ラウロイルメチルアラニンNaとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ラウロイルメチルアラニンNa
[化粧品成分表示名称]
・ラウロイルメチルアラニンNa

[医薬部外品表示名称]
・ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム液

高級脂肪酸のラウリン酸と天然アミノ酸であるアラニンをメチル化したメチルアラニンで構成されたアミノ酸系アニオン界面活性剤です。

ほかのアミノ酸系界面活性剤同様に、適度な洗浄力と脱脂力があり、弱酸性で起泡力や透明性も良いので、酸性シャンプーに適しています。

ほかのアミノ酸系界面活性剤にない特徴として、高い耐硬水性があり、硬水でもきめ細かい豊かな泡を得ることができることと弱酸性において両性界面活性剤との組み合わせで優れた増粘効果を得ることができることです。

また、カチオン化ポリマーとのコンプレックス形成能に優れているため、毛髪をすすぐときにコンディショニング効果を発揮します。

ラウロイルメチルアラニンNaを開発・販売している日油株式会社の資料によると、以下のグラフのように、

ラウロイルメチルアラニンNaのpHと泡立ち・粘度の変化

pHを変化させることで起泡性や粘性を制御・変化させることができます。

硬水中の泡立ちを洗浄剤でよく使われる代表的なアニオン界面活性剤と比較したグラフが以下になりますが、

硬水中でのアニオン界面活性剤の泡立ち比較

ラウレス硫酸Naは起泡性がそこそこ高いですが、アミノ酸系界面活性剤ではなく、アミノ酸系界面活性剤で硬水中でも高い起泡性を保てるということになるとラウロイルメチルアラニンNaが優れているということが示されています。

また、両性界面活性剤と組み合わせたときに粘度がどれほど変化するのかというグラフが以下になります。

両性界面活性剤と組み合わせたときの粘度挙動

両性界面活性剤にはコカミドプロピルベタインを使用しており、ラウロイルメチルアラニンNaとココイルメチルタウリンNaで粘度を比較していますが、ラウロイルメチルアラニンNaのほうが明らかに粘度が高いのが認められます。

この特徴からラウロイルメチルアラニンNaはコカミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤と一緒に使用されることが多いです。

洗浄製品に配合される場合は、酸性シャンプーをはじめ、洗顔クリーム基剤への溶解性が優れているので洗顔クリーム用の起泡洗浄剤として、また石けんのようなさっぱりとした洗い上がりなのでボディシャンプーなどにも配合されています。

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ラウロイルメチルアラニンNaの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウロイルメチルアラニンNaの現時点での安全性は、人によっては軽度の皮膚刺激・眼刺激を感じる場合がありますが、重大なアレルギー報告もなく、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

川研ファインケミカル株式会社の安全性データシート(文献1:2013)によると、

  • [動物試験] 30%水溶液の5%をモルモットに用いたところ、区分2(皮膚刺激あり)
  • [動物試験] 30%水溶液の5%をウサギに用いたところ、わずかな皮膚刺激あり

日油株式会社の安全性データシート(文献2:2015)によると、

  • 詳細は不明ですが皮膚を刺激する

日光ケミカルズの安全性データシート(文献3:2016)によると、

  • [ヒト試験] 30%水溶液の5%をヒト皮膚に用いたところ、軽度の皮膚刺激あり

と記載されています。

安全データは3つでどれも原料開発元の信頼できるデータですが、30%水溶液の5%の貼付けでモルモットからヒトまで軽度の皮膚刺激ありとなっています。

ただし、実際は洗い流し製品に使用されるため、データに記載されてるほど心配する必要はないと思いますが、軽度の皮膚刺激性が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

川研ファインケミカル株式会社の安全性データシート(文献1:2013)によると、

  • [動物試験] 30%水溶液の2%をウサギに用いたところ、区分2B(わずかな眼刺激あり)
  • [動物試験] 30%水溶液の5%をウサギに用いたところ、わずかな皮膚刺激あり

日油株式会社の安全性データシート(文献2:2015)によると、

  • 詳細は不明ですが眼を刺激する

と記載されています。

安全データによると、共通して眼刺激性ありと記載されているため、わずかな目刺激性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

川研ファインケミカル株式会社の安全性データシート(文献1:2013)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いた皮膚感作試験で陰性(皮膚感作性なし)

と記載されています。

安全データとしてはひとつで、モルモットのものしかありませんが、重大なアレルギー報告もないので、アレルギー反応(皮膚感作)が起こる可能性は低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウロイルメチルアラニンNa ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウロイルメチルアラニンNaは■■(∗2)となっており、毒性・刺激があるという判定になっていますが、化粧品毒性判定事典は合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっています。

洗い流し製品の場合はそこまで心配する必要がないとも思いますが、安全データをみる限りでは多少の皮膚刺激性があると記載されており、10%-40%配合されている製品もあるので、皮膚刺激を感じる方もいるかもしれません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウロイルメチルアラニンNaは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. 川研ファインケミカル株式会社(2013)「安全データシート アラノン ALE」, <http://www.kawaken.com.sg/wp-content/uploads/2016/03/SDS_ALANON-ALE-GHS.pdf> 2017年9月14日アクセス.
  2. 日油株式会社(2012年作成/2015年改訂)「安全データシート ソフティルトAS-L」, <https://www.yokogawa.co.jp/an/msds/tb/sds-K9008WG_J_r02_1706.pdf> 2017年9月14日アクセス.
  3. 日光ケミカルズ(2010年作成/2016年改訂)「安全データシート NIKKOL アラニネート LN-30」, <https://www.chemical-navi.com/product_search/detail441.html> 2017年9月14日アクセス.

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