シリル化シリカとは…成分効果と毒性を解説

増粘剤 感触調整粉体
シリル化シリカ
[化粧品成分表示名称]
・シリル化シリカ

[医薬部外品名]
・シリル化処理無水ケイ酸

シリカ(無水ケイ酸)の表面をジメチルクロロシランまたはトリメチルクロルシランで処理した多孔質球状の粉体で、親油性の粉体系増粘剤です。

粉体処方の中で増量の目的やソフトフォーカス効果などの目的でメイクアップ化粧品に使用されるほか、皮脂を吸収する目的もあるので化粧持ちをよくするためにも配合されています。

ソフトフォーカス効果というのは、以下の図のように、

ソフトフォーカス効果

球状粉体で肌を均一にして、光を均一に反射することでシワや毛穴を目立たなくする効果のことです。

また、シリコーンオイルやミネラルオイルなど各種油剤に混ぜるだけで増粘させることができるので、ジメチルシリル化シリカ同様に油を増粘させるために使われることもあります。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

シリル化シリカの配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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シリル化シリカの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

シリル化シリカの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」(文献1:2013)によると、

  • 現行の使用状況および配合量においてシリル化シリカは安全であると結論づけられた

開発元のワッカーシリコーン株式会社の安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • 皮膚刺激性なし

開発元のEVONIKの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いてOECDテストガイドライン404に従った皮膚刺激性試験の結果、皮膚刺激性なし

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」(文献1:2013)によると、

  • 現行の使用状況および配合量においてシリル化シリカは安全であると結論づけられた

開発元のワッカーシリコーン株式会社の安全性データシート(文献2:2017)によると、

  • データからは臨床的に意義のある眼刺激性は予期されない

開発元のEVONIKの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いてOECDテストガイドライン405に従った眼刺激性試験の結果、眼刺激性なし

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」(文献1:2013)によると、

  • 現行の使用状況および配合量においてシリル化シリカは安全であると結論づけられた

開発元のEVONIKの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • [動物試験] モルモットを用いてOECDテストガイドライン406に従った皮膚感作性試験の結果、皮膚感作性なし

と記載されています。

試験データはひとつですが、皮膚感作なしと報告されており、また使用実績のある中で皮膚感作の報告もないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
シリル化シリカ 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、シリル化シリカは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関する心配はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

シリル化シリカは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2013)「Safety Assessment of Silylates and Surface-Modified Siloxysilicates」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581813486299> 2018年5月16日アクセス.
  2. ワッカーシリコーン株式会社(2017)「安全データシート HDK® H2000」, <https://www.wacker.com/cms/en/products/product/product.jsp?product=9324> 2017年9月18日アクセス.
  3. EVONIK(2017)「SAFETY DATA SHEET」, <https://www.aerosil.com/lpa-productfinder/page/productsbytext/detail.html?pid=1813&lang=en> 2017年9月18日アクセス.

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