性なしと報告されており、医薬部外品として承認されていること、試用実績が長く皮膚感作の報告がみあたらないことから、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

安全性についての捕捉

アルブチンはハイドロキノン誘導体ですが、ハイドロキノンと比較して極めて毒性が低いことが明らかになっており、これはハイドロキノンに糖(グルコース)が付加することで細胞毒性が大きく低下したものと考えられています。

また、アルブチンが皮膚に作用する仕組みは、皮膚に浸透する際に分解して糖から遊離したハイドロキノンによるものではなく、アルブチン自身によるもので、ハイドロキノンの効果ではありません。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アルブチン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アルブチンは毒性なし(∗1)となっており、安全性データをみる限り、安全性に問題ないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アルブチンは美白成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:美白成分

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文献一覧:

  1. “Scientific Committee on Consumer Safety”(2015)「OPINION ON β-arbutin」, <https://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_169.pdf> 2018年2月2日アクセス.
  2. “日本精化株式会社”(2011)「アルブチン」技術資料.

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