オキシベンゾン-4とは…成分効果と毒性を解説

紫外線吸収剤
オキシベンゾン-4
[化粧品成分表示名称]
・オキシベンゾン-4

[医薬部外品表示名称]
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸

ベンゾフェノン系と呼ばれるベンゾフェノン誘導体のひとつで、UVBからUVAまで吸収波長領域を有する水溶性の紫外線吸収剤です。

化粧品に配合される場合は、主に化粧品自体の退色防止(∗1)として0.5%以下で使用されます。

∗1 退色とは、日光などにさらされて色がだんだん薄くなること、色があせることです。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

オキシベンゾン-4の配合製品数と配合量の比較調査結果

オキシベンゾン-4はポジティブリストに分類されているため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 10.0g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 0.10g/100g

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オキシベンゾン-4の安全性(刺激性・アレルギー)について

オキシベンゾン-4の現時点での安全性は、殆どのケースで1%未満の配合で、皮膚刺激性、光毒性はほとんどなく、眼刺激が起こる可能性があり、皮膚感作性(アレルギー性)が認められているため、注意が必要な成分であると考えられます。

皮膚感作(アレルギー)が起こらない場合は、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, -3, -4, -5, -9, and -11」(文献1:1983)によると、

  • [ヒト試験] 14人の被検者に4%,8%および16%オキシベンゾン-4を含むワセリンまたはフタル酸ジメチルを単回パッチ適用したところ、4人の被検者が16%濃度で皮膚刺激を示し、1人の被検者が8%濃度で皮膚刺激を示した。この試験物質は16%濃度で刺激剤であると判断された
  • [ヒト試験] 50人の被検者に5%オキシベンゾン-4水溶液をShelanski RIPT法に基づいて反復パッチ適用したところ、いずれの被検者も皮膚反応を示さず、この試験物質は5%濃度で非刺激剤および非感作剤であると結論付けられた
  • [ヒト試験] 100人の被検者に誘導期間において25%オキシベンゾン-4を含むワセリンを適用し、チャレンジパッチでは10%オキシベンゾン-4を含むワセリンを適用し、Mod. D/s RIPT法に基づいて評価したところ、いずれの期間いずれの被検者においても皮膚反応は観察されず、この試験物質は非刺激剤および非感作剤であると結論づけられた

開発元のBASFの安全性データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] 文献データではウサギを用いた刺激性試験(濃度不明)の結果、皮膚接触により刺激を生じる
  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に基づくMaximization皮膚感作性試験の結果、皮膚感作性が認められた
  • [動物試験] モルモットを用いたOECDテストガイドライン406に基づくBuehler皮膚感作性試験の結果、皮膚感作性なし

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、5%濃度以下では皮膚刺激性の報告はありませんが、開発元のBASFの試験結果によって皮膚感作性が認められているため、5%濃度以下では皮膚刺激はほとんどありませんが、皮膚感作性(アレルギー性)があると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, -3, -4, -5, -9, and -11」(文献1:1983)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギ群にそれぞれ4%,8%および16%オキシベンゾン-4を含むワセリンまたはフタル酸ジメチル0.1mLを注入し、眼はすすがず、眼刺激性を評価したところ、16%濃度で角膜刺激および結膜刺激が観察され、8%濃度で結膜刺激が観察されたため、刺激剤であると判断された
  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼に5%オキシベンゾン-4水溶液0.1mLを滴下し、3匹は眼をすすぎ、6匹はすすがず、Draize法に基づいて1,2,3,4および7日目に評価したところ、いずれも眼刺激は観察されず、この試験物質はこの条件下で非刺激性だと結論付けられた
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に100%オキシベンゾン-4(100mg)を注入し、眼をすすがず、1,2,および3日目に評価したところ、最大眼刺激スコア110のうち1日目は2.58、2日目は2.38、3日目は2.05であり、虹彩および結膜に刺激が観察され、この試験物質はこの条件下で刺激剤であると判断された

開発元のBASFの安全性データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] 文献データではウサギを用いた眼刺激性試験(濃度不明)の結果、刺激性あり

と記載されています。

試験結果では5%濃度以上で刺激剤、5%濃度以下で眼刺激性なしと報告されていますが、開発元のBASFの2016年の安全データでは眼を刺激すると記載されているため、5%濃度以下であっても眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

光毒性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, -3, -4, -5, -9, and -11」(文献1:1983)によると、

  • [ヒト試験] 25人の被検者に0.1%オキシベンゾン-4を含むスキンケア化粧品を適用した後に日光を照射したところ、光毒性は観察されなかった

と記載されています。

試験結果はひとつですが、光毒性なしと報告されているため、光毒性はほとんどないと考えられます。

安全性についての捕捉

紫外線吸収剤として使用されているオキシベンゾンにはいくつか種類があり、まとめてベンゾフェノン系と呼ばれています。

このベンゾフェノン系は、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の疑いがあるといわれており、欧州では内分泌かく乱物質リストにも入っていますが、日本では2005年に環境省によって調査された結果、ベンゾフェノン系は明らかな内分泌かく乱物質とは認められなかったと発表されています。

2005年当時は、発表と同時に評価方法の再検討も必要と述べられており、内分泌かく乱物質への取り組みは始まったばかりで発表内容の確度が疑わしくもありましたが、2016年の発表でもベンゾフェノン系の評価が変わっていないため、現時点ではベンゾフェノン系が内分泌かく乱物質とは認められないと考えてられます。

ここでは結論だけまとめましたが、発表資料の引用やより詳細な内容を知りたい場合は、オキシベンゾン-3の安全性についての捕捉を合わせて参照してください。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オキシベンゾン-4

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オキシベンゾン-4の毒性は■(∗3)となっていますが、安全データをみる限り、皮膚感作性(アレルギー性)が認められているため、注意が必要な成分であると考えられます。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

オキシベンゾン-4は紫外線防止成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1983)「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, -3, -4, -5, -9, and -11」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818309140714> 2018年2月14日アクセス.
  2. BASF(2016)「安全データシート Uvinul MS40」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~ja_JP/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30035116/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=JA&validArea=JP&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af8800ba0e9.pdf> 2018年2月14日アクセス.

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