ケイ酸(Al/Mg)とは…成分効果と毒性を解説

安定化成分 増粘剤
ケイ酸(Al/Mg)
[化粧品成分表示名称]
・ケイ酸(Al/Mg)

[医薬部外品名]
・ケイ酸アルミニウムマグネシウム

粘土鉱物のモンモリロナイトの一種であるサポナイトを主成分とする白色~薄褐色の粉末です。

水を加えると泥状に増粘して乳化物などの安定性を高める親水性増粘剤として働きます。

ベントナイトと類似しており、同様にゲルを形成しますが、ケイ酸(Al/Mg)は静置しておくとゲル状、撹拌する(∗1)と液状に変化する特徴があります。

∗1 かき混ぜること。

配合安定性や他の原料との組み合わせに技術を要しますが、非常に特徴的な感触の化粧品をつくりだす可能性を秘めています。

また、顔料分散性に優れており、クリーム、乳液、液状ファンデーションなどに使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の1998-1999年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ケイ酸(Al/Mg)の配合製品数と配合量の調査結果(1998-1999年)

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ケイ酸(Al/Mg)の安全性(刺激性・アレルギー)について

ケイ酸(Al/Mg)の現時点での安全性は、皮膚一次刺激はまれに弱い刺激が生じる可能性がありますが、累積刺激性はなく、眼刺激性は最小限から軽度の刺激が生じる可能性があるものの、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告もみあたらないため、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Aluminum Silicate, Calcium Silicate, Magnesium Aluminum Silicate, Magnesium Silicate, Magnesium Trisilicate, Sodium Magnesium Silicate, Zirconium Silicate, Attapulgite, Bentonite, Fuller’s Earth, Hectorite, Kaolin, Lithium Magnesium Silicate, Lithium Magnesium Sodium Silicate, Montmorillonite, Pyrophyllite, and Zeolite」(文献1:2003)によると、

  • [動物試験] 4匹のウサギの無傷および擦過した外耳にケイ酸(Al/Mg)2gを10日間毎日適用し、適用後に評価したところ、いずれのウサギにおいても影響は観察されなかった(Munch,1944)
  • [動物試験] 4匹のウサギ2グループの無傷および擦過した腹部の皮膚にケイ酸(Al/Mg)を24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に試験部位を洗浄した後に評価する手順を7日間繰り返した。皮膚刺激は一般的に中等の紅斑およびわずかな浮腫であった。浮腫は24時間以内に完全に沈静化し、紅斑は2~4日の間で完全に消失した(Hazelton Laboratories,1968a)
  • [動物試験] 8匹のウサギの無傷および擦過した背部に4%ケイ酸(Al/Mg)溶液0.3mLを24時間単一閉塞パッチ適用し、パッチ適用から24および72時間後に試験部位を評価したところ、皮膚刺激スコアは0.1であり、ケイ酸(Al/Mg)は弱い原発性刺激剤であることを示唆した(CTFA,1970a)
  • [動物試験] 3匹のモルモットの脇腹に4%ケイ酸(Al/Mg)水溶液0.05mLを1日1回3日間連続で適用し、適用24時間後に皮膚反応を評価したところ、累積刺激スコアは0.0であり、この試験条件下で4%ケイ酸(Al/Mg)溶液は累積皮膚刺激を示さなかった(CTFA,1970b)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、弱い一次刺激性および累積刺激性なしと報告されているため、皮膚一次刺激性は弱い刺激性が起こる可能性があり、累積刺激性はないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Aluminum Silicate, Calcium Silicate, Magnesium Aluminum Silicate, Magnesium Silicate, Magnesium Trisilicate, Sodium Magnesium Silicate, Zirconium Silicate, Attapulgite, Bentonite, Fuller’s Earth, Hectorite, Kaolin, Lithium Magnesium Silicate, Lithium Magnesium Sodium Silicate, Montmorillonite, Pyrophyllite, and Zeolite」(文献1:2003)によると、

  • [動物試験] 9匹のウサギを用いて6匹の片眼に未希釈のケイ酸(Al/Mg)100mgを単一適用し、残りの3匹の片眼に50%ケイ酸(Al/Mg)溶液0.1mLを適用し、未希釈のケイ酸(Al/Mg)を適用した6匹のうち3匹の眼は適用後に4秒間すすぎ、残りの6匹の眼はすすがず、適用後1,4,24,48および72時間後および4および7日後にDraize法に従って観察したところ、すべてのウサギで結膜充血がみられ、5匹の眼にわずかな虹彩炎がみられた(未希釈の非洗眼グループで1匹、未希釈の洗グループで2匹、50%グループで2匹)。虹彩炎は1および4時間の観察のみで認められた。刺激は徐々に落ち着き、2~4日以内に完全に消失した。また7日目に2%フルオレセインナトリウムで目を処理したところ、角膜損傷に対して陰性であった(Hazelton Laboratories,1968b)
  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼の結膜嚢に4%ケイ酸(Al/Mg)0.01mLを点滴し、Draize法に従って適用1および4時間後ならびに1,2,3,6および7日後に評価したところ、1時間時での平均刺激スコアは角膜、虹彩、結膜でそれぞれ0,0,6.7であった。合計スコアは6.7であり、これらの試験条件下で4%ケイ酸(Al/Mg)は最小限の眼刺激性を生じた(CTFA,1970c)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して最小限~軽度の目刺激が報告されているため、最小限~軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データはみあたりませんが、使用実績の中で皮膚感作(アレルギー)の重大な報告もないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ケイ酸(Al/Mg) 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ケイ酸(Al/Mg)は毒性なし(∗3)となっており、試験データをみるかぎり、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ケイ酸(Al/Mg)は安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2003)「Final Report on the Safety Assessment of Aluminum Silicate, Calcium Silicate, Magnesium Aluminum Silicate, Magnesium Silicate, Magnesium Trisilicate, Sodium Magnesium Silicate, Zirconium Silicate, Attapulgite, Bentonite, Fuller’s Earth, Hectorite, Kaolin, Lithium Magnesium Silicate, Lithium Magnesium Sodium Silicate, Montmorillonite, Pyrophyllite, and Zeolite」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581803022S115> 2018年5月3日アクセス.

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