ステアリン酸Caとは…成分効果と毒性を解説

分散 感触改良
ステアリン酸Ca
[化粧品成分表示名称]
・ステアリン酸Ca

[医薬部外品表示名称]
・ステアリン酸カルシウム

炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸のカルシウム塩であり、金属セッケン(Metallic Soap)(∗1)に分類される分子量607の陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)です(文献2:2019)

∗1 金属セッケンは、一般的には「せっけんカス」と呼ばれており、化学構造的にセッケンと本質的な違いがなく、陰イオン界面活性剤に分類されますが、水に不溶であるため洗浄力や起泡力はありません。

一般的には、プラスチック分野において安定剤、潤滑剤、分散剤として、ゴム分野においてダスティングパウダーとして、医薬分野において錠剤用潤滑剤などに応用されています(文献3:1988)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品などに使用されています。

非水系における顔料・粉体の分散

非水系における顔料・粉体の分散に関しては、撥水性(耐水性)および潤滑性を有しており、顔料・粉体の流動性を向上する働きがあることから、ケーキング防止(∗2)目的で非水系メイクアップ化粧品に配合されます(文献3:1988;文献4:2015)

∗2 ケーキングとは、主として固められた粉末化粧品の使用において、スポンジなどで粉末表面をこすった際に粉末と粉末がくっつくことで表面が固まり、使用しにくくなる現象のことです。

潤滑性および付着性向上による感触改良

潤滑性および付着性向上による感触改良に関しては、皮膚上における潤滑性および付着性を向上する性質を有していることから、メイクアップ化粧品に汎用されています(文献3:1988)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2003年および2016-2019年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ステアリン酸Caの配合製品数と配合量の調査結果(2003年および2016-2019年)

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ステアリン酸Caの安全性(刺激性・アレルギー)について

ステアリン酸Caの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 40年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

日本薬局方および医薬部外品原料規格2006に収載されており、また食品添加物としてFDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)にも承認されており(文献1:2018)、古くからの使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ステアリン酸Caは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

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文献一覧:

  1. FDA:Food and Drug Administration(2018)「Code of Federal Regulations Title 21 Sec. 184.1229 Calcium stearate」, <https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=184.1229> 2019年9月20日アクセス.
  2. “Pubchem”(2019)「Calcium stearate」, <https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Calcium-stearate> 2019年9月20日アクセス.
  3. 吉田 時行, 他(1988)「金属せっけん各論」金属せっけんの性質と応用,112-128.
  4. 宇山 光男, 他(2015)「ステアリン酸Ca」化粧品成分ガイド 第6版,150-151.

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