ジメチルシリル化シリカとは…成分効果と毒性を解説

安定化成分 増粘剤
ジメチルシリル化シリカ
[化粧品成分表示名称]
・ジメチルシリル化シリカ

[医薬部外品名]
・シリル化処理無水ケイ酸

シラン剤で疎水処理をした微粒子の無水ケイ酸で、油と混ざりやすい白色粉末(粉体系増粘剤)です。

油の粘度を上げたり、ゲル化することができます。

主にリキッドファンデーション、口紅、ネイルなどの油系製品の硬さ調整に使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ジメチルシリル化シリカの配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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ジメチルシリル化シリカの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ジメチルシリル化シリカの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」(文献1:2013)によると、

  • [ヒト試験] 7.5%,15%および30%ジメチルシリル化シリカを含むスクアレンの刺激性および感作性を評価するために45人の被検者に反復パッチ試験(HRIPT)を実施したところ、皮膚刺激および皮膚感作性は観察されなかった
  • [ヒト試験] 24%ジメチルシリル化シリカを含むワセリンの一次刺激性を評価するために19人の被検者に単一パッチ試験を実施したところ、2人の被検者において皮膚刺激が観察された(詳細は不明)
  • [ヒト試験] 1.4%ジメチルシリル化シリカを含む制汗剤の累積刺激性を評価するために99人および102の被検者に反復パッチ試験(HRIPT)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった
  • [ヒト試験] 7%ジメチルシリル化シリカを含むリップスティックの累積刺激性を評価するために100人および102の被検者に反復パッチ試験(HRIPT)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作は観察されなかった

ワッカーシリコーン株式会社の安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • 皮膚刺激性なし

EVONIKの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた試験でOECDに基づいた判定により皮膚刺激性なし

と記載されています。

試験結果では濃度にかかわらず共通して皮膚刺激性なしと記載されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」(文献1:2013)によると、

  • [ヒト試験] 2%ジメチルシリル化シリカを含むアイライナーの眼刺激性を評価するために31人の女性被検者に13または14日の連続使用を指示したところ、いずれの被検者も眼刺激性の報告はなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギに25%ジメチルシリル化シリカ0.5mLを点眼し、1,24,48および72時間で検査したところ、1匹のウサギで結膜が真っ赤になりまぶたがわずかに腫脹し、残りの5匹は結膜のわずかな赤みが観察された。眼刺激反応は1,3および7日後にすべてのウサギで正常にもどり、全観察期間における角膜と虹彩の刺激指数は0であったため、ジメチルシリル化シリカは非刺激性であると結論づけた
  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼にジメチルシリル化シリカ0.1mLを滴下し、処置された眼の3つはすすがれず、そして3つは20~30秒後に生理食塩水ですすがれた。それぞれの眼を1,24,48および72時間で評価したところ、いずれの観察時間においても刺激の兆候はなかった
  • [動物試験] 8匹のウサギの片眼にジメチルシリル化シリカ0.1~0.2gを適用し、5匹の眼はすすがれず、3匹は適用20~30秒後に生理食塩水ですすがれた。それぞれの眼を1,24,48,72時間および7日目に採点したところ、いずれの観察期間にも刺激の兆候はみられなかった
  • [動物試験] 8匹のウサギの片眼に50%ジメチルシリル化シリカを含むオリーブオイル0.1mLを適用し、5匹の眼を適用5分後に生理食塩水ですすぎ、3匹を24時間後にすすいだ。それぞれの眼を1,24,48および72時間で採点したところ、最初の3回の観察で結膜炎の発赤がみられ、刺激スコア1.0と評価されたが、72時間後に解決され、いずれの期間においても刺激の兆候はなかった

ワッカーシリコーン株式会社の安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • 眼刺激性なし

EVONIKの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いた試験でOECDに基づいた判定により眼刺激性なし

と記載されています。

試験結果では濃度にかかわらず共通して眼刺激性なしと結論づけているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

アレルギー(皮膚感作性)に関しては、安全性データに記載はありませんが、2,500以上の製品に使用されていながら重大なアレルギーの報告もないため、アレルギー反応(皮膚感作)が起こる可能性は限りなく低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ジメチルシリル化シリカ 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ジメチルシリル化シリカは毒性なし(∗2)となっており、毒性の心配はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ジメチルシリル化シリカは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2013)「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581813486299> 2017年11月5日アクセス.
  2. ワッカーシリコーン株式会社(2017)「安全データシート HDK® H15」, <https://www.wacker.com/cms/en/products/product/product.jsp?product=9320> 2017年9月18日アクセス.
  3. EVONIK(2017)「SAFETY DATA SHEET AEROSIL® R 972」, <https://www.aerosil.com/lpa-productfinder/page/productsbytext/detail.html?pid=1833&lang=en> 2017年9月18日アクセス.

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