ヒドロキシアパタイトとは…成分効果と毒性を解説



・ヒドロキシアパタイト
[医薬部外品表示名称]
・ヒドロキシアパタイト
歯や骨などの生体硬組織の主構成物であり、水酸化カルシウムとリン酸を反応させてできたリン酸カルシウムの一種で無臭の白色微粉末です。
人体と親和性が極めて高いことから歯科や整形外科の分野で人工歯根、歯科用セメント、人工骨、骨充填剤などの材料として注目されており、そこからアパタイトを歯磨き剤に配合することで歯質を強化する歯質強化剤として広く普及しています。
化粧品に配合される場合は、他の成分構成が同じであってもファンデーションをはじめとするメイクアップ製品にシリコン処理したヒドロキシアパタイトを処方することで、肌へのつき、肌へののびが向上し、その結果としてしっとり感が向上し仕上がり状態がよくなるため、メイクアップ化粧品に幅広く配合されています。
また、酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤の表面処理剤としても処方されるので、日焼け止め製品、化粧下地などにも使用されます。
ヒドロキシアパタイトの安全性(刺激性・アレルギー)について
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性について
試験データはみあたりませんが、生体親和性が極めて高い物質であり、歯磨き粉などにも使用されていることから、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験データはみあたらないため、眼刺激性はデータ不足により詳細は不明です。
皮膚感作性(アレルギー性)について
試験データはみあたりませんが、生体親和性が極めて高い物質であり、歯磨き粉などにも使用されていることから、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。
化粧品毒性判定事典による毒性判定について
化粧品成分名 | 判定 |
---|---|
ヒドロキシアパタイト | 毒性なし |
参考までに化粧品毒性判定事典によると、ヒドロキシアパタイトは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。
∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
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ヒドロキシアパタイトは表面処理剤にカテゴライズされています。
それぞれの成分一覧は以下からお読みください。
参考:表面処理剤
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文献一覧:
- 吉岡 隆嗣, 鍛冶 文宏, 山下 進(1999)「形態制御されたヒドロキシアパタイトの特性と化粧品への応用」Fragrance Jpurnal(27)(1),145-150.
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