PEG-水添ヒマシ油類とは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
PEG-水添ヒマシ油類
[化粧品成分表示名称]
・PEG-10水添ヒマシ油、PEG-25水添ヒマシ油、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油、PEG-200水添ヒマシ油

[医薬部外品表示名称]
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油

トウゴマという植物の種子(ヒマシ)から抽出されるヒマシ油に水素添加し、酸化しにくく改良したものと、石油由来の酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤です。

化粧品でよく使われるのは、

  • PEG-40水添ヒマシ油
  • PEG-60水添ヒマシ油

ですが、数字が大きいほど親水性が高くなり、数字が小さいほど親油性が高くなります。

つまり、化粧水など水の多い化粧品ではPEG-60水添ヒマシ油などが使われ、クリームなど油分の多い化粧品にはPEG-40水添ヒマシ油が使われるということです。

主に香料やオイル成分を透明な化粧水や美容液に溶かし込む目的で化粧品に配合されます。

実際にどのような製品にどれくらい配合されているかというと、2012年の海外の調査結果になりますが、以下のような報告があります。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

PEG-40水添ヒマシ油の配合状況調査結果

PEG-40水添ヒマシ油は、親油性ということもあり、リーブオン製品だけでなくリンスオフ製品にも配合されており、つまり乳液やクリームなど油性スキンケア化粧品やメイクアップ製品だけでなく、シャンプーなどにも配合されているということです。

PEG-60水添ヒマシ油の配合状況調査結果

PEG-60水添ヒマシ油は、親水性なので化粧水などの水性スキンケア化粧品や目薬にも配合されているのがわかります。

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PEG-40水添ヒマシ油およびPEG-60水添ヒマシ油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

PEG-40水添ヒマシ油およびPEG-60水添ヒマシ油の現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

→ PEG-40水添ヒマシ油を飛ばしてPEG-60水添ヒマシ油の根拠を読む

PEG-40水添ヒマシ油の根拠

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of PEGylated Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] マウスの左耳に20%PEG-40水添ヒマシ油を含む乳化物10μLを単一適用し、6日間観察したところ、皮膚刺激の兆候はみられなかったため、20%PEG-40水添ヒマシ油はおそらく皮膚を刺激しないと結論づけた
  • [動物試験] ラットを無処置群、陽性対照群(0.8%水性ホルマリン)、試験製剤群(20.66%PEG-40水添ヒマシ油を含むゲル)の3つの群に分け、ラットのシェービングされた背中に3日間毎日適用し、3日間観察したところ、皮膚刺激の兆候はみられなかったため、20.66%PEG-40水添ヒマシ油は皮膚刺激性ではないと結論づけた

日光ケミカルズの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] 100%PEG-40水添ヒマシ油をモルモットに適用したところ、皮膚刺激なし

と記載されています。

使用実績が古く、試験結果は共通して皮膚刺激性がないため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全データはみあたりませんが、分子量が非常に大きく、古くからの使用実績があり、目薬にも配合されているので、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

日光ケミカルズの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者に3%PEG-40水添ヒマシ油で皮膚感作試験を実施したところ、感作性なしと結論付けられた

と記載されています。

試験結果はひとつですが、使用実績が古く、国内でも重大なアレルギーの報告はないため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

PEG-60水添ヒマシ油の根拠

皮膚刺激性について

日光ケミカルズの安全データシート(文献3:2016)によると、

  • [動物試験] モルモットに100%PEG-60水添ヒマシ油を適用したところ、皮膚刺激なしと結論づけられた

と記載されています。

試験結果は動物試験ひとつですが、分子量が非常に大きく、古くからの使用実績の中で皮膚刺激の報告をみかけないため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全データはみあたりませんが、分子量が非常に大きく、古くからの使用実績があり、目薬にも配合されているので、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

日光ケミカルズの安全データシート(文献3:2016)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者に3%PEG-60水添ヒマシ油で皮膚感作試験を実施したところ、皮膚感作性なしと結論づけられた

と記載されています。

試験結果はひとつですが、使用実績が古く、国内でも重大なアレルギーの報告はないため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
PEG-40水添ヒマシ油 ■■
PEG-60水添ヒマシ油 ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、PEG-水添ヒマシ油類は、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油のいずれも■■(∗2)となっており、毒性ありという判定です。

この判定事典は合成界面活性剤はすべて■■という判定になっており、信頼性に欠けるので補足しますが、試験結果や安全データおよび使用実績から判断すると、毒性はほとんどなく安全性の高い成分だと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

PEG-水添ヒマシ油類は界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of PEGylated Oils as Used in Cosmetics」, <https://www.chemical-navi.com/product_search/detail325.html> 2017年10月16日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「安全データシート NIKKOL HCO-40」, <https://www.chemical-navi.com/product_search/detail323.html> 2017年10月16日アクセス.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「安全データシート NIKKOL HCO-60」, <https://www.chemical-navi.com/product_search/detail325.html> 2017年10月16日アクセス.

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