PEG-12ジメチコンとは…成分効果と毒性を解説

乳化剤 分散剤 皮膜形成剤 感触改良剤
PEG-12ジメチコン
[化粧品成分表示名称]
・PEG-12ジメチコン

[医薬部外品表示名称]
・ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体

水溶性高分子のポリエチレングリコール(PEG)とシリコーン系高分子のジメチコンを結合させた、水とシリコーン油を混ざった状態にしておくことができる無臭のシリコーン系乳化剤です。

ヘアケア製品に配合される場合は、水性成分の髪への広がりを向上させ、アニオン界面活性剤による刺激を緩和し、ベタつきを抑えて柔らかい仕上がりにする目的でシャンプー、コンディショナーなどに使用されます。

泡状製品の場合は、製泡効果があります。

スキンケア化粧品に配合される場合は、水溶性においてはシリコーンの感触を付与する感触改良剤として使用し、油溶性においては被膜を形成するため、保湿感を付与し、またW/Si用乳化剤として使用され、ほかにもメイクアップ化粧品、日焼け止め製品など幅広く使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

PEG-12ジメチコンの配合製品数と配合量の調査結果(2014年)

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PEG-12ジメチコンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

PEG-12ジメチコンの現時点での安全性は、皮膚刺激性は一過性の非常にわずかな刺激が起こる可能性があり、眼刺激性は一過性のわずかな刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告はなく、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 53人の被検者(男性5人、女性48人)の背中に0.5%,2%および5%PEG-12ジメチコンと1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(SLS)を同時に24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去24および48時間後に試験部位を評価したところ、SLSのみを適用した部位と比較してSLSとPEG-12ジメチコンを適用した部位は皮膚刺激が少なく、PEG-12ジメチコンの濃度依存的に高い皮膚保護力が認められた
  • [動物試験] 3匹のウサギの無傷の皮膚に100%PEG-12ジメチコン0.5mLを4時間半閉塞パッチ適用し、パッチ除去1,24,48および72時間で評価したところ、皮膚一次刺激スコアは0.44であり、非常にわずかな紅斑を誘発したが72時間以内に消散した

と記載されています。

試験結果は、100%濃度で一過性の非常にわずかな紅斑が報告されており、そのほかに明確な皮膚刺激のデータがみあたらないため、一過性の非常にわずかな皮膚刺激が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギを用いてPEG-12ジメチコン0.1mLの反復眼刺激試験としてPEG-12ジメチコンを5日間毎日投与し、さらに7日間観察を続けたところ、角膜または虹彩の刺激の兆候はなかったが、それぞれの点眼24時間後で一時的な軽度の結膜の赤みが認められた

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、一過性のわずかな結膜の赤みが報告されているため、一過性のわずかな眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] 5匹のモルモットを用いてPEG-12ジメチコンにおけるMagnusson and Kligman感作試験を行った。皮内誘導として1:1のFCA:水(0.1mL)の注射2回、50%PEG-12ジメチコン水溶液0.1mLの注射2回および50%PEG-12ジメチコンFCA0.1mLの注射2回を実施し、注射の6日後に試験群の適用部位を10%ラウリル硫酸ナトリウムを含むワセリン0.5mLで前処理した。誘導期間においては100%PEG-12ジメチコン0.4mLを48時間閉塞パッチ適用し、2週間の無処置期間を設けた後に未処置部位にチャレンジパッチ適用した。パッチ除去24および48時間後にDraize法に従って試験部位を評価したところ、PEG-12ジメチコンは感作剤ではなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚感作物質ではないと報告されており、またアレルギーの報告もないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
PEG-12ジメチコン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、PEG-12ジメチコンは■(∗2)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、試験結果をみるかぎりでは安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

PEG-12ジメチコンは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR664.pdf> 2018年4月14日アクセス.

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