ラウレス類とは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ラウレス類
[化粧品成分表示名称]
・ラウレス-1、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、ラウレス-5、ラウレス-6、ラウレス-7、ラウレス-8、ラウレス-9、ラウレス-10、ラウレス-11、ラウレス-12、ラウレス-13、ラウレス-14、ラウレス-15、ラウレス-16、ラウレス-20、ラウレス-21、ラウレス-23、ラウレス-24、ラウレス-25、ラウレス-30、ラウレス-38、ラウレス-40、ラウレス-50、ラウレス-100

[医薬部外品表示名称]
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル

ヤシ油アルコールの分別蒸留によって得られるラウリルアルコールに水性成分であるポリオキシエチレン(PEG)を反応させて得られる非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)です。

ラウレスの後ろの数値は、ポリオキシエチレンの平均モル数(∗1)で、ラウリルアルコールにポリオキシエチレンをつけて分子量を大きくすることで刺激が緩和し、分子量が大きくなればなるほど刺激は低くなります。

∗1 モル数とは物質量(分子量)のことです。

浸透力が高く、鎮痛・鎮痒効果があり、強力な乳化作用を有し、酸、アルカリ、加水分解に対して影響を受けにくい安定な界面活性剤で、、湿潤剤、乳化剤、洗浄剤、可溶化剤などに広く使用されます。

実際にラウレス類がどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ラウレス-1の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-2の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-3の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-4の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-5の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-6の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-7の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-8の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-9の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-10の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-11の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-12の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-14の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-16の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-20の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-21の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-25の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-30の配合製品数と配合量の調査(2010年)

ラウレス-8、ラウレス-9、ラウレス-10はネガティブリストに分類されているため配合上限があり、ラウレス-8~10の合計で以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 2.0g/100g
(ラウレス-8~10の合計)
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 2.0g/100g
(ラウレス-8~10の合計)
粘膜に使用されることがある化粧品 2.0g/100g
(ラウレス-8~10の合計)

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ラウレス類の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウレス類の現時点での安全性は、ラウレス類の数値が10未満において、わずかな皮膚刺激性および眼刺激性が起こる可能性がありますが、皮膚感作(アレルギー)の報告もほとんどないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、ラウレス-9ではごくまれにアレルギーの報告があるため、注意が必要であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

– ラウレス-9 –

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl PEG Ethers as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて未希釈のラウレス-9をDraize法に準じて適用24および72時間後に評価したところ、無傷の皮膚でわずかな刺激、擦過した皮膚で中等の刺激であった
  • [動物試験] ウサギを用いて15%および20%ラウレス-9水溶液をDraize法に準じて適用24および72時間後に評価したところ、無傷の皮膚および擦過した皮膚の両方でわずかな刺激であった

日光ケミカルズの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギの損傷皮膚に15%および20%ラウレス-9溶液を適用したところ、わずかな刺激があった
  • [動物試験] 犬の膣粘膜および頸部粘膜に100%ラウレス-9溶液5mLを適用したところ、無刺激であった
  • [動物試験] 連続試験の16日後に同部位にラウレス-9を24時間貼付し、除去24および72時間後に観察したところ、いずれも皮膚反応はみられなかった

– ラウレス-100 –

“日油株式会社”の製品技術資料(文献4:2014)によると、

  • [ヒト試験] 34人の被検者に20%ラウレス-100を含むワセリンを24時間閉塞パッチ適用したところ、陰性であった
  • RIPT試験によるラウレス-100の一次刺激性を評価したところ、陰性であった

と記載されています。

試験結果はラウレス-100では陰性ですが、その他はラウレス-9のものしかみつからず、皮膚状態にかかわらず15%~100%でわずかな刺激が報告されており、ラウレス類の数値が高いまたは濃度がさらに低いとほとんど刺激が起こらない可能性も考えられますが、安全データから解釈できる範囲において、皮膚刺激性はわずかな皮膚刺激が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

– ラウレス-9 –

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl PEG Ethers as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて5%ラウレス-9水溶液の眼刺激性を評価したところ、眼にわずかな麻酔効果を帯びたが、眼刺激性はなかった

日光ケミカルズの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] 20%ラウレス-9水溶液の眼刺激性を評価したところ、わずかな眼刺激性であった

と記載されています。

試験結果はラウレス-9のものしかみつかりませんが、20%で僅かな刺激があり、5%で無刺激と報告されているため、ラウレス類の数値が高いまたは濃度がさらに低いとほとんど刺激が起こらない可能性も考えられますが、安全データから解釈できる範囲において、眼刺激性は無刺激~わずかな眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

– ラウレス-5 –

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl PEG Ethers as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [動物試験] 15匹のモルモットに誘導期間において10%ラウレス-5水溶液を適用し、チャレンジ期間において5%未満ラウレス-5水溶液を適用したところ、感作反応は観察されなかった

– ラウレス-9 –

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl PEG Ethers as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [動物試験] 7匹のモルモットに0.02%ラウレスー9水溶液を誘導期間において週3回合計ん10回の皮内注射を行ない、2周間の休息期間後のチャレンジ期間において単一皮内注射を行ったところ、即時性または遅延性の感作反応は観察されなかった
  • [個別事例] 32歳の非アトピーでニッケルとフレグランスにアレルギーを有する看護師は作業に関連した湿疹を1年ほど発症し、それは手から腕、首まで広がってきていることから仕事で使用する様々なブランドの使い捨て手袋のアレルギー試験としてプリック試験やRASTを実施しましたが、ラテックスアレルギーがないことを示した。次に使用している保湿ローションを中断したところ、湿疹は3週間以内に改善されたため、この保湿ローションによる反復傷害試験(RIPT)を実施したところ陽性であった。パッチテストによると3%ラウレス-9水溶液および1%ポリクオタニウム-7への反応であったため、0.3%,3%および10%ラウレス-9水溶液でパッチテストしたところ、すべての水溶液で陽性反応がでたため、ラウレス-9およびポリクオタニウム-7を含まないスキンケア製品を処方したところ、この看護師は湿疹の症状はみられなかった(文献3:2011)

– ラウレス-100 –

“日油株式会社”の製品技術資料(文献4:2014)によると、

  • RIPT試験によるラウレス-100の一次感作性を評価したところ、陰性であった

と記載されています。

試験結果はラウレス-100では陰性で、その他はラウレス-9のものしかみつかりませんが、共通して皮膚感作性は観察されていないと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、個別事例にみられるように、ラウレス-9ではまれにアレルギー反応が報告されています。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウレス-1 ■■
ラウレス-2 ■■
ラウレス-3 ■■
ラウレス-4 ■■
ラウレス-5 ■■
ラウレス-6 ■■
ラウレス-7 ■■
ラウレス-8 ■■
ラウレス-9 ■■
ラウレス-10 ■■
ラウレス-11 ■■
ラウレス-12 ■■
ラウレス-13 ■■
ラウレス-14 ■■
ラウレス-15 ■■
ラウレス-16 ■■
ラウレス-20 ■■
ラウレス-21 ■■
ラウレス-23 ■■
ラウレス-24 ■■
ラウレス-25 ■■
ラウレス-30 ■■
ラウレス-38 ■■
ラウレス-40 ■■
ラウレス-50 ■■
ラウレス-100 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウレス類は■■(∗3)となっていますが、これは界面活性剤共通の判定です。

安全データをみるかぎり、ラウレス類はわずかな刺激が起こる可能性があり、ごくまれにアレルギーの報告もありますが、総合的には安全性に問題ないと考えられます。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウレス類は界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2012)「Safety Assessment of Alkyl PEG Ethers as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581812444141> 2018年3月24日アクセス.
  2. “日光ケミカルズ”(2016)「安全データシート NIKKOL BL-9EX」, <https://www.chemical-navi.com/product_search/detail335.html> 2018年3月24日アクセス.
  3. R Gallo, M Basso, S Voltolini, M Guarrera(2011)「Allergic contact dermatitis from laureth‐9 and polyquaternium‐7 in a skin‐care product」CONTACT DERMATITIS (45)(6),356-357.
  4. “日油株式会社”(2014)「製品技術資料 ノニオン K-2100W」, <-> 2018年3月25日アクセス.

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