ポリシリコーン-15とは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
ポリシリコーン-15
[化粧品成分表示名称]
・ポリシリコーン-15

[慣用名]
・ジメチコジエチルベンザルマロネート

ポリマーシリコーンにケイ皮酸塩を結合した構造で、UVBに最大吸収波長領域を有する光安定性が高い油溶性の紫外線吸収剤です。

また、シリコーンを基本骨格とした高分子構造が特徴的で、肌になじみやすいものの皮膚への浸透は極めて少なく、日常的に紫外線予防ができるように敏感肌にも対応した低刺激処方を重視した成分でもあります。

他の紫外線吸収剤と比較すると安全性がかなり高いため、今後代表的な紫外線吸収剤のひとつになる可能性もありますが、高分子による皮膚へ浸透しない(皮膚に留まる)安全性の高さがそのままベタつく使用感にもつながっており、着実に配合数は増えているものの、配合数はまだまだ多くはありません。

化粧品に配合される場合は、油溶性で水や汗に強いので、ウォータープルーフ(耐水性)のフェイス用またはボディ用日焼け止め製品に使用されたり、成分自体の劣化や退色(∗1)を防止するためにネイル製品、香水、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されます。

∗1 退色とは、日光などにさらされて色がだんだん薄くなること、色があせることです。

ポリシリコーン-15はポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 10.0g/100g

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ポリシリコーン-15の安全性(刺激性・アレルギー)について

ポリシリコーン-15の現時点での安全性は、配合範囲内において、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もなく、光毒性および光感作性もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

開発元のロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社 [現DSM ニュートリション ジャパン株式会社]のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [ヒト試験] 45人の被検者の上腕内側に100%ポリシリコーン-15(0.01g)をFinn Chamberを用いて24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去1および24時間後に試験部位を観察したところ、すべての被検者で陰性であった
  • [動物試験] 3匹のウサギの剃毛した背部に100%ポリシリコーン-15(0.5mL)を4時間パッチ適用し、パッチ除去後に水洗し、1,24,48および72時間後に皮膚反応を観察したところ、適用後24~72時間の刺激スコアは最大8.0のうち0.11であり、24時間後に1匹のウサギにわずかな紅斑が認められたが、この条件下ではウサギの皮膚に刺激性はないと判定された
  • [動物試験] 3匹のウサギの剃毛した背部に100%ポリシリコーン-15(0.5mL)を1日1回週5回、2週間にわたって6時間連続パッチ適用し、パッチ除去後に水洗し、毎回適用24時間後に皮膚反応を観察したところ、適用後24時間の刺激スコアは最大8.0のうち0.00であり、いずれのウサギにも紅斑および浮腫は認められず、この条件下でウサギの皮膚に刺激性はないと判定された

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

開発元のロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社 [現DSM ニュートリション ジャパン株式会社]のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼に100%ポリシリコーン-15(0.1mL)を点眼し、点眼1,24,48,および72時間後に角膜混濁、虹彩の変化、結膜の発赤、角膜浮腫について評価したところ、点眼後に各ウサギに結膜のわずかな発赤や浮腫が認められたが、48から72時間後には回復した。いずれも可逆性のものであることから、試験物質はこの条件下においてウサギの眼に刺激性はないと判定された

と記載されています。

試験では眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元のロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社 [現DSM ニュートリション ジャパン株式会社]のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [ヒト試験] 103人の被検者に10%ポリシリコーン-15を含む鉱物油0.4mLを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間閉塞パッチ適用し、2週間の休息期間を設けた後に両腕に24時間チャレンジパッチを閉塞適用し、3,9,10,12,15,17,19および22日目に試験部位を観察したところ、皮膚刺激性および接触感作性は認められなかった
  • [動物試験] 30匹のモルモット(対照群:10匹、感作群:20匹)に誘導期間において5%ポリシリコーン-15を皮内注射し、その後に100%ポリシリコーン-15を貼付し、2週間の休息期間を設けた後にチャレンジパッチとして100%,30%および10%ポリシリコーン-15を含むエタノールを適用したところ、チャレンジパッチ後に皮膚反応は認められなかった。この試験条件下では試験物質によるモルモットでのアレルギー誘発の可能性は認められなかった

と記載されています。

試験では共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

光毒性および光感作性について

開発元のロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社 [現DSM ニュートリション ジャパン株式会社]のポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [ヒト試験] 30人の被検者の上背部に10%ポリシリコーン-15(0.4mg)を24時間閉塞パッチを合計6回適用し、各適用の翌日に擬似太陽光を照射し、6回目の照射から10日後にチャレンジパッチを適用し、照射したところ、光感作性は認められなかった
  • [動物試験] 10匹のモルモットの左大腿部に100%,75%,50%および25%ポリシリコーン-15水溶液0.025mLを塗布し、2時間後にUV-Aを照射し、塗布24,48および72時間後に皮膚反応を観察したところ、各濃度の試験物質を塗布した皮膚部位で、UV照射と非照射で差異は認められなかったため、この条件下でモルモットにおける光毒性は認められないと結論づけられた

と記載されています。

試験では光毒性および光感作性なしと報告されているため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリシリコーン-15 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリシリコーン-15は掲載なしとなっています。

∗∗∗

ポリシリコーン-15は紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. ロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社 [現DSM ニュートリション ジャパン株式会社](2002)「紫外線吸収剤 ジメチコジエチルベンザルマロネート(別名:ポリシリコーン-15)ポジティブリスト収載要請に関する資料」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/2002_parsol_slx.pdf> 2018年2月16日アクセス.

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