オクトクリレンとは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
オクトクリレン
[化粧品成分表示名称]
・オクトクリレン

UVBに最大吸収波長領域を有する光安定性が高い油溶性の紫外線吸収剤です。

他の紫外線吸収剤と組み合わせることで、組み合わせた吸収剤の光安定性を高めるだけでなく、相乗的に紫外線防御効果を発揮するため、酸化チタン酸化亜鉛など紫外線散乱剤の量を減らすこともできます。

とくに、UVAを吸収するt-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)と相性が良いため併用されることが多いです。

化粧品に配合される場合は、油溶性で水や汗に強いので、ウォータープルーフ(耐水性)の日焼け止め製品に使用されたり、成分自体の劣化や退色(∗1)を防止するためにネイル製品、香水、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されます。

∗1 退色とは、日光などにさらされて色がだんだん薄くなること、色があせることです。

オクトクリレンはポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 10.0g/100g

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オクトクリレンの安全性(刺激性・アレルギー)について

オクトクリレンの現時点での安全性は、配合範囲内において、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もありませんが、まれに光感作の報告があるため、注意が必要な成分であると考えられます。

光感作の特徴は、通常かゆみを伴う湿疹様反応で、発症までの時間は24~48時間、少量でも反応が生じます。

光感作が起こらない場合は、安全性に問題ないと考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

開発元であるBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたOECDテストガイドライン404に基づく皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激性なし

開発元であるDSM Nutritionの安全性データシート(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたOECDテストガイドライン404に基づく皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激性なし

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

開発元であるBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたOECDテストガイドライン405に基づく眼刺激性試験の結果、眼刺激性なし

開発元であるDSM Nutritionの安全性データシート(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いたOECDテストガイドライン405に基づく眼刺激性試験の結果、眼刺激性なし

と記載されています。

試験では共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元であるBASFの安全性データシート(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に基づくMaximization皮膚感作性試験の結果、感作性なし

開発元であるDSM Nutritionの安全性データシート(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に基づくMaximization皮膚感作性試験の結果、感作性なし

と記載されています。

試験では共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

光感作性について

2011年に日本臨床免疫学会会誌に掲載された「光アレルギー」によると、光接触皮膚炎の主な原因物質のひとつとしてオクトクリレンが記載されていますが(文献3:2011)、報告としては多くはないため、まれに光感作性が起こる可能性があると考えられます。

また、2011年1月に厚生労働省より、鎮痛・消炎作用を有する医薬品であるケトプロフェン外用剤または湿布剤との共感作によって光線過敏症発症の危険性が高まることが報告されており、ケトプロフェン外用剤または湿布剤とオクトクリレンは併用しないことと注意が掲載されています(文献4:2011)

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オクトクリレン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オクトクリレンの毒性は■(∗3)となっていますが、これは紫外線吸収剤の共通判定です。

刺激性はありませんが、まれに光感作が起こる可能性があるため、その点は注意が必要な成分です。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

オクトクリレンは紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. BASF(2016)「安全性データシート Uvinul N539T」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~ja_JP/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30055082/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=JA&validArea=JP&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af880112b4a.pdf> 2018年2月16日アクセス.
  2. DSM Nutrition(2012)「Safety Data Sheet PARSOL 340」, <-> 2018年2月16日アクセス.
  3. 川田 暁(2011)「光アレルギー」日本臨床免疫学会会誌Vol.34(1),p8-12.
  4. “厚生労働省”(2011)「ケトプロフェン外用剤による光線過敏症に係る安全対策について」, <http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/276-1.pdf> 2018年2月16日アクセス.

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