ジステアリルジモニウムクロリドとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ジステアリルジモニウムクロリド
[化粧品成分表示名称]
・ジステアリルジモニウムクロリド

[医薬部外品表示名称]
・塩化ジステアリルジメチルアンモニウム

ニ鎖型(ジアルキル型)カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)です。

化粧品に配合される場合は、毛髪に吸着する作用が強く、柔軟性や平滑性を与えて感触をよくする効果、帯電防止効果、くし通りをよくする効果目的でヘアコンディショナー、トリートメントの基剤として使用されます。

また、生体膜と同様の脂質二分子膜を形成する作用があり、皮膚に対する刺激も比較的弱く、保湿性と滑らかな質感が得られるため、スキンケアクリーム、乳液などにも使用されます。

ジステアリルジモニウムクロリドは配合しやすいように溶剤のイソプロパノールに溶かし込んでいることが多く、成分表示にはイソプロパノールとセットになってることが多いです。

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ジステアリルジモニウムクロリドの安全性(刺激性・アレルギー)について

ジステアリルジモニウムクロリドの現時点での安全性は、わずかな皮膚刺激が起こる可能性がありますが毛髪には問題なく、またスキンケア化粧品に配合される場合はごく微量のため皮膚刺激はほとんどなく、重度の眼刺激性が起こる可能性があるものの、皮膚感作(アレルギー)はほとんどないため、安全性に問題ないと考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”のあんぜんデータシート(文献1:2009)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた97%ジステアリルジモニウムクロリドの皮膚刺激性試験においてすべてのウサギで軽度~中等の紅斑を認めたが14日以内に回復し、浮腫は観察されず、Draize法に準じた平均刺激スコアは24,48および72時間後で2,1および0.3であった(EU-RAR vol.14,2002)ことから中等の刺激性(区分2)に分類された

開発元の日光ケミカルズの「新化粧品ハンドブック」(文献2:2006)によると、

  • 弱い一次刺激性がある(E.Jungermann,1970)

と記載されています。

試験結果ではわずか~中等の刺激性が報告されていますが、”職場のあんぜんサイト”は97%濃度なので化粧品の配合範囲ではないため参考データとしては除外し、化粧品への配合を考慮した日光ケミカルズのデータを適用すると、わずかな皮膚刺激が起こる可能性があると考えられます。

ただし、スキンケア化粧品に配合される場合は、ごく微量なので皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“職場のあんぜんサイト”のあんぜんデータシート(文献1:2009)によると、

  • ウサギの眼にOECD405テストガイドラインに準じてジステアリルジモニウムクロリドを適用したところ、重度の眼刺激性であった(EU-RAR,2002)

と記載されています。

試験結果はひとつで濃度は詳細不明ですが、眼刺激性は重度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“職場のあんぜんサイト”のあんぜんデータシート(文献1:2009)によると、

  • [ヒト試験] 136人の被検者にジステアリルジモニウムクロリドの反復感作パッチ試験を行ったところ、陰性であった
  • [動物試験] モルモットを用いたジステアリルジモニウムクロリドのMaximization皮膚感作試験およびEpicutaneous Testを行ったところ、陰性であった

開発元の日光ケミカルズの「新化粧品ハンドブック」(文献2:2006)によると、

  • 感作性なし

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚感作性ではないと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ジステアリルジモニウムクロリド ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ジステアリルジモニウムクロリドは■■(∗2)となっていますが、陽イオン界面活性剤共通の判定であり、ヘアケア製品およびスキンケア化粧品それぞれの配合量において安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ジステアリルジモニウムクロリドは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “職場のあんぜんサイト”(2009)「安全データシート ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド」, <http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/107-64-2.html> 2018年3月2日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2006)「新化粧品ハンドブック」p805.

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