洗浄剤の解説と成分一覧

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洗浄剤

化粧品における洗浄剤の定義

化粧品における洗浄剤とは、界面活性剤の一種で、皮膚・頭皮および毛髪の洗浄(∗1)を目的として配合される成分のことをいいます[1]

∗1 洗浄とは、皮膚・頭皮または毛髪の表面に付着している汚れを取り除き、清浄な表面を得る過程のことをいいます。

皮膚上の汚れの種類と皮膚への影響

皮膚上の汚れは大別すると、

汚れの由来汚れの種類性質
皮膚生理
(内因性)
変質した皮脂親油性
汗、剥離した角質親水性
外環境
(外来性)
土、砂、煤煙、ほこり、ちり、花粉親水性
化粧品残留物
(外来性)
基礎化粧品(クリーム、乳液)親油性
油性おしろい、口紅、アイシャドー、アイブロウ親油性
おしろい(粉おしろい、固形おしろい)親水性
パウダーファンデーション親水性

このような種類が知られています[2a][3a]

内因性の汚れである皮脂は、皮膚表面においてエモリエント作用を発揮しバリアとして機能しますが、太陽光の照射により酸化・変質し、酸化した皮脂と放置された汗、剥離した角質、ちり・ほこりなどが混ざり合った垢が長時間付着すると、ベタつきによる不快感を呈するとともに皮膚上の生理作用を妨害し、さらに皮膚に対して炎症、浮腫などの刺激を引き起こします[2b][3b]

洗浄剤の配合目的と種類

皮膚・頭皮や毛髪の様々な汚れ、皮膚や毛髪を健やかに保つための基礎化粧品、美観を向上させるためのメイクアップ・スタイリング化粧品は、放置しておくと時間の経過とともにベタつきによる不快感、皮膚生理作用の妨害、刺激性物質への変化など有害な影響を及ぼすことから、一定時間後には洗浄する必要があります[3c]

このような背景から、以下の表のように、

界面活性剤の種類主な作用
陰イオン界面活性剤強い洗浄力
良好な泡立ちによる汚れの吸着
優れた分散力
非イオン界面活性剤油性汚れの乳化、分散
油性および水性の可溶化
陰イオン界面活性剤の刺激緩和
両性イオン界面活性剤陰イオン界面活性剤の起泡力増強や泡質の向上
陰イオン界面活性剤の刺激緩和
陰イオン界面活性剤との相溶化
非イオン界面活性剤の可溶化

これらの界面活性剤が洗浄剤として配合されています[4][5][6][7]

洗浄のメカニズム

汚れるということは、汚れが固体表面へ自然に付着することですが、汚れを除去するためには汚れの付着エネルギー以上のエネルギーを外部から加える必要があり、以下の洗浄のメカニズム図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

洗浄のメカニズム

洗浄とは、まず汚れおよび固体表面が洗浄液でぬれ、次に汚れおよび固体表面に界面活性剤が吸着し、そして汚れがローリングアップ(∗2)、乳化、可溶化によって分散・溶解し、最後にすすぐことで除去されるといった一連の過程のことをいいます[8]

∗2 液体汚れが油滴となって固体表面から離脱する現象のことです。

洗浄剤の皮膚への影響

洗浄剤として用いられる界面活性剤は、肌および毛髪を清潔に保つために用いられる一方で、可溶化による皮表脂質の過剰な除去、天然保湿因子や角層細胞間脂質など皮膚の恒常性維持に必要な成分の溶出による皮膚バリア機能低下の誘引となる可能性があるため、製品化にあたっては、

  • 皮膚への影響が少ない界面活性剤の選択
  • 皮膚に対する刺激が緩和される界面活性剤の組み合わせ
  • 界面活性剤の刺激を緩和する成分の併用
  • 皮膚バリア構成成分の配合

これらの低刺激化処方を用いることによって皮膚にやさしい洗浄製品を実現させています[9]

界面活性剤といっても様々な種類があり、それぞれ物性も異なるため、詳しくは各界面活性剤のレポートページを参照してください。

洗浄による皮膚常在菌への影響

皮膚常在菌は、1000種もの菌がお互いに競合と調和関係を構築しながら安定した叢(フローラ)を形成することで、通常は病原性を示すことなく、むしろ外部からの病原菌の侵入を防ぐ一種のバリア機能を発揮していることが知られています[10][11]

これら皮膚常在菌に関しては、洗顔による影響はほとんどなく、一時的な常在菌の減少は認められるものの、すみやかに回復することが明らかにされています[3d]

参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「洗浄剤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,662-668.
  2. 田村 健夫・廣田 博(2001)「洗浄用化粧品」香粧品科学 理論と実際 第4版,335-351.
  3. abcd森 秀司・鶴見 淑子(2001)「洗浄用化粧品」化粧品の有用性-評価技術の進歩と将来展望,66-81.
  4. 日光ケミカルズ株式会社(2006)「洗浄剤に使用される界面活性剤」新化粧品原料ハンドブックⅡ,635-637.
  5. 日本油化学会(2009)「炭化水素系界面活性剤」界面と界面活性剤 -基礎から応用まで- 改定第2版,42-54.
  6. 小田 倫正(2003)「陰イオン界面活性剤」化粧品事典,335.
  7. 小田 倫正(2003)「非イオン界面活性剤」化粧品事典,672-674.
  8. 日光ケミカルズ株式会社(2006)「洗浄のメカニズム」新化粧品原料ハンドブックⅡ,631-635.
  9. 坂本 一民(2012)「やさしい洗浄の基礎」日本化粧品技術者会誌(46)(1),7-16. DOI:10.5107/sccj.46.7.
  10. 桑山 三恵子, 他(1986)「健常女性の皮膚常在菌叢と皮膚の性状」日本化粧品技術者会誌(20)(3),167-179. DOI:10.5107/sccj.20.167.
  11. 岡部 美代治(2018)「皮膚常在菌の化粧品への応用と今後の展望」Fragrance Journal(46)(12),17-20.

洗浄剤一覧

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化粧品表示名オリーブ果実油
配合目的油性基剤、エモリエント、セッケン合成による洗浄作用、溶剤 など
抽出元イメージオリーブ果実油
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名オリーブ脂肪酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名オリーブ脂肪酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名オリブ油
配合目的油性基剤、エモリエント、セッケン合成による洗浄作用、溶剤 など
抽出元イメージオリブ油
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
オレイン酸
配合目的セッケン合成による洗浄作用、油性基剤、結晶化防止
化学式オレイン酸
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名オレイン酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式オレイン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名オレイン酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式オレイン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名オレイン酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式オレイン酸カリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名オレイン酸ナトリウム
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式オレイン酸ナトリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名カリウム含有石けん用素地
配合目的カリウム含有ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名カリウム石けん用素地
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名カリウム石けん用素地(2)
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名カリ含有石ケン素地
配合目的カリウム含有ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名カリ石ケン素地
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ステアリン酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式ステアリン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ステアリン酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式ステアリン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ステアリン酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式ステアリン酸カリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ステアリン酸ナトリウム
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式ステアリン酸ナトリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名石ケン素地
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名石ケン用素地
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用、セッケン合成による乳化 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パーム核脂肪酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パーム核脂肪酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
パーム核油
配合目的油性基剤、加脂肪、セッケン合成による洗浄作用 など
抽出元イメージパーム核油
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パーム脂肪酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パーム脂肪酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
パーム油
配合目的油性基剤、加脂肪、セッケン合成による洗浄作用 など
抽出元イメージパーム油
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化粧品表示名
医薬部外品表示名
パルミチン酸
配合目的セッケン合成による洗浄作用 など
化学式パルミチン酸
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パルミチン酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式パルミチン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名パルミチン酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式パルミチン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名パルミチン酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式パルミチン酸カリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名パルミチン酸ナトリウム
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式パルミチン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
ミリスチン酸
配合目的セッケン合成による洗浄作用 など
化学式ミリスチン酸
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ミリスチン酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ミリスチン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ミリスチン酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ミリスチン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ミリスチン酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ミリスチン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ヤシ脂肪酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ヤシ脂肪酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
ヤシ油
配合目的油性基剤、加脂肪、セッケン合成による洗浄作用 など
抽出元イメージヤシ油
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ヤシ油脂肪酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ヤシ油脂肪酸カリウム液
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ヤシ油脂肪酸ナトリウム
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式 
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名
医薬部外品表示名
ラウリン酸
配合目的セッケン合成による洗浄作用 など
化学式ラウリン酸
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ラウリン酸K
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ラウリン酸K
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
化粧品表示名ラウリン酸Na
配合目的ナトリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ラウリン酸Na
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ
医薬部外品表示名ラウリン酸カリウム
配合目的カリウムセッケン合成による洗浄作用 など
化学式ラウリン酸カリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性ページ

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