コーンスターチとは…成分効果と毒性を解説

付着 増粘
コーンスターチ
[化粧品成分表示名称]
・コーンスターチ

[慣用名]
・トウモロコシデンプン

イネ科植物トウモロコシ(学名:Zea mays 英名:corn)の種子の胚芽から得られるデンプンであり、化学構造的に多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した水溶性の多糖類(種子粘質物:植物系水溶性高分子)です。

化学構造は、多数のα-グルコース分子が直鎖状に連結した構造のアミロース(重合度は100-1,000)と枝分かれを多くもった分岐鎖状構造のアミロペクチン(重合度は1,000-10万)が中心から放射線状に束ねられた構造となっており、アミロースとアミロペクチンの構成比率は品種によって異なります(文献2:1966)

分子量は数万-数百万です。

一般的には、食品分野でプリンの凝固剤、麦芽100%ではないビールや発泡酒の副原料として、工業用としては紙製品(塗工紙・ダンボール)の製造・加工の接着剤として、医療分野ではゴム手袋のゴムを滑りやすくして装着しやすいようパウダーなどに使用されています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品、パウダー製品、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、洗浄製品などに使用されています(文献1:2011)

付着

付着に関しては、水中で加熱またはイオン溶液を加えることでノリ化する性質を有しており、このノリが皮膚に対する付着性として応用されています。

このような背景から、フェイスパウダーやベビーパウダーなどのパウダー系製品の皮膚への付着性を向上する目的で、付着させる粉体と混ぜて使用されます(文献3:2012)

増粘

増粘に関しては、温水でノリ化する性質を有しており、ノリ化した溶液は時間とともにゲルを形成するため、増粘・感触の調整目的で乳液・クリームなどの乳化系スキンケア製品、シャンプー・ボディソープなどの洗浄製品に配合されることがあります(文献3:2012)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2006-2008年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

コーンスターチの配合製品数と配合量の調査結果(2006-2008年)

スポンサーリンク

コーンスターチの安全性(刺激性・アレルギー)について

コーンスターチの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 99人の被検者(男性26人、女性73人、18-70歳)に97%コーンスターチを含むパウダーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、誘導期間において4人の被検者に最小限の紅斑が認められたが、チャレンジ期間に皮膚反応は認められなかった。同様の試験を別の109人の被検者(男性35人、女性74人、18-68歳)で実施したところ、皮膚反応は認められなかった(Harrison Research Laboratories Inc,2002)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

コーンスターチは安定化成分、その他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分 その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2011)「Final Report of the Safety Assessment of Cosmetic Ingredients Derived From Zea Mays (Corn)」International Journal of Toxicology(30)(3),17S-39S.
  2. 町田 誠之, 他(1966)「デンプンの化学 : その工業化学的利用を中心として」化学教育(14)(2),130-137.
  3. 鈴木 一成(2012)「トウモロコシデンプン」化粧品成分用語事典2012,600.

TOPへ