キサンタンガムとは…成分効果と毒性を解説

増粘剤
キサンタンガム
[化粧品成分表示名称]
・キサンタンガム

[医薬部外品表示名称]
・キサンタンガム

キサントモナス属の菌類を培養して得られる親水性の高分子多糖類で、天然のガム質の増粘剤です。

他の天然ガム質と比べて分子量が10倍で約200万といわれていますが、別の報告では1300万~1500万ともいわれており、これほど分子量の報告がズレるのは、高分子間の会合現象によるものと思われます。

他のガム質の10倍~100倍の高分子が特異な粘性を出す働きを有しており、微量で高い粘度を得ることができます。

以下のグラフはDSP五協フード&ケミカルで公開されている5種類のガム質の粘度と濃度の関係における比較(文献1:2012)ですが、

キサンタンガムの粘度と濃度の関係

他の天然ガム質と比べてキサンタンガムはごくごく少量で高い粘度をだせることがよくわかると思います。

また、キサンタンガムは以下のグラフのように他のガム質と併用することでさらに少量で高い粘度をだすことが可能です。

キサンタンガムと他の多糖類との併用でだせる粘度と濃度の関係

キサンタンガムは増粘目的で使用されることが多いですが、他にも乳化の安定性を高めたり、質感改良、肌の表面に保護膜をつくり保湿性を高める特性もあり、保湿クリームや保湿美容液に配合すると効果的です。

海外の調査になりますが、”Cosmetic Ingredient Review”によって2012年におけるキサンタンガムの配合製品数と配合量の報告があり、この報告によると配合製品数と配合量は以下のようになっています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

2012年のキサンタンガムの配合状況調査結果

代表的な増粘剤だけあって配合製品数が多いですが、配合量の幅の大きさも特徴的です。

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キサンタンガムの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

キサンタンガムの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作)の報告もないので、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内海外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] 1%までのキサンタンガムをウサギの皮膚に15日間毎日適用したところ、皮膚を刺激しなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギに1%キサンタンガム水溶液を0.5mL適用したところ、皮膚刺激性なし
  • [動物試験] キサンタンガムを含む5%水溶液をシェービングしたウサギの皮膚に適用したところ、局所性の刺激が生じたが、原因は皮膚の継続的な湿潤によるものであった可能性がある

BASFの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • 皮膚刺激性なし(ただし、この結論は各成分の特性に基づくもので試験の結果ではない)

と記載されています。

安全データやレポートでは、ひとつ皮膚刺激の可能性がありますが、残りは1%濃度で共通して皮膚刺激性なしと記載しており、高分子多糖類であることも考慮して、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] 1%キサンタンガムをウサギの眼に5日間点眼したところ、眼刺激性は生じなかった

BASFの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • 眼刺激性なし(ただし、この結論は各成分の特性に基づくもので試験の結果ではない)

と記載されています。

安全データは少ないですが共通して眼刺激性なしと記載しており、高分子多糖類であることも考慮して、目刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」(文献2:2012)によると、

  • [動物試験] 0.1%キサンタンガムをモルモットに適用したところ、皮膚感作性は生じなかった

BASFの安全性データシート(文献3:2017)によると、

  • 皮膚感作性なし(ただし、この結論は類似成分の構造または組成に基づくもので試験の結果ではない)

と記載されています。

安全データでは共通して皮膚感作性なしと記載しており、高分子多糖類であることも考慮して、アレルギー(皮膚感作)が起こる可能性は限りなく低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
キサンタンガム 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、キサンタンガムは毒性なし(&lowast2;)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

&lowast2; 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

キサンタンガムは 安定化成分 にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分一覧

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文献一覧:

  1. “多糖類.com”(2017)「キサンタンガム」, <http://www.tatourui.com/about/type/01_xanthane.html> 2017年9月30日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2012)「Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」, <http://www.cir-safety.org/sites/default/files/microb092012rep.pdf> 2017年9月30日アクセス.
  3. BASF(2017)「安全データシート」, <https://worldaccount.basf.com/wa/AP~ja_JP/Catalog/Cosmetics/doc4/BASF/PRD/30583422/.pdf?asset_type=msds/pdf&language=JA&validArea=JP&urn=urn:documentum:ProductBase_EU:09007af880386763.pdf> 2017年9月30日アクセス.

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