ステアラミドプロピルジメチルアミンとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ステアラミドプロピルジメチルアミン
[化粧品成分表示名称]
・ステアラミドプロピルジメチルアミン

[医薬部外品表示名称]
・ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド

無機酸または有機酸で中和することで水溶性になり、優れた毛髪コンディショニング効果を発揮するカチオン界面活性剤(ヘアケア帯電防止剤)です。

化粧品に配合される場合は、毛髪に対して吸着作用があり、コンディショニング剤として優れた効果があるため、シャンプー、リンス、トリートメントなどのヘアケア製品に使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ステアラミドプロピルジメチルアミンの配合製品数の調査結果(2012-2014年)

スポンサーリンク

ステアラミドプロピルジメチルアミンの安全性(刺激性・アレルギー)について

ステアラミドプロピルジメチルアミンの現時点での安全性は、化粧品の配合範囲において、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性は非刺激性または最小限の刺激性が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Fatty Acid Amidopropyl Dimethylamines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 30人の被検者に0.045%ステアラミドプロピルジメチルアミンを含むプレシェービングスクラブを2週間毎日使用してもらったところ、皮膚刺激は起こらなかった(Clinical Research Laboratories Inc.,2007)
  • [ヒト試験] 104人の被検者に1%ステアラミドプロピルジメチルアミン水溶液を2%含むヘアコンディショナーを反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激や感作反応を引き起こすわずかな可能性もないと結論づけられた(Clinical Research Laboratories Inc.,2006)
  • [ヒト試験] 102人の被検者に0.045%ステアラミドプロピルジメチルアミンを含むボディローション0.2mLを反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、皮膚の有害な兆候はなかった(TKL Research Inc.,2002)
  • [ヒト試験] 104人の被検者に1%ステアラミドプロピルジメチルアミン水溶液を0.045%含むプレシェービングスクラブ0.2mLを反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、104人の被検者のうち43人にほとんど知覚できない臨床的に意味のない軽度の刺激反応が観察されたが、接触性アレルギーの兆候はなかった(RCTS Inc.,2007)
  • [ヒト試験] 106人の被検者に2%ステアラミドプロピルジメチルアミン水溶液を0.75%含むヘアコンディショナー0.2mLを反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、106人のうち1人の被検者は誘導期間における6回目のパッチで++の紅斑および浮腫を有し、接触皮膚炎の可能性があると判断されたが、全体的にこの試験物質は感作しないと結論付けられた(TKL Research Inc.,2003)
  • [ヒト試験] 55人の被検者に0.5%ステアラミドプロピルジメチルアミンを含むヘアコンディショナー0.02mLを反復半閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作剤ではなかった(Medcin Instituto da Pele S/C Ltda.,2007)
  • [ヒト試験] 50人の被検者に0.05%ステアラミドプロピルジメチルアミンを含むフェイス&ネック製品25-38mg/c㎡を反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作剤ではなかった(Essex Testing Clinic Inc.,2010)
  • [ヒト試験] 122人の被検者に0.6%ステアラミドプロピルジメチルアミンを含むヘアコンディショナー0.15mLを反復半閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、何人かの被検者は誘導期間において1日またはそれ以上の日数で軽度の紅斑が観察され、チャレンジ期間では10人の被検者に軽度の紅斑が認められた。試験物質は軽度の刺激剤であると判定されたが、遅延型接触過敏症の兆候はなかった(Hill Top Laboratories,1997)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、一部の試験データで軽度の皮膚刺激が報告されていますが、ほとんどの試験データにおいて皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、化粧品配合範囲において、皮膚刺激性は非刺激性または軽度の刺激性が起こる可能性がありますが、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどなしと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Fatty Acid Amidopropyl Dimethylamines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に10%ステアラミドプロピルジメチルアミンの0.045%プレシェーブスクラブを処理したところ、非刺激性または最小限の眼刺激性と予測された(BioScience Laboratories Inc.,2007)
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に10%ステアラミドプロピルジメチルアミンの2%ヘアコンディショナーを処理したところ、非刺激性または最小限の眼刺激性と予測された(Institute for In Vitro Sciences Inc.,2006)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、化粧品配合量は5%以下と考えられ、1%濃度以下の試験データでは共通して非刺激または最小限の眼刺激性と予測されているため、化粧品配合範囲において、非刺激性または最小限の眼刺激性と考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ステアラミドプロピルジメチルアミン ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ステアラミドプロピルジメチルアミンは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤の共通判定であり、試験結果をみるかぎりでは安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ステアラミドプロピルジメチルアミンは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Fatty Acid Amidopropyl Dimethylamines as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR616.pdf> 2018年4月26日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ