ドロメトリゾールトリシロキサンとは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
ドロメトリゾールトリシロキサン
[化粧品成分表示名称]
・ドロメトリゾールトリシロキサン

[慣用名]
・メギゾリル

UVB(吸収極大304nm)とUVA(吸収極大342nm)両方の波長領域の紫外線を吸収する光安定性が高い水溶性または油溶性(∗1)の紫外線吸収剤です。

∗1 水溶性のものと油溶性のものがあり、化粧水には水溶性、乳液やクリームには油溶性と使い分けることができるだけでなく、組み合わせることで相乗効果が高まります。

光安定性が高いため、構造を変化させることなく(壊れることなく)、長時間紫外線防御効果を持続できます。

化粧品に配合される場合は、光安定性に優れた使い勝手の良さとUVBとUVA両方に対応できることから、フェイス用またはボディ用日焼け止め製品、化粧下地に使用されます。

ドロメトリゾールトリシロキサンはポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 15.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 15.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 配合不可

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ドロメトリゾールトリシロキサンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ドロメトリゾールトリシロキサンの現時点での安全性は、配合範囲内において、皮膚一次刺激性および連続刺激性ともに皮膚刺激はほとんどなく、一過性の眼刺激性が起こる可能性はあるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もなく、光毒性および光感作性の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

開発元の日本ロレアルのポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [ヒト試験] ヒトパッチ試験が15%ドロメトリゾールトリシロキサンを含むワセリン0.01gを用いて実施された結果、すべての被検者において陰性であった
  • [動物試験] 皮膚一次性試験として、ウサギを用いてドロメトリゾールトリシロキサン0.5gを4時間半閉塞パッチ適用し、適用1,24,48および72時間後に皮膚反応を調べたところ、紅斑および浮腫は認められなかった
  • [動物試験] 連続皮膚刺激性試験として、モルモットの左側腹部にトウモロコシ油/アセトン(20:80)に懸濁したドロメトリゾールトリシロキサンの85%懸濁液約0.04gを1日1回、14日間連続適用し、皮膚刺激性を調べたところ、皮膚反応および病理組織学的検査において異常は認められなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚一次刺激性および連続皮膚刺激性ともに刺激性なしと報告されているため、配合範囲内において皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

開発元の日本ロレアルのポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] ウサギの左眼結膜嚢にドロメトリゾールトリシロキサン0.1gを適用し、適用1,24,48および72時間後に角膜、虹彩および結膜に対する反応を調べたところ、1時間後ですべてのウサギに結膜に軽度の発赤と浮腫が認められたが、72時間後には認められず、また角膜および虹彩に異常は認められなかったことから、眼刺激性に問題はないと判断された

と記載されています。

試験結果では眼刺激性に問題はないと報告されていますが、すべての動物に一過性の眼刺激が観察されているため、一過性の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元の日本ロレアルのポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いたMaximization試験として、初日にフロインド完全アジュバンド/生理食塩水(50:50)0.1mLおよびドロメトリゾールトリシロキサンの5%懸濁液(トウモロコシ/アセトン(20:80))0.1mLを皮内注射し、7日目に10%ラウリル硫酸ナトリウムを塗布、8日目にドロメトリゾールトリシロキサンの85%懸濁液を飽和させたろ紙を48時間閉塞適用し、さらに22日目に85%懸濁液を24時間閉塞適用して感作誘発を行ったところ、1日目および8日目の感作誘導後および22日目の感作誘発後のいずれにおいても紅斑および浮腫などの異常は認められなかった

と記載されています。

試験では皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

光毒性および光感作性について

開発元の日本ロレアルのポジティブリスト収載に関する資料(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] 光毒性試験として、モルモットにドロメトリゾールトリシロキサンの85%,80%,70%および60%懸濁液(アセトン)を塗布し、UVA(20J/c㎡)を照射し、24,48および72時間後に皮膚反応を調べたところ、紅斑および浮腫などの皮膚異常は認められなかった
  • [動物試験] 光感作試験として、モルモットの剃毛した背首部の4隅に1日目にフロインド完全アシュバンド/生理食塩水(50:50)0.1mLずつを皮内注射し、その内側に85%ドロメトリゾールトリシロキサン懸濁液を塗布し、UVB(1.8J/c㎡)およびUVA(10J/c㎡)照射を行ない、3,5,8および10日目に85%ドロメトリゾールトリシロキサン懸濁液の塗布とUVBおよびUVAの照射、感作誘導を行ない、さらに22日目に85%ドロメトリゾールトリシロキサン懸濁液の塗布およびUVA照射、感作誘発を行った。感作誘発後24,48および72時間後に皮膚反応を調べたところ、異常所見は認められなかった

と記載されています。

試験では光毒性および光感作性は認められなかったと報告されているため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ドロメトリゾールトリシロキサン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ドロメトリゾールトリシロキサンは■(∗3)となっていますが、これは紫外線吸収剤の共通判定であり、試験データをみるかぎり、配合範囲内において安全性に問題はないと考えられます。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ドロメトリゾールトリシロキサンは紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 日本ロレアル株式会社(2002)「ドロメトリゾールトリシロキサンのポジティブリスト収載に関する資料」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/2002_drometrizole-trisiloxane.pdf> 2018年2月22日アクセス.

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