ポリクオタニウム-7とは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤 帯電防止
ポリクオタニウム-7
[化粧品成分表示名称]
・ポリクオタニウム-7

[医薬部外品表示名称]
・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体

塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドを用いて生成したアクリル系高分子ポリマーで、無色~淡黄色の粘性のあるカチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)です。

優れたコンディショニング性と帯電防止性があるため、ヘアケア製品に配合すると、ツヤ、きしみのないクシ通りや帯電防止性などが得られるためコンディショナーなどに使用されます。

また、泡立ちを向上して使用後のうるおい感やすべすべ感が得られるので、ハンドソープ、ボディソープ、洗顔フォームのような洗浄製品全般で使用されます。

実際の使用状況は、海外の調査結果になりますが、以下のような報告がされています。

ポリクオタニウム-7の配合製品数と配合量の比較調査

また、2014年の調査結果では以下のように報告されています。

ポリクオタニウム-7の配合製品数の調査結果(2014年)

調査結果では、1994年から2009年の比較ではシャンプ-や入浴石鹸およびクレンジングなど配合製品数が急増していますが、2014年になると配合製品数がかなり減少していることがわかります。

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ポリクオタニウム-7の安全性(刺激性・アレルギー)について

ポリクオタニウム-7の現時点での安全性は、単発での皮膚刺激性はほとんどありませんが、数を重ねるごとに非常に軽度の累積刺激が起こる可能性があり、眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギーの報告もないため、安全性にやや問題があると考えられます。

ただし、実際の配合濃度は微量(0.5%前後)で、ほとんど洗い流し製品に使用されるため、問題点である累積刺激も起きにくい可能性も考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-7」(文献1:1995)によると、

  • [ヒト試験] 106人の被検者に誘導期間として8%ポリクオタニウム-7水溶液0.2mLを含む24時間閉塞パッチを3週間にわたって12回適用し、毎回次のパッチを適用する前に反応をチェックした。2週間の無処置期間の後未処置部位に4つのチャレンジパッチを適用し、24時間後に評価したところ、誘導期間において最初の適用では反応は観察されなかったが、3週間の間では4人の被検者が刺激反応を示し、4人中3人はポリクオタニウム-7が累積刺激物質であると判定され、残りの1人の反応は他にも原因があるとみられた。チャレンジ期間では5人の被検者が感作反応を示し、5人中4人は刺激スコア1であったが、残りの1人は刺激スコア3と評価されたため、この1人を再試験したところ、観測4日中3日で刺激スコア1と評価された。この試験結果から8%ポリクオタニウム-7は非常に軽度の累積刺激物質だと考えられた(Product Investigations, Inc.,1981)
  • [ヒト試験] 再び上と同じ試験内容で累積刺激試験が実施したところ、155人の被検者のうち2人にかすかな紅斑がみられたが、24時間以内に消失し、いずれの被検者にも悪影響は観察されなかった(Product Investigations, Inc.,1994)
  • [動物試験] 6匹のウサギの剃毛した無傷および擦り剥いた背中に8%ポリクオタニウム-7溶液0.5mLを24時間パッチ適用し、パッチ除去後2週間毎日観察したところ、刺激の兆候は示されなかった(Merck, Sharp & Dohme Research Laboratories,1978)

BASFの安全性データシート(文献2:2016,文献3,2016)によると、

  • [動物試験] OECD404ガイドラインに基づいたウサギに25-50%溶液を塗布した試験で皮膚刺激性なし
  • 5-10%溶液で皮膚刺激性なし

と記載されています。

試験結果では単一刺激は示さなかったものの軽度の累積刺激の可能性が認められているため、単発~数回での皮膚刺激性はほとんどないと考えられますが、使用を重ねていくと軽度の皮膚刺激が起こる可能性が考えられます。

ただし、試験では8%濃度ですが、実際の配合濃度は0.5%前後で累積刺激も起こりにくく、問題のない可能性もあります。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-7」(文献1:1995)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの左眼の結膜嚢にポリクオタニウム-70.1mLを注入し、1分間まぶたを閉じたままにして1分後に解放し、眼はすすがなかった。15分後および2時間後で処置したすべての眼にわずかな目やにがみられ、3つの眼にわずかな結膜充血が認められたが、24時間後ではすべての眼は正常に戻り、2週間の間にそれ以上の眼刺激はみられなかった(Merck, Sharp & Dohme Research Laboratories,1978)

BASFの安全性データシート(文献2:2016,文献3,2016)によると、

  • [動物試験] OECD405ガイドラインに基づいたウサギに25-50%溶液を点眼した試験で眼刺激性なし
  • 5-10%溶液で眼刺激性なし

と記載されています。

試験結果や安全性データは眼刺激性なしで共通しているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

BASFの安全性データシート(文献2:2016)によると、

  • エビデンスはないものの皮膚感作性なし

と記載されています。

試験結果はみあたらないものの、国内で重大なアレルギーの報告もないため、現時点ではアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-7」(文献1:1995)によると、

  • [ヒト試験] 29人の被検者に8%ポリクオタニウム-7水溶液0.3mLを24時間単一パッチテストで適用し、その後8つのパッチを3週間にわたって適用した。各パッチ除去後、パッチ部位を0時~16時の間に30~40分日光に曝露し、2週間の無処置期間を経て2つのチャレンジパッチを適用し、1つを24時間後に太陽光に曝し、24および72時間後に反応を評価したところ、いずれの被検者も刺激や皮膚感作および光感作性を示さなかった(Hill Top Research, Inc.,1982)

と記載されています。

試験はひとつで根拠は弱いですが、ヒト試験において光感作性を示さなかったため、光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリクオタニウム-7 ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリクオタニウム-7は■■(∗2)となっており、毒性・刺激があるという判定になっていますが、化粧品毒性判定事典は合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっています。

複数の安全データを参照する限りでは、毒性についてはほとんど心配しなくてもよいと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1995)「Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-7」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915819509010307> 2017年10月22日アクセス.
  2. BASF(2016)「Safety data sheet SalcareR Super 7」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~en_GB/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30503299/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=EN&validArea=REG_EU&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af880241ecb.pdf> 2017年9月6日アクセス.
  3. BASF(2016)「Safety data sheet DehyquartR CC 7 BZ」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~en_GB/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30537018/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=EN&validArea=REG_EU&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af88028a82c.pdf> 2017年9月6日アクセス.

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