ステアリン酸Mgとは…成分効果と毒性を解説

分散剤 安定化成分 感触改良剤
ステアリン酸Mg
[化粧品成分表示名称]
・ステアリン酸Mg

[医薬部外品名]
・ステアリン酸マグネシウム

高級脂肪酸であるステアリン酸のマグネシウム塩で、白色の粉末状分散剤です。

粉体同士がくっついてダマになってしまうのを防ぐ働きがあるので、粉体を分散して滑らかな感触をつくる目的でパウダーファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップ製品に配合されます。

また、シャンプーの不透明化剤や油中水型(W/O型)乳化物の安定化剤としても使われることがあります。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の1982-2001年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ステアリン酸Mgの配合製品数と配合量の調査結果(1982-2001年)

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ステアリン酸Mgの安全性(刺激性・アレルギー)について

ステアリン酸Mgの現時点での安全性は、化粧品、皮膚用医薬品および食品添加物として古い使用実績があり、皮膚刺激性はほとんどなく、軽度の眼刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of Lithium Stearate, Aluminum Distearate, Aluminum Stearate, Aluminum Tristearate, Ammonium Stearate, Calcium Stearate, Magnesium Stearate, Potassium Stearate, Sodium Stearate, and Zinc Stearate」(文献1:1982)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷および擦過した皮膚に100%ステアリン酸Mgを24時間閉塞パッチ適用し、Draize法に従って試験部位を評価したところ、皮膚刺激スコアは最大8のうち0であり、皮膚刺激の兆候はなかった(S.B. PENICK and CO,1977a)

と記載されています。

化粧品、皮膚用医薬品および食品添加物として古い使用実績があり、また試験データをみるかぎり、皮膚刺激の報告もないため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of Lithium Stearate, Aluminum Distearate, Aluminum Stearate, Aluminum Tristearate, Ammonium Stearate, Calcium Stearate, Magnesium Stearate, Potassium Stearate, Sodium Stearate, and Zinc Stearate」(文献1:1982)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に100%ステアリン酸Mgを点眼し、眼はすすがず、Draize法に従って眼を評価したところ、眼刺激スコアは1,2,3,4および7日目でそれぞれ22,16,5,3および1であり、軽度の眼刺激物であると結論付けられた(S.B. PENICK and CO,1977b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、軽度の眼刺激が報告されているため、軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品、皮膚用医薬品および食品添加物として古い使用実績があり、試験データはみあたりませんが、皮膚感作の報告もみあたらないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ステアリン酸Mg 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ステアリン酸Mgは毒性なし(∗2)となっており、安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ステアリン酸Mgは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1982)「Final Report of the Safety Assessment of Lithium Stearate, Aluminum Distearate, Aluminum Stearate, Aluminum Tristearate, Ammonium Stearate, Calcium Stearate, Magnesium Stearate, Potassium Stearate, Sodium Stearate, and Zinc Stearate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818209013152> 2018年5月17日アクセス.

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