ココイルグルタミン酸Naとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
ココイルグルタミン酸Na
[化粧品成分表示名称]
・ココイルグルタミン酸Na

[医薬部外品表示名称]
・N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム液

グルタミン酸とヤシ油脂肪酸から構成された代表的なアミノ酸系アニオン界面活性剤(陰イオン界面活性剤)です。

アニオン界面活性剤は、洗浄系の界面活性剤で、主に洗剤、石けん、シャンプー、洗顔料などに使用されますが、アミノ酸系は比較的高価な成分でありながら、アニオン界面活性剤の中でも肌のバリア成分を残しながら余分な皮脂や汚れを洗い流す選択洗浄力が優れており、低刺激のため敏感肌用シャンプーや子供用シャンプーなどをはじめ、洗顔クリーム、石けんなど多くの製品で使用されています。

また、皮膚と同じ弱酸性を示し、水道水に含まれるミネラルと反応しにくいため洗浄後もつっぱりにくくしっとりした柔軟効果もあります。

実際にどのような製品にどれくらい配合されているかというと、2012-2013年の海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ココイルグルタミン酸Naの配合状況調査結果(2012-2013年)

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ココイルグルタミン酸Naの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ココイルグルタミン酸Naの現時点での安全性は、代表的なアミノ酸系界面活性剤として広く使用されており、皮膚刺激性はほとんどなく、軽度の眼刺激性が起こる可能性はありますが、アレルギー性(皮膚感作性)もみられないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Amino Acid Alkyl Amides as Used in Cosmetics」(文献1:2017)によると、

  • [動物試験] 10%ココイルグルタミン酸Naの皮膚刺激性を評価するためにFlex wash試験を実施したところ、非刺激性であった(Zschimmer & Schwarz Italiana S.p.A.,2010)

旭ファインケムの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて25%ココイルグルタミン酸Na水溶液をDraize法に基づいてパッチ適用したところ、無刺激物であった

と記載されています。

動物による試験結果だけではありますが、共通して皮膚刺激がないため、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Amino Acid Alkyl Amides as Used in Cosmetics」(文献1:2017)によると、

  • [動物試験] ココイルグルタミン酸Na(濃度の報告なし)の眼刺激性を評価するためにRed blood cell testを実施したところ、非刺激性であった(Zschimmer & Schwarz Italiana S.p.A.,2010)
  • [動物試験] 5%ココイルグルタミン酸Naの眼刺激性を評価するためにHET-CAM methodに基づいて眼刺激性試験を実施したところ、眼刺激スコアは13で強い眼刺激性あり(Schoenberg T,2006)

旭ファインケムの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギの眼に5%ココイルグルタミン酸Naをを用いた眼刺激性試験をDraize法に基づいて実施したところ、軽度の刺激であった

と記載されています。

試験は結果はバラバラで5%濃度で軽度~重度の眼刺激性ありとの結果がでていますが、ココイルグルタミン酸Naは低刺激で有名なアミノ酸系界面活性剤の代表として広く使用されており、また重大な眼刺激性の報告もないことから重度の眼刺激性が起こるとは考えにくいため、現時点では軽度の眼刺激性が起こる可能性があると考えられるという記載にとどめておきます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Amino Acid Alkyl Amides as Used in Cosmetics」(文献1:2017)によると、

  • [動物試験] 5%ココイルグルタミン酸Naの皮膚感作性を評価するために閉塞パッチ試験を行ったところ、非感作性であった(Zschimmer & Schwarz Italiana S.p.A.,2010)

旭ファインケムの安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いてココイルグルタミン酸Naの皮膚感作性をBuehler法で評価したところ、陰性であった

と記載されています。

試験結果は動物試験のみではありますが、共通して非感作性で、国内でも重大なアレルギーの報告はないため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ココイルグルタミン酸Na ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ココイルグルタミン酸Naは■■(∗2)となっており、合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっていますが、実際は、アニオン界面活性剤の中でもアミノ酸系は刺激がほとんどなく、洗い流しに使用する成分であることから、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ココイルグルタミン酸Naは界面活性剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2017)「Safety Assessment of Amino Acid Alkyl Amides as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581816686048> 2017年10月27日アクセス.
  2. 旭ファインケム(2016)「安全データシート」, <URL非公開> 2017年8月22日アクセス.

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