メトキシケイヒ酸エチルヘキシルとは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
[化粧品成分表示名称]
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(改正名称)
・メトキシケイヒ酸オクチル(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル

シナモンの仲間の肉桂(にっけい)という植物から得られる桂皮油には紫色を吸収する性質をもったケイヒ酸が含まれており、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは、このケイヒ酸を元につくられた淡黄色の粘性で油溶性の紫外線吸収剤(液体)です。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルはUV-B波の吸収に優れており、現在の日焼け止め製品に用いられる紫外線吸収剤としては最も広く使用されています。

また、化粧品に配合されている成分自体の紫外線による劣化を防止する目的で微量配合されることもあり、その場合は成分表示の最後のほうに記載されます。

単体だと劣化しやすいため、酸化防止剤のBHTとセットで配合されていることが多いです。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルはポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 20.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 20.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 8.0g/100g

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メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの安全性(刺激性・アレルギー)について

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの現時点での安全性は、皮膚刺激性、光毒性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および光毒性について

開発元のBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたDraize法に基づく皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激性なし

開発元のMERCKの安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いた皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激なし

開発元のDSM Nutritionの安全性データシート(文献3:2012)によると、

  • [ヒト試験] 皮膚刺激なし(試験の詳細は不明)
  • [動物試験] ウサギを用いたDraize法に基づく皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激性なし
  • [動物試験] モルモットを用いた光毒性試験の結果、光毒性なし

と記載されています。

試験は共通して皮膚刺激なしと報告されており、また光毒性もなしと報告されているため、皮膚刺激性および光毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

開発元のBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたDraize法に基づく眼刺激性試験の結果、眼刺激性なし

開発元のMERCKの安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、眼刺激なし

開発元のDSM Nutritionの安全性データシート(文献3:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、眼刺激性なし

と記載されています。

試験では共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元のBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に従ったMaximization法皮膚感作性試験の結果、皮膚感作性は認められなかった

開発元のMERCKの安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いた皮膚感作性試験の結果、皮膚感作なし

開発元のDSM Nutritionの安全性データシート(文献3:2012)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に従った皮膚感作性試験の結果、皮膚感作を引き起こさなかった

と記載されています。

試験では共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

参考までに化粧品毒性判定事典によると、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの毒性は■(∗2)となっていますが、安全データをみる限り、刺激性や感作性に問題はなく、配合上限も20%までと定められており、これは言い換えれば20%までは安全であることが認められていると言えるので、安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. BASF(2016)「Safety Data Sheet Uvinul MC80」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~ja_JP/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30055080/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=JA&validArea=JP&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af8800c0362.pdf> 2018年2月6日アクセス.
  2. MERCK(2017)「Safety Data Sheet Eusolex 2292」, <http://www.merck-performance-materials.jp/country.jp.pm/ja/images/Eusolex%202292_tcm2081_170121.pdf> 2018年2月6日アクセス.
  3. DSM Nutrition(2012)「Safety Data Sheet PARSOL MCX」, <-> 2018年2月6日アクセス.

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