プルランとは…成分効果と毒性を解説

増粘
プルラン
[化粧品成分表示名称]
・プルラン

[医薬部外品表示名称]
・プルラン、トリグルコ多糖

デンプンを原料として黒酵母の一種であるアウレオバシジウム属菌(学名:Aureobasidium pullulans)を培養して得られる、化学構造的にグルコースを唯一の構成成分とし、グルコース3分子がα1-4結合したマルトトリオースがα1-6結合で繰り返し結合した構成となっている水溶性の直鎖状多糖類(産生粘質物:微生物系水溶性高分子)です。

培養条件により分子量は調整できますが、工業的には平均分子量20万前後のものが使用されています(文献2:1984)

一般的に、食品分野においてプルランの強い接着力や結合性目的でとろろ昆布、おかき、ふりかけ、健康食品の顆粒化などに、また皮膜形成目的で味付けのり、米菓、乾燥魚介類などに、粘着性目的でタレ・ソース類、佃煮、冷凍食品などに利用されています(文献2:1984)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、シート&マスク製品などに使用されています(文献1:2016)

増粘

増粘に関しては、冷水にも温水にもよく溶け、低粘性ではありますが保湿性に優れており、チキソトロピー性(∗1)は示さず、透明で安定な中性の粘稠液となることから、粘度調整すいなめらかな感触を付与する目的で使用されます(文献2:1984;文献3:1996)

∗1 チキソトロピー性とは、混ぜたり振ったり、力を加えることで粘度が下がり、また時間の経過とともに元の粘度に戻る現象をいいます。よく例に出されるのはペンキで、ペンキは塗る前によくかき混ぜることで粘度が下がり、はけなどで塗りやすくなります。そしてペンキは塗られた直後に粘度が上がり(元に戻り)、垂れずに乾燥します。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2011-2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

プルランの配合製品数と配合量の調査(2011-2012年)

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プルランの安全性(刺激性・アレルギー)について

プルランの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

食品にも古くから広く使用されていることから、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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プルランは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(35)(1),5S-49S.
  2. 中村 敏(1984)「プルランについて」有機合成化学協会誌(42)(6),584-588.
  3. 塩坂 誠(1996)「プルランとその応用」繊維学会誌(52)(1),31-35.

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