ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン
[化粧品成分表示名称]
・ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン

ラウリン酸由来でアミドスルホベタイン型の両性界面活性剤です。

高い起泡力と泡安定性を有しており、アニオン界面活性剤と一緒に配合することで優れた増粘性、増泡性および洗浄力を示します。

川研ファインケミカルの試験データによると、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタインラウラミドプロピルベタインおよびラウリルベタインの起泡力を比較するために、それぞれ0.25%濃度、pH7.0に統一して泡の高さ(mm)を比較したところ、

ラウリン酸系両性界面活性剤の起泡力比較

ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインおよびラウラミドプロピルベタインは、30分後でも起泡力を保ったままであった(文献2:2009)

また、アニオン界面活性剤との相乗効果を示すために、アニオン界面活性剤のひとつであるラウリル硫酸TEAとラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの配合比率を変えて、界面活性剤濃度を0.04%、pH7.0に調整して洗浄できる皿の枚数を記録したところ、

アニオン界面活性剤との相乗効果比率

それぞれ6:4または4:6の割合で配合すると最も洗浄力が高くなること、また8:2および2:8の割合でも有意に洗浄力が向上することが明らかになっています(文献2:2009)

化粧品に配合される場合は、アニオン界面活性剤を減らしつつ、洗浄力、起泡力を向上させる目的でシャンプー、ボディソープ、洗顔料などに使用されます。

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ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの現時点での安全性は、皮膚刺激性は無刺激または最小限の刺激が起こる可能性があり、眼刺激性は軽度から中等の眼刺激が起こる可能性がありますが、皮膚感作性(アレルギー性)の報告はなく、洗浄製品において、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」(文献1:2018)によると、

  • [ヒト試験] 54人の被検者の背中に42%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインを含む製剤の12%水溶液(pH6.03)0.2mLを誘導期間およびチャレンジ期間において半閉塞パッチ適用し、パッチ除去後にスコアリングしたところ、皮膚刺激および接触感作の兆候はなかった(European Chemicals Agency,2017a)

開発元である川研ファインケミカル株式会社の安全データ(文献2:2009)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて1%および2%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの皮膚一次刺激性試験の結果、1%濃度で無刺激、2%濃度で弱い刺激物であると結論付けられた
  • [動物試験] ウサギを用いて30%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの連続皮膚刺激性試験の結果、累積皮膚刺激性なしと結論付けられた
  • [動物試験] モルモットを用いたラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(濃度不明)の皮膚感作性試験の結果、陰性であった
  • [ヒト試験] ヒト被検者を用いたラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(濃度不明)の皮膚感作性試験の結果、陰性であった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、1%および5%濃度で非刺激性、2%濃度で弱い刺激と報告されており、また共通して皮膚感作なしと報告されているため、5%以下濃度において、皮膚刺激性は非刺激または最小限の刺激が起こる可能性があり、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」(文献1:2018)によると、

  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に20%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン水溶液100μLを処理したところ、軽度の眼刺激性が予測された(Consumer Product Testing Co.,2017)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて42%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインを含む製剤の1.25%水溶液を処理したところ(HET-CAM法)、中等の眼刺激性が予測された(European Chemicals Agency,2017b)

開発元である川研ファインケミカル株式会社の安全データ(文献2:2009)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて2%ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン水溶液の眼刺激性試験の結果、軽度の眼刺激性と結論づけられた

と記載されています。

試験データをみるかぎり、軽度から中等の眼刺激性が報告されているため、眼刺激性は軽度~中等の眼刺激性が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通判定であり、試験データをみるかぎり安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2018)「Safety Assessment of Alkyl Sultaines as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/TR750.pdf> 2018年5月1日アクセス.
  2. 川研ファインケミカル株式会社(2009)「アミドスルホベタイン型両性界面活性剤 ソフタゾリン LSB」, <https://www.kawakenfc.co.jp/dcms_media/other/softazoline_lsb.pdf
    > 2018年5月1日アクセス.

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