ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンとは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
[化粧品成分表示名称]
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン

ヒドロキシフェニルトリアジンの類縁体であり(∗1)、UVBとUVA両方の波長領域の紫外線を吸収する光安定性が高い油溶性の紫外線吸収剤です。

∗1 化学構造は非公開となっています。

光安定性が高いため、構造を変化させることなく(壊れることなく)、紫外線防御効果を持続できます。

油溶性ですが、ポリメタクリル酸メチル、ラウレス硫酸NaAMPでエマルションを作ることで水相にも配合可能です。

化粧品に配合される場合は、UVBとUVA両方に対応でき、なおかつ光安定性に優れた使い勝手の良さから、フェイス用またはボディ用日焼け止め製品に使用されたり、成分自体の劣化や退色(∗2)を防止するためにスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されます。

∗2 退色とは、日光などにさらされて色がだんだん薄くなること、色があせることです。

ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンはポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 3.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 3.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 配合不可

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ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの現時点での安全性は、配合範囲内において、皮膚一次刺激性および眼刺激性はほとんどなく、連続使用によってわずかな皮膚刺激が起こる可能性はあるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もなく、光毒性および光感作性の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗3)やレポートを参照しています。

∗3 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

開発元の資生堂のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2006)によると、

  • [ヒト試験] 44人の被検者の上腕屈側部に3%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、10%コハク酸ジエトキシエチル溶液、溶媒対照、生理食塩液を24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去1および24時間後の皮膚反応を観察したところ、いずれの濃度においても皮膚反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 上記と同じ被検者に対し、同時に3%配合乳液を用いて同様の方法により試験したところ、いずれの濃度においても皮膚反応は観察されなかった
  • [動物試験] ウサギを用いて皮膚一次刺激性試験を3%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン溶液、10%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン溶液で実施し、パッチ除去1,24および72時間後に皮膚反応を評価したところ、皮膚反応は観察されなかった
  • [動物試験] 5匹のモルモットを用いて2週間連続皮膚刺激性試験を3%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン溶液、10%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン溶液で実施したところ、10%群では4日目、8日目ですべてのモルモットに、5日目で5匹のうち4匹に、9~11日目および15日目で5匹のうち1匹にわずかなまたは明瞭な紅斑が認められた。5日目から12日目まではすべてのモルモットにわずかな落屑が認められ、15日にも5匹のうち1匹に引き続き認められ、評価点は1.0で、軽度の刺激性であった。3%群では4日目~11日目に一過性のわずかな紅斑が1~3匹に、落屑が1~4匹に認められ、評価点は0.3で、軽度の刺激性と評価された。これらの結果からこの試験物質を3%配合した場合の連続皮膚刺激性は弱いと判断された

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚一次刺激性はなしと報告されており、また連続皮膚刺激性は弱いと報告されているため、皮膚一次刺激性はほとんどありませんが、わずかな連続皮膚刺激性が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

開発元の資生堂のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた眼刺激性試験を100%および3%ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン溶液でDraize法に準じて実施したところ、100%群では点眼1時間後で結膜に明らかな発赤およびわずかなもしくは明らかな流出物がすべてのウサギで認められた。点眼1日後では結膜のわずかなもしくは明らかな発赤がすべてのウサギで、わずかな浮腫および明らかな流出物が3匹のうち1匹で認められたが、点眼3日後には正常に戻った。3%群では点眼1時間後で結膜のわずかな発赤もしくはわずかな流出物が各1匹に認められ、4時間後では1匹にわずかな流出物が引き続き観察されたが、点眼1日以降はすべての反応は正常に回復した。100%試験物質の眼刺激性は眼刺激スコア7.3で軽度の刺激性、3%試験物質の眼刺激性は眼刺激スコア1.3で無刺激性と評価され、これらの結果からビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン3%を配合した場合の眼刺激性は極めて弱いと判断された

と記載されています。

配合上限は3%以内であり、試験では3%配合で無刺激性もしくは極めて弱い刺激性と報告されているため、配合範囲内において、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元の資生堂のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いてビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン3%液と10%液の感作性試験がAdjuvant and Patch Test法に準じて実施された結果、いずれの群においても陽性反応を示さず、皮膚感作性はないと判断された

と記載されています。

試験では皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

光毒性および光感作性について

開発元の資生堂のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いてビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン3%液と10%液の光毒性試験がMorikawa法により実施された結果、いずれの群においても皮膚反応は認めれられず、光毒性はないと判断された
  • [動物試験] モルモットを用いてビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン3%液と10%液の光感作性試験がAdjuvant-Strip法により実施された結果、いずれの群においても陽性反応を示さず、光感作性はないと判断された

と記載されています。

試験では光毒性および光感作性なしと報告されているため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンは掲載なしとなっています。

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ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンは紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

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文献一覧:

  1. 株式会社資生堂(2006)「ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンのポジティブリスト収載に関する資料」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/2006_bis-ethylhexyloxyphenol-methoxyphenyl-triazine.pdf> 2018年2月19日アクセス.

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