ラウリルヒドロキシスルタインとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ラウリルヒドロキシスルタイン
[化粧品成分表示名称]
・ラウリルヒドロキシスルタイン

[医薬部外品表示名称]
・ラウリルヒドロキシスルホベタイン液

ラウリン酸由来でアミドスルホベタイン型の両性界面活性剤です。

起泡力や洗浄力はアニオン界面活性剤に劣りますが、低刺激でマイルドな洗浄力および起泡力を有しており、アニオン界面活性剤または/およびノニオン界面活性剤と一緒に配合することで相乗効果を示します。

川研ファインケミカルの試験データによると、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルベタインおよびラウリルベタインの起泡力を比較するために、それぞれ0.25%濃度、pH7.0に統一して泡の高さ(mm)を比較したところ、

ラウリン酸系両性界面活性剤の起泡力比較

ラウリルヒドロキシスルタインは5分以内の起泡力は高く、5分をすぎると起泡力が有意に低下しますが、洗浄剤としての使用では十分であるといえます(文献2:2009)

化粧品に配合される場合は、低刺激でマイルドな洗浄力および起泡力目的、またほかの界面活性剤との相乗効果目的でシャンプー、ボディソープ、洗顔料などに使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2017年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ラウリルヒドロキシスルタインの配合製品数と配合量の調査結果(2017年)

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ラウリルヒドロキシスルタインの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウリルヒドロキシスルタインの現時点での安全性は、洗浄製品に配合される配合量の範囲で、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性は軽度の眼刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告はなく、洗浄製品において、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」(文献1:2018)によると、

  • [ヒト試験] 51人の健康な被検者の背中上部に4%ラウリルヒドロキシスルタイン溶液0.2mLを半閉塞パッチ適用し、試験部位を評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作反応は観察されなかった(Consumer Product Testing Co.,2017)
  • [動物試験] 3匹のウサギの無傷の皮膚に28~32%ラウリルヒドロキシスルタイン水溶液を4時間半閉塞パッチ適用し、OECDテストガイドライン404に従って試験部位を評価したところ、3匹のうち2匹に最小限の皮膚刺激(刺激スコア1)が観察されたが、7日以内に消失した。浮腫の兆候はなかった(NICNAS,2011a)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、動物で28~32%濃度で最小限の刺激が報告されていますが、化粧品に配合される濃度は5%以下がほとんどであり、ヒトでは4%濃度で皮膚刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」(文献1:2018)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの眼に28~32%ラウリルヒドロキシスルタイン水溶液を点眼し、眼はすすがず、OECDテストガイドライン405に従って眼を検査したところ、すべてのウサギに結膜刺激、角膜混濁、および虹彩炎症が生じた。1匹の眼は14日目の観察で回復し、もう1匹の眼は21日で正常に戻り、残りの1匹の眼は21日でまだ角膜混濁が観察された(NICNAS,2011b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、動物で28~32%濃度で眼刺激が報告されていますが、化粧品に配合される濃度は5%以下がほとんどであり、洗浄製品に配合されるためさらに水で薄まること、現時点で多くの洗浄製品に配合されていることなどを考慮すると、洗浄製品に配合される場合、眼刺激性は軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウリルヒドロキシスルタイン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウリルヒドロキシスルタインは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通判定であり、試験データをみるかぎりでは、洗浄剤として使用する場合は安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウリルヒドロキシスルタインは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2018)「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/TR750.pdf> 2018年5月2日アクセス.
  2. 川研ファインケミカル株式会社(2009)「アミドスルホベタイン型両性界面活性剤 ソフタゾリン LSB」, <https://www.kawakenfc.co.jp/dcms_media/other/softazoline_lsb.pdf
    > 2018年5月2日アクセス.

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