ローカストビーンガムとは…成分効果と毒性を解説

増粘剤
ローカストビーンガム
[化粧品成分表示名称]
・ローカストビーンガム

[医薬部外品名]
・ローカストビーンガム

地中海沿岸のような乾燥した土地で栽培、自生する多年草豆科植物カロブ樹の種子の胚乳部分を粉砕して精製した水溶性高分子(分子量約30万)の天然多糖類(増粘剤)です。

主成分はガラクトマンナンでマンノースとガラクトースが4:1の構成比率となっています。

感触の改良や乳化の安定性向上のために配合され、化粧品では乳液やクリームなどに動物由来のヒアルロン酸の代わりに植物由来の多糖類として用いられます。

以下はローカストビーンガムの粘度と濃度の関係をグラフ化したもので、

ローカストビーンガムの粘度と濃度の関係

ローカストビーンガムは添加量に比例して粘度が大きくなり、他の多糖類と比較しても高粘度を示します。

また、ローカストビーンガムは以下のグラフのようにキサンタンガムカラギーナンなど他の多糖類と併用することでゲル強度を高め弾力性を向上させることが明らかになっています。

ローカストビーンガムの相乗効果

ローカストビーンガムとキサンタンガムが同量に近づくほどゲル強度が上がっているのがわかると思います。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2011年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ローカストビーンガムの配合製品数と配合量の調査結果(2011年)

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ローカストビーンガムの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ローカストビーンガムの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性は非刺激または最小限の刺激性が起こる可能性がありますが、皮膚感作(アレルギー)の報告もほとんどないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データやレポートを参照し引用しています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Galactomannans as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] ウサギの皮膚にローカストビーンガムを適用し皮膚刺激をスコアリングしたところ、最大刺激スコア8.0のうち0.04であり、最小限の皮膚刺激性であった(McCarty JD,1990a)

と記載されています。

安全データをみるかぎり、皮膚刺激性は最小限であると報告されていますが、高分子多糖類であることや食品にも利用されていることから、皮膚刺激性は非刺激性または最小限の刺激性であると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Galactomannans as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼にローカストビーンガム0.1gを適用し、3匹のウサギは点眼後に眼をすすぎ、6匹はすすがず、Draize法にしたがって眼を検査したところ、眼のすすぎにかかわらず最小限の眼刺激性であった(McCarty JD,1990b)

と記載されています。

安全データをみるかぎり、最小限の眼刺激性が報告されているため、眼刺激性は最小限の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Galactomannans as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、

  • [個別事例] ジャム工場で働く48歳の男性がローカストビーンガムとグァーガムに曝露された後に鼻炎や眼の炎症および喘息を訴えたため、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナンの混合物について皮膚感作テストを行ったところ陰性でした。喘息はガムに触れることを止めた後には起こりませんでしたが、一重盲検法で15分間イナゴ豆の粉末を調節したところ、咳、鼻炎、およびくしゃみが発生したため、最終的にグァーガムとローカストビーンガムが陽性であった(van der Brempt X,1992)
  • [個別事例] 59歳の女性がデザートを食べた数分後に唇の腫れに気づき、また彼女はデザートを準備する粉末を扱う間に鼻水やくしゃみの症状を訴えたため、皮膚感作試験を行ったところ、ローカストビーンガムに陽性反応を示し、生のローカストビーンガムで14mmのじんま疹、ゆでたローカストビーンガムで9mmのじんま疹が報告された(Alarcon E,2011)
  • [個別事例] アレルギー性鼻炎を有する30歳の男性はローカストビーンを処理すると定期的に喘息を発症した。ローカストビーンに対するプリックテストおよびRAST(IgEの検査法のひとつ)を実施したところ、どちらも陽性であった(Scoditti A, Peluso P,1996)
  • [個別事例] 8ヶ月の幼児に増粘剤としてローカストビーンガムを含むARミルクを与えたところ、じんま疹と嘔吐が報告された(Savino F, et al.,1999)

と記載されています。

安全データに掲載されている情報はすべてごくまれに起こる個別事例で、一般的には食品添加物や医薬品にも承認されており、化粧品の使用実績も豊富な中で、皮膚感作の報告もほとんどないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ローカストビーンガム

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ローカストビーンガムは△(∗1)となっていますが、安全データをみるかぎり、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ローカストビーンガムは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Galactomannans as Used in Cosmetics」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581815586798> 2017年9月29日アクセス.

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