サリチル酸エチルヘキシルとは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
サリチル酸エチルヘキシル
[化粧品成分表示名称]
・サリチル酸エチルヘキシル

サリチル酸と2-エチルヘキシルアルコールとのエステルで、UVBの波長領域の紫外線を吸収する油溶性の紫外線吸収剤です。

化粧品に配合される場合は、高いUVB吸収効果を有しており、ほかの紫外線吸収剤との相溶性にも優れているため、高SPFの日焼け止め製品や夏用メイクアップ化粧品に使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

サリチル酸エチルヘキシルの配合製品数と配合量の調査(1998-2000年)

サリチル酸エチルヘキシルはポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 10g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 10g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 5.0g/100g

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サリチル酸エチルヘキシルの安全性(刺激性・アレルギー)について

サリチル酸エチルヘキシルの現時点での安全性は、化粧品の配合範囲において、皮膚刺激および眼刺激はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Salicylic Acid, Butyloctyl Salicylate, Calcium Salicylate, 02-15 Alkyl Salicylate, Capryloyl Salicylic Acid, Hexyldodecyl Salicylate, Isocetyl Salicylate, Isodecyl Salicylate, Magnesium Salicylate, MEA-Salicylate, Ethylhexyl Salicylate, Potassium Salicylate, Methyl Salicylate, Myristyl Salicylate, Sodium Salicylate, TEA-Salicylate, and Tridecyl Salicylate」(文献1:2003)によると、

  • [ヒト試験] 正常な皮膚を有する被検者を用いて4%サリチル酸エチルヘキシルを含むワセリンの48時間閉塞パッチ試験を実施したところ、サリチル酸エチルヘキシルは刺激性ではなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギを用いて未希釈,25%,5%および1%サリチル酸エチルヘキシルの一次刺激性をOECD404テストガイドラインに準じて評価した。試験物質適用24,48および72時間後にスコアリングしたところ、1%,5%,25%および100%濃度で紅斑については0.1,0.1,1.7および2.5であり、浮腫については0.0,0.0,0.9および1.7であった(Haarmann and Reimer,1991)

と記載されています。

試験結果では、化粧品に配合される10%濃度以内で共通してほとんど皮膚刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Salicylic Acid, Butyloctyl Salicylate, Calcium Salicylate, 02-15 Alkyl Salicylate, Capryloyl Salicylic Acid, Hexyldodecyl Salicylate, Isocetyl Salicylate, Isodecyl Salicylate, Magnesium Salicylate, MEA-Salicylate, Ethylhexyl Salicylate, Potassium Salicylate, Methyl Salicylate, Myristyl Salicylate, Sodium Salicylate, TEA-Salicylate, and Tridecyl Salicylate」(文献1:2003)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて50%サリチル酸エチルヘキシルを含むDEP溶液の眼刺激性をOECD405テストガイドラインに準じて評価したところ、この試験物質はウサギの眼に刺激性ではなかった(Haarmann and Reimer,1991)

と記載されています。

試験結果はひとつですが、50%濃度で眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Salicylic Acid, Butyloctyl Salicylate, Calcium Salicylate, 02-15 Alkyl Salicylate, Capryloyl Salicylic Acid, Hexyldodecyl Salicylate, Isocetyl Salicylate, Isodecyl Salicylate, Magnesium Salicylate, MEA-Salicylate, Ethylhexyl Salicylate, Potassium Salicylate, Methyl Salicylate, Myristyl Salicylate, Sodium Salicylate, TEA-Salicylate, and Tridecyl Salicylate」(文献1:2003)によると、

  • [ヒト試験] 23人の被検者を用いて4%サリチル酸エチルヘキシルを含むワセリンのmaximization皮膚感作試験を実施したところ、皮膚感作反応は観察されなかった
  • [動物試験] モルモットを用いてサリチル酸エチルヘキシルの感作性を評価するためにOECD406テストガイドラインに準じてMaximization試験を実施した。誘発濃度は皮内注射による2.5%サリチル酸エチルヘキシルを含むピーナッツ油、次いで50%サリチル酸エチルヘキシルを含むエタノール/DEP(1:1)が局所的に適用され、チャレンジ期間では25%サリチル酸エチルヘキシルを含むエタノール/DEP(1:1)を使用したところ、サリチル酸エチルヘキシルはモルモットにおいて感作物質ではなかった(Haarmann and Reimer,1991)

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚感作剤ではないと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
サリチル酸エチルヘキシル

参考までに化粧品毒性判定事典によると、サリチル酸エチルヘキシルは■(∗2)となっていますが、これは紫外線吸収剤の共通判定であり、試験データをみる限りでは化粧品配合範囲において安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

サリチル酸エチルヘキシルは紫外線防止成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2003)「Safety Assessment of Salicylic Acid, Butyloctyl Salicylate, Calcium Salicylate, 02-15 Alkyl Salicylate, Capryloyl Salicylic Acid, Hexyldodecyl Salicylate, Isocetyl Salicylate, Isodecyl Salicylate, Magnesium Salicylate, MEA-Salicylate, Ethylhexyl Salicylate, Potassium Salicylate, Methyl Salicylate, Myristyl Salicylate, Sodium Salicylate, TEA-Salicylate, and Tridecyl Salicylate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581803022S303> 2018年3月11日アクセス.

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