カンフルとは…成分効果と毒性を解説

冷感剤 血行促進成分 可塑剤
カンフル
[化粧品成分表示名称]
・カンフル

[医薬部外品表示名称]
・dl-カンフル

クスノキに大量に含まれており、クスノキの木片から水蒸気蒸留法で抽出または合成でつくられる、清涼感があり、樟脳のにおいのする白色半透明の結晶、結晶性の粉末または塊です。

アルコールに溶けやすい性質で、また固体から直接蒸発する昇華性(∗1)もあります。

∗1 昇華性とは、液体を経ずに固体から気体へ相転移する現象のことです。

皮膚に塗布すると、はじめは清涼感があり、その後わずかな局部麻酔のような働きと血液循環を盛んにする働きがあり、熱感を感じます。

化粧品に配合される場合は、かゆみ止め、毛根の活性化、清涼感などの目的でヘアトニック、リップクリーム、化粧水などに使用されます。

また、マニキュアやベースコートの可塑剤(∗2)としても広く使用されています。

∗2 可塑剤とは、塩化ビニル樹脂 (塩ビ) に柔軟性を与える添加剤のことです。

医薬品としては、血行促進作用、鎮痛作用、消炎作用、鎮痒作用、清涼感をあたえる作用があるため、かゆみどめ、リップクリーム、湿布薬などの外用医薬品に使用されますが、以前は強心剤としても使用されていたため、強心剤としてもちいられなくなった今でも、”駄目になりかけた物事を復活させるために使用される手段”のことを比喩的にカンフル剤と呼ぶことでもカンフルは知名度が高いといえます。

カンフルは医薬品成分のため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 4.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 4.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 1.0g/100g

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カンフルの安全性(刺激性・アレルギー)について

カンフルの現時点での安全性は、濃度が高くなるほど皮膚刺激(燃焼感覚)が起こる可能性が高くなり、濃度が低くなるほど皮膚刺激が起こる可能性が低くなります。

眼刺激性に関しては軽度~中等の眼刺激性があるものの、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗3)やレポートを参照しています。

∗3 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献1:2010)によると、

  • [ヒト試験] 20%カンフルを含むアルコール溶液としてボランティアの皮膚に適用した結果、皮膚の刺激感と痛みを生じたとの報告(HSDB,2005)があるが、分類にはデータ不足

と記載されています。

試験結果ではデータ不足としていますが、カンフルは清涼感にともなう燃焼感覚(局所刺激作用)があるため、配合量に比例して刺激性(清涼感による燃焼感覚)を感じる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献1:2010)によると、

  • カンフルは眼に対して重篤な損傷は報告されていないが、刺激性があるとの記載がある(ACGIH,2001、PIMs,1988)。またACGIHでは「Eye irr」と分類されている(ACGIH-TLV,2005)ため区分2B(軽度~中等の眼刺激性)とした

と記載されています。

厚生労働省の安全性レポートでは、結果的に区分2Bに分類されているため、軽度~中等の眼刺激性が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献1:2010)によると、

  • 慢性ばく露により接触性皮膚炎のほかにアレルギー反応も惹起される可能性があるとの報告もある(HSDB,2005)が、それ以上の情報はなく分類できない

と記載されています。

厚生労働省の安全性レポートでは分類できないとされていますが、カンフルは広く使用されていながら重大なアレルギーの報告もないため、現時点では皮膚感作(アレルギー)はほとんど起こらないと考えられます。

ただし、医薬品としてのカンフルの情報では副作用として紅斑や発疹が起こる可能性があるとの記載がありますが、化粧品は配合制限があり、医薬品ほどの効果がないため副作用も起こりにくいと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
カンフル

参考までに化粧品毒性判定事典によると、カンフルは△(∗4)となっており、毒性に関してはほとんどないと考えられます。

∗4 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

カンフルは温冷感成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:温冷感成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “職場のあんぜんサイト”(2010)「安全データシート しよう脳」,<http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/76-22-2.html> 2017年12月1日アクセス.

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