セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンとは…成分効果と毒性を解説

乳化剤 安定化成分 分散剤
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
[化粧品成分表示名称]
・セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(改正名称)
・セチルジメチコンコポリオール(旧称)

水溶性高分子のポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)の不可モル数をそれぞれ10と1とした、セチルジメチコンとシリコーン系高分子のジメチコンのアルコキシル誘導体との共重合体であり、非常に分子量の高いシリコーン系乳化剤です。

化粧品に配合される場合は、著しく高い乳化安定性を有するため、品質を安定に保つ目的や液体中に粉体を均一に混ぜ合わせるための分散剤として乳液、クリームなどの油性スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、化粧下地、日焼け止め製品などに使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンの配合製品数と配合量の調査結果(2014年)

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セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンの現時点での安全性は、化粧品配合量において、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性は一過性のわずかな発赤が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告はなく、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 20人の被検者に15%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンを含むアイペンシルを24時間閉塞適用したところ、非刺激性であった
  • [ヒト試験] 28人の被検者を用いて15%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンを含むアイペンシルの感作試験を実施した。試験物質を適用する前処理としてラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液を24時間適用した。誘導期間において試験物質0.05mLを5回にわたって48時間閉塞パッチ適用し、10日間の休止の後に5%SLS水溶液で前処理した後に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去15~30分および24時間後に刺激および感作について観察したところ、試験物質はヒト被検者に対して感作性ではなく、誘導期間において皮膚刺激の兆候はなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷または擦過した皮膚にセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン0.5mLを24時間適用し、Draize法に従って評価したところ、Draizeスコアは無傷および擦過した皮膚の両方で0.4であり、すべての試験部位はいかなる時点においても浮腫は認められず、72時間で正常であった
  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷または擦過した皮膚にセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン0.5mLを24時間適用し、Draize法に従って評価したところ、Draizeスコアは無傷および擦過した皮膚でそれぞれ1.17,0.75および1.58であり、24時間ですべての擦過した皮膚およびほとんどの無傷の皮膚は紅斑を示し、これらのほとんどは浮腫を示した。擦過した皮膚での刺激はより深刻であった。72時間で2つの擦過部位のみが非常にわずかな紅斑を示し、他のすべての部位は刺激が消失した
  • [動物試験] 6匹のウサギにセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン0.5mLを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去24および72時間後に試験部位を評価したところ、24時間後ですべてのウサギに紅斑が観察され、72時間で4匹のウサギに紅斑が観察された。24時間で6匹のうち5匹のDraizeスコアは2で残りの1匹は1であった。セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンは皮膚刺激性の可能性はあるが、有害であると分類される閾値をはるかに下回っていると結論付けられた
  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷の皮膚にセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン0.5mLをパッチ適用しパッチ除去後に評価したところ、1日目に軽度の紅斑および浮腫が観察され、3日目までに減少または解消した。この結果、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンは潜在的な皮膚刺激剤であると報告されているが、オーストラリアの労働安全衛生委員会(NOHSC)の有害物質分類基準では刺激剤に分類されなかった

と記載されています。

試験結果は、ヒト試験15%濃度で共通して非刺激性と報告されているため、化粧品配合量において、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

動物試験は一応掲載しておきましたが、すべて100%濃度での試験であるため、参考外としました。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に100%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン0.1mLを注入し、眼刺激性を観察したところ、1日目および2日目に発赤および結膜への影響が観察されたが、結膜への影響は3日目までに解消し、発赤は3日目までに減少した。混濁または虹彩炎は引き起こさなかった。オーストラリアの労働安全衛生委員会(NOHSC)の有害物質分類基準では刺激剤に分類されなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、一過性のわずかな結膜への影響および赤みが報告されているため、一過性のわずかな眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 28人の被検者を用いて15%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンを含むアイペンシルの感作試験を実施した。試験物質を適用する前処理としてラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液を24時間適用した。誘導期間において試験物質0.05mLを5回にわたって48時間閉塞パッチ適用し、10日間の休止の後に5%SLS水溶液で前処理した後に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去15~30分および24時間後に刺激および感作について観察したところ、試験物質はヒト被検者に対して感作性ではなく、誘導期間において皮膚刺激の兆候はなかった
  • [動物試験] 20匹のモルモットにセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンの感作試験を行った。誘導期間において50%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンを含むFCAを適用し、チャレンジ前に10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(SLS)で前処理した後に100%セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンでチャレンジパッチ適用し、パッチ除去後に試験部位を評価したところ、皮膚感作物質ではなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚感作物質ではないと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通判定であり、試験結果をみるかぎりでは安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, Alkyl-Polyoxyalkylene Siloxane Copolymers, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR664.pdf> 2018年4月16日アクセス.

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