トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル
[化粧品成分表示名称]
・トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル

[医薬部外品表示名称]
・トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル

パーム油由来の高級脂肪酸であるイソステアリン酸と水性成分のポリオキシエチレングリコールをグリセリンで挟んでつなぎ合わせた構造をもつノニオン界面活性剤(非イオン界面活性剤)です。

分子量が大きく安全性の高い成分で、乳化力に優れており、主にクレンジングオイルの主剤として幅広く使用されています。

スポンサーリンク

トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルの安全性(刺激性・アレルギー)について

トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

ミヨシ油脂株式会社のレポート(文献1:2011)によると、

  • [in vitro試験] 1%トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル溶液を3次元培養皮膚モデル上に24時間さらしたところ、生細胞率は100%を維持しており、細胞毒性はほぼないことが認められた

と記載されています。

開発元のミヨシ油脂のデータとして細胞毒性がほとんどないと結論付けられているため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性について安全性データやレポートはみあたらず、データ不足のため、詳細は不明です。

アレルギー(皮膚感作性)について

アレルギー(皮膚感作性)についての安全性データや試験結果はみあたりませんが、国内で重大なアレルギーの報告も見当たらないため、現時点ではアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。

安全性についての捕捉

トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルのような高級脂肪酸とポリエチレングリコールの間にグリセリンを挟んだタイプの乳化剤は、肌の表面に残すとバリア機能を破壊すると書かれたものがありますが、前提として分子量が大きいので通常使用において肌に浸透してバリア機能を破壊することはありません。

ただし、使用感はしっとりしているのに長期使用していると肌が乾燥を感じるという感想は、そのとおりなのですが、実際に乾燥しているわけではなくそう感じるだけです。

というのも、このグリセリン部分や脂肪酸部分のある非イオン界面活性剤は、肌のつっぱり感が低いのはいいのですが、しっとり感まで与えることがあります。

このしっとり感がオイルなら肌に浸透して乾燥を防ぎますが、このタイプの乳化剤は肌に浸透しないので、オイルのように肌に浸透する保湿やエモリエント効果はなく、肌の表面でそう感じさせるだけです。

その上で、乳化力はしっかりしてるので肌の皮脂成分をしっかり落とします。

つまり、皮脂はしっかり奪うのに肌がつっぱらずにしっとり感が残っているように感じる(皮脂を奪われたのに気づかない)ので、使用後の保湿ケアを怠っていると乾燥につながるので注意してください。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルは■■(∗2)となっていますが、合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっており、開発元のミヨシ油脂の資料をみるかぎり細胞毒性はほとんんどないため、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. ミヨシ油脂株式会社(2011)「MファインオイルISG-20T」, <http://www.miyoshi-yushi.co.jp/_userdata/yuka/mfine_color.pdf> 2017年8月25日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ