オレフィン(C14-16)スルホン酸Naとは…成分効果と毒性を解説

界面活性剤
オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
[化粧品成分表示名称]
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na

[医薬部外品表示名称]
・テトラデセンスルホン酸ナトリウム液

炭素が14~16個の皮膚に対してマイルドな洗浄剤(アニオン界面活性剤)です。

低刺激で泡立ちがよく、生分解性も良好で、酸・アルカリに対して安定しており、シャンプー、液状石けん、ボディ洗浄料、化粧品の乳化剤などに用いられます。

実際に配合されている製品の種類や配合量の範囲は、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

オレフィン(C14-16)スルホン酸Naの配合品数と配合量比較調査

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オレフィン(C14-16)スルホン酸Naの安全性(刺激性・アレルギー)について

オレフィン(C14-16)スルホン酸Naの現時点での安全性は、40年を超える使用実績があり、洗浄製品の配合量において、皮膚刺激性はほとんどなく、軽度の眼刺激性が起こる可能性はありますが、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、バリア機能が低下している場合や皮膚炎などを有している場合は皮膚刺激を感じる可能性が考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Alpha-Olefin Sulfonates」(文献1:1998)によると、

  • [ヒト試験] 0.8%活性オレフィン(C14-16)スルホン酸Naを用いた10日間閉塞パッチ試験は試験を続けるにつれて刺激性が増加した
  • [動物試験] ウサギの無傷の皮膚に1%オレフィン(C14-16)スルホン酸Na水溶液を含む製剤を28日間曝露したところ、影響は観察されなかった。一方で擦過した皮膚では疑わしい剥離や充血が観察された

油化学vol.21の『新しいマイルドな界面活性剤の紹介』(文献3:1972)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いた1%濃度の洗剤に120分間皮膚を接触させた24時間後の皮膚状態の結果は皮膚刺激性なし、10%濃度の洗剤に120分間皮膚を接触させた24時間後の皮膚状態の結果は皮膚刺激性なし、30%濃度の洗剤に120分間皮膚を接触させた24時間後の皮膚状態の結果は皮膚刺激性あり

と記載されています。

10%濃度以下では皮膚刺激性なしと結論づけられているデータが多く、実際の配合では約10%以下がほとんどであり、また皮膚への閉塞パッチで累積刺激が報告されていますが、その都度洗い流す洗浄製品に使用されるため、洗浄製品に配合される場合において、健常な皮膚に刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

ただし、バリア機能が低下している場合や皮膚炎などを有している場合は皮膚刺激を感じる可能性が考えられます。

眼刺激性について

厚生労働省の運営サイトである”職場のあんぜんサイト”の安全性データシート(文献4:2014)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた眼刺激性試験の結果で刺激性があり、すべての初見が7日以内に消失したとの記載がSIDs(2009)にあることから、軽度の刺激あり

と記載されています。

試験結果はひとつですが、軽度の眼刺激性があると結論付けられているため、現時点では軽度の眼刺激性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Alpha-Olefin Sulfonates」(文献1:1998)によると、

  • [ヒト試験] 感作試験において0.06%オレフィン(C14-16)スルホン酸Naを含む食器洗い用洗剤(不純物として不飽和スルトンを最大0.002ppm含む)は、900人以上の被検者に感作を誘発しなかった(Bay and Danneman,1985)

厚生労働省の運営サイトである”職場のあんぜんサイト”の安全性データシート(文献4:2014)によると、

  • [ヒト試験] 88人のボランティアによる試験でアレルギー性なし
  • [動物試験] モルモットを用いたマキシマイゼーション試験でアレルギー性なし(13匹中1匹アレルギー反応あり)との報告がSIDS(2009)にあることから皮膚感作性物質ではない

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚感作性がないと結論付けられているため、皮膚感作(アレルギー)が起こる可能性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オレフィン(C14-16)スルホン酸Na ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オレフィン(C14-16)スルホン酸Naは■■(∗1)となっていますが、合成界面活性剤はすべて■■の極端な判定になっています。

安全性データをみるかぎり、オレフィン(C14-16)スルホン酸Naはほぼ無刺激で細胞毒性もないので、毒性という点では安全性が高いと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:界面活性剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1998)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Alpha-Olefin Sulfonates」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/109158189801700504> 2017年10月30日アクセス.
  2. 山根厳美(1980)「AOSの開発について」『有機合成化学協会誌』Vol.38,No.6,pp.593-601.
  3. 富山新一(1972)「新しいマイルドな界面活性剤の紹介」『油化学』Vol.21,No.6,pp.338-340.
  4. “職場のあんぜんサイト”(2014)「安全データシート」, <http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/68439-57-6.html> 2017年8月30日アクセス.

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