セスキオレイン酸ソルビタンとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
セスキオレイン酸ソルビタン
[化粧品成分表示名称]
・セスキオレイン酸ソルビタン

[医薬部外品名]
・セスキオレイン酸ソルビタン

高級脂肪酸であるオレイン酸と糖類の一種で水性成分であるソルビトールをつなぎ合わせた非イオン界面活性剤です。

水と油の両方になじむため、水と油を混ざった状態にしておくことができるW/O型乳化剤として、また分散剤や溶解補助剤として広く使用されています。

医薬品にも使用されており、皮膚外用剤として白色ワセリンや軟膏などの油性基剤は疎水性のため、適応範囲が広いものの浸出液の多い皮膚炎には適用しにくいと考えられていますが、セスキオレイン酸ソルビタンを2%ほど加えることで、浸出液を吸収することが可能な基剤となります。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

セスキオレイン酸ソルビタンの配合製品数と配合量の比較調査結果

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セスキオレイン酸ソルビタンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

セスキオレイン酸ソルビタンの現時点での安全性は、医薬品として皮膚外用剤にも使用されており、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sorbitan Stearate, Sorbitan Laurate, Sorbitan Sesquioleate, Sorbitan Oleate, Sorbitan Tristearate, Sorbitan Palmitate, and Sorbitan Trioleate」(文献1:1985)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者にセスキオレイン酸ソルビタンを閉塞パッチ下で72時間適用し、パッチ除去後試験部位を評価し、7日後に同じ手順で再び試験した後に評価したところ、1回目および2回目のいずれも皮膚刺激および皮膚感作は生じなかった
  • [ヒト試験] 10人の被検者に30%セスキオレイン酸ソルビタン水溶液を48時間閉塞パッチ下で適用およびパッチ除去後に試験部位を評価し、7日後に再び同じ手順で再び試験した後に評価したところ、試験物質は皮膚刺激剤でも皮膚感作剤でもなかった
  • [ヒト試験] 109人の被検者の背中に誘導期間として1.0%セスキオレイン酸ソルビタンを含む化粧品0.9mLを9回適用した。最初のみ48時間適用し、2回目以降は24時間適用された。2週間の無処置期間を経て48時間チャレンジパッチを未処置部位に適用し、パッチ除去20分および48時間および120時間後に評価したところ、2人の被検者はパッチ除去20分後に軽度の皮膚反応を示したが、その後は反応せず、この化粧品は感作を誘導しなかったと結論づけた
  • [ヒト試験] 116人の被検者に誘導期間として1%セスキオレイン酸ソルビタンを含むハンドクリームを合計9回適用し、2週間の未処置期間を空けた後に48時間チャレンジパッチを適用したところ、1人の被検者が誘導期間の5,6および7回目に軽度の紅斑を示したが、チャレンジ期間には反応を示さなかった。他の被検者は皮膚反応を起こしておらず、この製品はアレルギー感作を引き起こさないと結論付けられた
  • [ヒト試験] 51人の被検者腕に誘導期間として3%セスキオレイン酸ソルビタンを含むクレンジングクリームを18時間閉塞パッチ下で7回、24時間閉塞パッチ下で1回適用し、適用24、48および72時間後にスコアをつけたところ、重度の紅斑が誘導パッチ3回目の後で1人、6回目の後で1人生じた。中等の紅斑は、誘導パッチ3回目および5回目の後に1人、6回目および7回目のあとに2人に生じた。わずかな紅斑は7回の誘導期間に合計56の部位で生じた。チャレンジパッチは24および48時間後に3人の被検者にわずかな紅斑を生じ、48時間後に1似の被検者に中等の紅斑を生じた。この製品は一次刺激剤および感作増感剤とは考えられなかった
  • [ヒト試験] 25人の被検者に3%セスキオレイン酸ソルビタンを含むクレンジングクリームを18時間パッチで合計4回適用したところ、1人の被検者は2回目のパッチの後に、5人の被検者は3回目と4回目のパッチの後にわずかな紅斑が生じたが、この製品は一次刺激剤ではないと結論づけられた
  • [ヒト試験] 51人の被検者に誘導期間として3%セスキオレイン酸ソルビタンを含むクレンジングクリームを6時間パッチで合計8回適用し、2週間の無処置期間のあとで6時間チャレンジパッチを1回適用したところ、誘導期間の7および8回目に1人の被検者に重度の紅斑が生じ、8回目のパッチ後に5人の被検者に中等の紅斑が生じた。また誘導パッチ3~7回目の後に23人に軽度の紅斑が生じた。チャレンジパッチ後には反応は起こらなかった。この製品は刺激剤および増感剤ではないと結論づけられた
  • [ヒト試験] 1,206人の患者に20%セスキオレイン酸ソルビタンを含むワセリンを24時間閉塞パッチ下で適用し、パッチ除去20分後および2,4,および5日後に評価したところ、6人の患者がアレルギー反応を示し、1人の患者は重度の湿疹を引き起こし、2人の他の患者は中等のアレルギー性皮膚炎を引き起こした

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Sorbitan Esters as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者に30%セスキオレイン酸ソルビタン水溶液を誘導期間として5日間閉塞パッチ適用し、10日間の無処置期間のあとに48時間チャレンジパッチを適用し、評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作はみられなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと結論づけられているため、皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sorbitan Stearate, Sorbitan Laurate, Sorbitan Sesquioleate, Sorbitan Oleate, Sorbitan Tristearate, Sorbitan Palmitate, and Sorbitan Trioleate」(文献1:1985)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼に30%セスキオレイン酸ソルビタン水溶液0.1mLを点眼し、6匹はすすがず、3匹は点眼の2秒後に水ですすぎ、1,2,3,4,8,72および96時間および7日後にDraize法に基づき評価したところ、最大眼刺激スコア110のうち眼刺激スコアは0と記録され、セスキオレイン酸ソルビタン水溶液は眼刺激性ではなかった
  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼に3%セスキオレイン酸ソルビタンを含むクレンジングクリーム製剤0.1mLを点眼し、すすがず、もう5匹のウサギでは点眼4秒後に眼を水で洗い流した。観察は1,24,48および72時間後および4および7日後に行ない、Draize法に基づいて評価したところ、すすがなかったほうのグループでは、眼刺激スコア最大110のうち1時間目の眼刺激スコアは7.8であり、24時間後では1.4であった。洗浄したグループでは1時間目の眼刺激スコアが8.0でありその後は刺激はみられずこの製品は実質的に非刺激性であることが示された
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に5%セスキオレイン酸ソルビタンを含むコーン油0.1mLを点滴し、最大7日目まで観察したところ、この化合物は眼刺激を生じなかった

と記載されています。

試験結果では共通して眼刺激性がなかったため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
セスキオレイン酸ソルビタン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、セスキオレイン酸ソルビタンは■■(∗2)となっていますが、試験結果では皮膚刺激および眼刺激性はなく、皮膚感作もほとんどないため、化粧品や洗浄製品において毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

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セスキオレイン酸ソルビタンは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1985)「Final Report on the Safety Assessment of Sorbitan Stearate, Sorbitan Laurate, Sorbitan Sesquioleate, Sorbitan Oleate, Sorbitan Tristearate, Sorbitan Palmitate, and Sorbitan Trioleate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818509078670> 2017年12月5日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Sorbitan Esters as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR682.pdf> 2017年12月5日アクセス.

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