水酸化Alとは…成分効果と毒性を解説

表面処理
水酸化Al
[化粧品成分表示名称]
・水酸化Al

[医薬部外品表示名称]
・水酸化アルミニウム

化学式Al(OH)3・xH2Oで表されるアルミニウム(元素記号:Al)の水酸化物であり、式量78.00の無機化合物です(文献2:1994)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、洗顔料&洗顔石鹸、ネイル製品などに汎用されています。

表面処理

表面処理に関しては、まず前提知識として代表的な紫外線散乱剤のひとつである酸化チタンの性質について解説します。

酸化チタンは、優れた紫外線防散乱機能を有していますが、一方で光触媒活性を有しており、光を受けると表面で強力な酸化力を示すことが知られています(文献3:2012)

そのため、酸化チタンの配合によって化粧品の品質を損なわず皮膚にも有害な影響を与えないためには、光触媒活性を抑制する必要があり、一般的には無機系含水酸化物やシリコーン化合物などで酸化チタンを表面処理する技術が用いられています(文献4:2011)

無機系含水酸化物の一種である水酸化Alは、代表的な酸化チタンの表面処理剤であり、酸化チタンとともに日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ネイル製品などに汎用されています。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2012-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

水酸化Alの配合製品数および配合量の調査結果(2012-2013年)

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水酸化Alの安全性(刺激性・アレルギー)について

水酸化Alの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載(∗1)
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 60年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

∗1 乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒として収載されています。

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 5匹のマウス、3匹のウサギおよび2匹のブタの剃毛した背中に水酸化Alを含むポリソルベート80溶液を5日連続で解放パッチ適用したところ、いずれの動物においても皮膚刺激は観察されなかった(ABG Lansdown,1973)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激なしと報告されていることから、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

60年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

水酸化Alは表面処理剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:表面処理剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Alumina and Aluminum Hydroxide as Used in Cosmetics」 International Journal of Toxicology(35)(3_Suppl),16S-33S.
  2. 大木 道則, 他(1994)「水酸化アルミニウム」化学辞典,702.
  3. Y Li, et al(2012)「Mechanism of photogenerated reactive oxygen species and correlation with the antibacterial properties of engineered metal-oxide nanoparticles.」ACS NANO(6)(6),5164-5173.
  4. 坂井 章人(2011)「微粒子粉体:紫外線防止と粉体」色材協会誌(84)(9),329-334.

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