ラウリルベタインとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ラウリルベタイン
[化粧品成分表示名称]
・ラウリルベタイン

[医薬部外品表示名称]
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン

ラウリン酸、ラウリル酸ある着るエステル、アミノ酢酸ベタインなどから合成される代表的な両性界面活性剤です。

水によく溶け、幅広いpHで安定性が高く、低刺激性で優れた増粘効果、起泡力を有しており、またほかのアニオン界面活性剤と相溶性があり、増粘効果、起泡力および洗浄力などの相乗効果が得られます。

川研ファインケミカルの試験データによると、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインラウリルヒドロキシスルタインラウラミドプロピルベタインおよびラウリルベタインの起泡力を比較するために、それぞれ0.25%濃度、pH7.0に統一して泡の高さ(mm)を比較したところ、

ラウリン酸系両性界面活性剤の起泡力比較

ラウリルベタインは直後のみ高い起泡力を有し、それ以後は起泡力が有意に低下を示しました(文献2:2009)

化粧品に配合される場合は、低刺激性の起泡力や洗浄力目的で単独またはアニオン界面活性剤と併用でシャンプー、ボディソープ、洗顔料、入浴剤などに使用され、また肌当たりの良い泡立ち効果からハンドソープにも使用されます。

また、拭き取り化粧品などのスキンケア化粧品にも使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ラウリルベタインの配合製品数と配合量の調査結果(2013年)

スポンサーリンク

ラウリルベタインの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウリルベタインの現時点での安全性は、洗浄製品に配合され、水に希釈して洗い流す前提条件下で、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性が起こる可能性はあるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もなく、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

スキンケア製品に配合される場合は、拭き取り化粧品は問題ないですが、つけっぱなしの場合は0.1%濃度前後であれば皮膚刺激はほとんどありませんが、濃度が高くなると皮膚刺激が起こる可能性があるので注意が必要です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 19人の被検者に0.1%活性ラウリルベタインを30時間解放パッチ適用したところ、皮膚刺激は観察されなかった(European Chemicals Agency,2013a)
  • [ヒト試験] 7人の被検者に1%および10%活性ラウリルベタイン24時間閉塞パッチ適用したところ、10%濃度において1人に重度の紅斑、4人に中等の紅斑、2人に軽度の紅斑が観察され、1%濃度において5人に重度の紅斑、1人に中等の紅斑、1人に軽度の紅斑が観察された(European Chemicals Agency,2013b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、1%および10%の閉塞パッチ適用は刺激が報告されていますが、0.1%濃度の解放パッチでは刺激が報告されておらず、洗浄製品のみの使用および水に希釈して使用する条件では皮膚刺激がほとんど起こらないと予測されるため、洗浄製品での使用および水に希釈して使用する場合、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

スキンケア製品に配合される場合は、拭き取り化粧品は問題ないですが、つけっぱなしの場合は0.1%濃度前後であれば皮膚刺激はほとんどありませんが、濃度が高くなると皮膚刺激が起こる可能性があるので注意が必要です。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの眼に10%ラウリルベタイン水溶液を適用し、すすがず、OECD405テストガイドラインに従って眼を検査したところ、刺激性に分類された(European Chemicals Agency,2013c)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、10%濃度の点眼で眼刺激性が報告されており、洗浄製品のみの使用および水に希釈して使用する条件でも眼刺激が起こる可能性が予測されるため、洗浄製品での使用および水に希釈して使用する場合、眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 20人の被検者に0.1%活性ラウリルベタインを誘導期間およびチャレンジ期間において反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、誘導期間において6回目の適用後でひとつの重度の反応が観察され、7回目の適用後に別の被検者で軽度の反応が観察された。チャレンジパッチの直後に反応は観察されなかったが、その後4日の間に1つの重度の遅延反応、1つの遅延中等の反応、2つの軽度の遅延反応が観察された。これらの反応は原発刺激であり、接触感作反応ではないと考えられた(European Chemicals Agency,2013d)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚感作反応なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウリルベタイン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウリルベタインは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通判定であり、試験データをみるかぎりでは、洗浄剤として水で希釈して使用する場合は安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウリルベタインは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR650.pdf> 2018年5月2日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ