メタリン酸Naとは…成分効果と毒性を解説

キレート
メタリン酸Na
[化粧品成分表示名称]
・メタリン酸Na

[医薬部外品表示名称]
・メタリン酸ナトリウム

リン酸の一種であるメタリン酸にナトリウム塩を反応させたメタリン酸ナトリウム塩です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、洗顔料、シート&マスク製品などに使用されています(文献1:2001)

製品自体のキレート作用

製品自体のキレート作用に関しては、まず前提知識として化粧品における金属イオンの働きおよびキレート作用について解説します。

金属イオンは、化粧品成分の酸化を促進し、変臭や変色の原因となったり、透明系の化粧品に濁りや沈殿を生じさせたりするなど、化粧品の品質劣化の原因となったり、また効能成分の作用を阻害することがあるため(文献2:2006)、製品中の金属イオンの働きを抑制(封鎖)する目的でキレート剤が配合されます。

たとえば硬水中で石鹸を使用すると、硬水に含まれるカルシウムイオンにより水に溶けず洗浄力のないカルシウム石鹸(金属石鹸)ができますが、メタリン酸Naはカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンをキレートする作用を有しているため、このカルシウムイオンをキレートすることで金属石鹸化を防止し、石鹸の起泡性を維持することができるため、石鹸などに配合されます。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2015-2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

メタリン酸Naの配合製品数と配合量の調査結果(2015-2016年)

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メタリン酸Naの安全性(刺激性・アレルギー)について

メタリン酸Naの現時点での安全性は、

  • 薬添規2018規格の基準を満たした成分が収載される医薬品添加物規格2018に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、配合上限濃度以下および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2001)によると、

  • [ヒト試験] 化粧品に対する接触アレルギーが疑われるまたは確認された1-20人の感じ者に1%メタリン酸Na水溶液をパッチテストしたところ、皮膚刺激の兆候は確認されなかった(de Groot,1994)
  • [ヒト試験] 200人の被検者に2.04%メタリン酸Naを含むアゾ染料混合物の4%水溶液1mLを週2回4週間にわたって適用し、6週目に48時間チャレンジパッチを適用し、皮膚反応を評価したところ、2人の被検者に皮膚反応が認められた。皮膚反応を示した2人の被検者に再チャレンジパッチを実施したところ、この試験物質は皮膚感作性をもつ可能性があるが、皮膚刺激性はないと結論づけた(Food and Drug Research Laboratories Inc,1973)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性の報告はなく、皮膚感作性の報告もごくわずかであるため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2001)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢に0.2%メタリン酸Na水溶液0.1mLを点眼し、24,48および72時間後に眼刺激性を評価したところ、いずれのウサギにおいても眼刺激性の兆候はみられなかった(Stauffer Chemical Company,1971)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

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メタリン酸Naは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2001)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Metaphosphate, Sodium Trimetaphosphate, and Sodium Hexametaphosphate」International Journal of Toxicology(20)(3),75-89.
  2. 日光ケミカルズ(2006)「金属イオン封鎖剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,476-480.

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