ステアラルコニウムヘクトライトとは…成分効果と毒性を解説

増粘剤 安定化成分 感触改良剤
ステアラルコニウムヘクトライト
[化粧品成分表示名称]
・ステアラルコニウムヘクトライト

粘土鉱物のヘクトライトにカチオン界面活性剤のステアラルコニウムクロリドを吸着処理して得られる親油性に改質した粘土成分(粘土系増粘剤)です。

油に混ぜることで油に粘度を与えることができ、油中水型(W/O型)乳化物の安定性を高めたり、顔料粒子などの分散を安定化させて使用性の向上や品質の保持のために使用されます。

化粧品に配合される場合は、主にマニキュア、ネイルエナメル、ネールカラーなどのネイル製品に使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2011-2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ステアラルコニウムヘクトライトの配合製品数と配合量の調査結果(2011-2012年)

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ステアラルコニウムヘクトライトの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ステアラルコニウムヘクトライトの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Stearalkonium Hectorite」(文献1:2000)によると、

  • [ヒト試験] 27人の成人被検者(男性18人、女性9人18~51歳)の上腕外側、前腕てのひら側および背中に1.4%ステアラルコニウムヘクトライトを含むフェイシャルマスクを誘導期間において0.25%ラウリル硫酸ナトリウム0.25mLで前処理した後に同じ部位に試験物質0.1mLを48または72時間パッチ適用し、合計5回繰り返した。チャレンジパッチは反対側の腕、前腕または背側に5%ラウリル硫酸ナトリウム0.1mLを前処理した後に48時間チャレンジパッチ適用し、パッチ除去1および24時間後に試験部位を評価したところ、いずれの被検者にも接触感作および皮膚への有害な兆候は観察されなかった(Ivy Laboratories,1996)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Stearalkonium Hectorite」(文献1:2000)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者の片眼の結膜嚢にステアラルコニウムヘクトライト2mgを点眼し、もう一方は陰性対象として用いて、点眼1分ならびに1,24時間後に眼を検査したところ、被検者から砂または砂利の感覚があると報告されたが、刺痛や痛みの報告はなかった(FDRL,1971a)
  • [ヒト試験] 20人の被検者の片眼の結膜嚢に20%ステアラルコニウムヘクトライトを含む生理食塩水またはトウモロコシ油0.1mLを滴下し、もう片方の眼は陰性対照として生理食塩水を滴下し、1分間眼をしっかり閉じてもらい点眼1および24時間後に眼を観察したところ、いずれの眼にも損傷は観察されなかった(FDRL,1971b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ステアラルコニウムヘクトライト

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ステアラルコニウムヘクトライトは■(∗2)となっていますが、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ステアラルコニウムヘクトライトは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2000)「Final Report on the Safety Assessment of Stearalkonium Hectorite」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr268.pdf> 2018年5月17日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2013)「Safety Assessment of Ammonium Hectorites as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581813507722> 2018年5月17日アクセス.

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