PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとは…成分効果と毒性を解説

乳化剤 安定化成分
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
[化粧品成分表示名称]
・PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン

シリコーン鎖が枝分かれした分子構造を持つ、オイルに対する溶解性に優れたポリエーテル変性シリコーン界面活性剤(シリコーン系乳化剤)です。

シリコーンオイルを水相に乳化したり、シリコーンを含むオイルの乳化物を安定化する効果があります。

化粧品に配合される場合は、ウォータープルーフ特性のある日焼け止め製品およびファンデーションや化粧下地などのメイクアップ化粧品に使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの配合製品数と配合量の調査結果(2014年)

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PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの安全性(刺激性・アレルギー)について

PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの現時点での安全性は、皮膚刺激性は非刺激またはわずかな刺激が起こる可能性があり、眼刺激性はわずかな刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告はなく、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] 20%および100%PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンはウサギの無傷および擦過した皮膚に対してわずかな皮膚刺激が認められた
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養表皮モデル(EpiDerm)を用いて、角層表面にPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを処理したところ、非刺激性であると予測された

と記載されています。

試験結果は、in vitroで非刺激性と報告されているものの、一方で100%および20%濃度でわずかな皮膚刺激が報告されており、濃度依存的に皮膚刺激が増す(濃度が低ければ皮膚刺激は軽減する)とはいえないため、化粧品配合量において、非刺激またはわずかな皮膚刺激が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを処理したところ(HET-CAM法)、わずかに刺激性があると予測された
  • [in vitro試験] 畜牛の眼球から摘出した角膜を用いて、角膜表面にPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを処理した後、角膜の濁度ならびに透過性の変化量を定量的に測定したところ(BCOP法)、わずかに眼刺激性があると予測された

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通してわずかな眼刺激性が予測されているため、わずかな眼刺激が起こると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いて50%PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの皮膚感作試験を行った結果、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは皮膚感作物質ではなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚感作物質ではないと報告されており、また重大なアレルギーの報告もないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは■■(∗2)となっていますが、これは界面活性剤の共通判定であり、試験結果をみるかぎりでは安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは界面活性剤、安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤 安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR664.pdf> 2018年4月14日アクセス.

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