ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10とは…成分効果と毒性を解説

乳化
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10
[化粧品成分表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10

[医薬部外品表示名称]
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル

多価アルコールの一種であるグリセリンを10個結合した10量体(∗1)のデカグリセリン(ポリグリセリン-10)に炭素数18の合成飽和脂肪酸であるイソステアリン酸を2つエステル結合してつくられる親水性のジエステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル:非イオン界面活性剤)(∗2)です。

∗1 複数の分子結合がまとまって機能する複合体を多量体といい、デカグリセリンの場合、10個のグリセリンがまとまって機能しているため10量体として働きます。

∗2 ジエステルとは、分子内に2基のエステル結合を持つエステルのことです。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、クレンジング製品、乳化系スキンケア化粧品、洗顔料、シート&マスク製品などに使用されています(文献1:2016)

乳化補助

乳化補助に関しては、親水性の軽微な非イオン界面活性を有しており、乳化補助目的でクレンジング、乳液やクリームなど乳化系スキンケア化粧品、洗顔料に使用されます(文献1:2016)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2014-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10の配合製品数と配合量の調査結果(2014-2015年)

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ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10の安全性(刺激性・アレルギー)について

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性:ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] 35人の被検者に5%ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10水溶液0.03gを24時間閉塞パッチ適用したところ、パッチ除去1および24時間後で皮膚反応は観察されず、この試験物質は非刺激性であった(Japan Hair Science Association,2001)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [in vivo試験] ウサギ角膜由来株化細胞であるSIRC細胞にジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(1,000mg/L)を5分間曝露した後、細胞生存率を測定したところ、非刺激性に分類された(Nikko Chemicals,2016)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10は界面活性剤にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」Final Report.

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