ポリソルベート60とは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ポリソルベート60
[化粧品成分表示名称]
・ポリソルベート60

[医薬部外品表示名称]
・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン

高級脂肪酸のステアリン酸(油性成分)にソルビタン(水性成分)、ポリエチレングリコール(水性成分)をつなぎ合わせた非イオン界面活性剤です。

すぐれた乳化、可溶化、分散作用があり、クリーム、乳液、石けん、シャンプー、リンス、メイクアップ化粧品などに幅広く使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ポリソルベート60の配合製品数と配合量の調査結果(1981年)

ポリソルベート60の配合製品数と配合量の調査結果

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ポリソルベート60の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ポリソルベート60の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、まれにわずかな眼刺激が起こる可能性がありますが、皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者に100%ポリソルベート60を72時間単一パッチテストしたところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 10人の被検者に30%ポリソルベート60水溶液を48時間単一パッチテストしたところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 11人の被検者に6%ポリソルベート60を含むクリームを毎日23時間21日間にわたって閉塞パッチテストしたところ、累積刺激スコアは最大630のうち16で、ポリソルベート60は本質的に非刺激性であると結論づけられた

と記載されています。

試験結果では一次刺激および累積刺激ともに共通して皮膚刺激がないため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85」(文献1:1984)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギに100%ポリソルベート60を点眼し、6匹はすすがず、3匹はすすいで1,2,3,4および7日目に観察したところ、それぞれの眼刺激スコアは最大110のうち0,0,0,0,0となっており、眼刺激性はなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギに100%ポリソルベート60を点眼し、1,2,3,4および7日目に観察したところ、それぞれの眼刺激スコアは最大110のうち2.0,1.0,0,0,0となっており、この条件下ではわずかな眼刺激ありと結論付けられた
  • [動物試験] 9匹のウサギに30%ポリソルベート60水溶液を点眼し、6匹はすすがず、3匹は2秒後に水ですすいで1,2,3,4および7日目に観察したところ、それぞれの眼刺激スコアは最大110のうち0,0,0,0,0となっており、眼刺激性はなかった

と記載されています。

試験ではわずかな眼刺激性ありまたは眼刺激性なしとの結果がでているため、わずかな眼刺激が起こる可能性がありますが、総合的に眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 197人の被検者に0.6%ポリソルベート60を含むシェービング製剤をSchwartz-Peckの皮膚感作試験法に基づいて開放パッチおよび閉塞パッチ下で48時間適用し、2週間後に再び48時間適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 100人の被検者に誘導期間として2.5%ポリソルベート60を含むシェービングフォームを48時間閉塞パッチ下で4週間毎日適用し、チャレンジ期間に改めて48時間閉塞パッチを適用したところ、いずれの被検者も感作反応はなかった
  • [ヒト試験] 82人の被検者に誘導期間として2.5%ポリソルベート60を含むシェービングフォームを48時間閉塞パッチ下で4週間毎日適用し、チャレンジ期間に改めて48時間閉塞パッチを適用したところ、最初のパッチで6人にわずかな刺激がみられたが、チャレンジパッチでの皮膚反応はなく、感作の兆候はみられなかった

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚感作がないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 2.5%ポリソルベート60を含む製品の光感作性の評価のためにMaximization法に基づいて試験を実施した。事前処理として被検者に5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を30分かけ、6~8時間後に48時間開放パッチおよび紫外線に曝露したフォトパッチを事前処理した部位に適用し、この手順を3週間にわたって繰り返し、4週目に単一の48時間開放パッチおよびフォトパッチを適用した。ひとつの研究では49人中2人が最初のフォトパッチで弱い反応を示し、この2人のうち1人はチャレンジパッチでも弱い反応を示した。一方で他の試験では50人の被検者のいずれも陽性反応を示さなかった

と記載されています。

試験では結果を述べるに留められて結論づけられておらず、報告では合計99人のうちチャレンジパッチで感作反応があったのは1人(約1%)であるため、現時点では光感作性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリソルベート60 ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリソルベート60は■■(∗2)となっていますが、化粧品毒性判定事典は合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっています。

安全性データや試験結果をみるかぎりでは、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ポリソルベート60は界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818409021272> 2017年11月7日アクセス.

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