PPG-6デシルテトラデセス-12の基本情報・配合目的・安全性
化粧品表示名 | PPG-6デシルテトラデセス-12 |
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医薬部外品表示名 | ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル |
部外品表示簡略名 | POE・POPデシルテトラデシルエーテル |
INCI名 | PPG-6-Decyltetradeceth-12 |
配合目的 | 可溶化 |
1. 基本情報
1.1. 定義
以下の化学式で表されるデシルテトラデカノールに酸化エチレン(約12モル)および酸化プロピレン(約6モル)をエーテル結合して得られるエーテルであり、酸化エチレン縮合型のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルに分類される非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)です[1]。
1.2. 性状
PPG-6デシルテトラデセス-12の性状は、
状態 | 白-微黄色の固体 |
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このように報告されています[2a]。
2. 化粧品としての配合目的
- 可溶化
主にこれらの目的で、スキンケア製品、フレグランス製品、頭皮ケア製品、スタイリング製品などに使用されています。
以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。
2.1. 可溶化
可溶化に関しては、PPG-6デシルテトラデセス-12はHLB8.5の非イオン界面活性剤ですが、エタノールを多く含む製品に対して優れた可溶化作用を発揮することから、一般に透明の水溶性基剤の中に香料や油性成分を透明かつ均一に溶かし込む目的でエタノールを多く含む製品に使用されています[2b][3]。
3. 安全性評価
- 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
- 20年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
3.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(PEG/PPGアルキルエーテル)は、アルキルアルコールに1モル以上のPEGおよびPPGが結合したエーテルですが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(PEGアルキルエーテル)と似た物理化学的特性を有しており、PEGアルキルエーテルは非刺激性となるように処方されている場合において安全であることが判明しています[4a]。
また、PEGアルキルエーテルとの唯一の違いはポリオキシプロピレン(PPG)の有無ですが、PPGは非刺激性となるように配合されている場合は安全であることが明らかとなっています[4b]。
PPG-6デシルテトラデセス-12については、これらの背景にくわえて20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。
3.2. 眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。
4. 参考文献
- ⌃日本化粧品工業連合会(2013)「PPG-6デシルテトラデセス-12」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,85-86.
- ⌃ab日光ケミカルズ株式会社(2021)「ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル」製品カタログ,39-40.
- ⌃日光ケミカルズ株式会社(2006)「ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル」新化粧品原料ハンドブックⅠ,229-230.
- ⌃abM.M. Fiume, et al(2016)「Safety Assessment of Alkyl PEG/PPG Ethers as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(35)(1_suppl),60S-89S. DOI:10.1177/1091581816650626.