ジメチルシリル化シリカとは…成分効果と毒性を解説

増粘
ジメチルシリル化シリカ
[化粧品成分表示名称]
・ジメチルシリル化シリカ

[医薬部外品表示名称]
・シリル化処理無水ケイ酸

化学構造的に体質顔料の一種であるシリカにジメチルシリル基(疎水性)を添加し改質した疎水性シリカ誘導体です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でメイクアップ化粧品、ネイル製品に汎用されています。

疎水性増粘

疎水性増粘に関しては、ジメチルシリル化シリカは疎水性であり、化粧品油剤の増粘効果に優れていることから(文献2:1988;文献3:2015;文献4:2015)、油剤の顔料分散安定化や硬さ調製などの目的で口紅、ファンデーション、チーク、アイシャドー、コンシーラーなどに汎用されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2010-2011年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ジメチルシリル化シリカの配合製品数と配合量の調査結果(2010-2011年)

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ジメチルシリル化シリカの安全性(刺激性・アレルギー)について

ジメチルシリル化シリカの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2013)によると、

  • [ヒト試験] 45人の被検者に7.5%,15%および30%ジメチルシリル化シリカを含むスクワランを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も試験期間を通じて皮膚刺激および皮膚感作を示さなかった(Anonymous,1993)
  • [ヒト試験] 107人の被検者に2%ジメチルシリル化シリカを含むアイライナーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も試験期間を通じて皮膚刺激および皮膚感作を示さなかった(TKL Research,2010)
  • [ヒト試験] 100人の被検者に7%ジメチルシリル化シリカを含むリップスティックを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も試験期間を通じて皮膚刺激および皮膚感作を示さなかった(Consumer Product Testing Co,2008)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2013)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギに25%ジメチルシリル化シリカ0.5mLを点眼し、点眼1,24,48および72時間後に眼刺激性を評価したところ、1匹のウサギで結膜が真っ赤になりまぶたがわずかに腫脹し、残りの5匹は結膜のわずかな赤みが観察された。眼刺激反応は1,3および7日後にすべてのウサギで正常にもどり、全観察期間における角膜と虹彩の刺激指数は0であったため、この試験物質は非刺激であると結論づけられた(Huntingdon Life Sciences Ltd,1999)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼にジメチルシリル化シリカ0.1mLを点眼し、3匹の眼はすすがず、残りの3匹の眼は生理食塩水ですすぎ、点眼1,24,48および72時間後に眼刺激性を評価したところ、いずれの観察時間においても刺激の兆候はなかった(Cabot Corporation,2010)
  • [動物試験] 8匹のウサギの片眼にジメチルシリル化シリカ0.1mLを点眼し、5匹の眼はすすがず、残りの3匹の眼は生理食塩水ですすぎ、点眼1,24,48および72時間後に眼刺激性を評価したところ、いずれの観察時間においても刺激の兆候はなかった(Degussa AG,1978)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

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ジメチルシリル化シリカは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2013)「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」International Journal of Toxicology(32)(3_Suppl),5S-24S.
  2. 城野 博州(1988)「シリカ微粒子の特性と応用」色材協会誌(61)(11),614-621.
  3. 宇山 光男, 他(2015)「ジメチルシリル化シリカ」化粧品成分ガイド 第6版,149.
  4. 旭化成ワッカーシリコーン株式会社(2015)「HDKシリーズ」技術資料.

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