カンテンとは…成分効果と毒性を解説

増粘 結合 感触改良 表面処理
カンテン
[化粧品成分表示名称]
・カンテン

[医薬部外品表示名称]
・カンテン末

テングサ科海藻テングサ(学名:Gelidiaceae)またはオゴノリ科海藻オゴノリ(学名:Gracilaria vermiculophylla)など紅藻類の細胞膜から抽出して得られる、化学構造的に中性多糖類であるアガロースを主成分とし、イオン性多糖類であるアガロペクチン(∗1)から構成される水溶性の多糖類(海洋抽出物:植物系水溶性高分子)です。

アガロースは寒天中に70-80%含まれ、アガロペクチンはアガロース以外のイオン性多糖類を指しますが、部分的に硫酸エステル、メトキシル基、ピルビン基、カルボシル基を含んでいます(文献2:2016;文献3:-)

カンテンの特性は、

分子量 溶解性 物性の変化
冷水 熱水 アルコール 耐熱 耐酸 耐塩 耐酵素
数万-数十万
(抽出する海藻による)
不溶 可溶
(95℃以上)
不溶
ゲルに関与する因子 ゲル特性
ゲル化性 ゲル化点(℃) 融点(℃) 離水傾向
脆いゲル 30前後 90前後

このように報告されています(文献2:2016)

日本においては増粘・ゲル化目的でゼリー、ハードヨーグルト、デザート類、感触改良および透明度向上目的で羊羹やところてん、耐熱性を備えたゲル化目的で缶詰など食品分野で使用されており、他にも医薬品や培地用などに使用されています(文献3:-;文献4:1996)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、シート&マスク製品などに使用されています(文献1:2015)

増粘・ゲル化

増粘・ゲル化に関しては、温水には徐々に溶けて粘性のある液体になり、冷却すると二重らせん構造を構成し、さらに二重らせん構造が三次元ネットワークを形成しゲル化する特性を有しているため、特殊な感触を付与する目的でパック製品などに配合されます(文献3:-;文献5:2015)

結合

結合に関しては、パウダーファンデーションなどの粉状化粧品を固形状にするための結合剤としても用いられます(文献6:2012)

感触改良

感触改良に関しては、他の高分子と混合して粘度・感触の調整に使われることがあります(文献5:2015)

粉体の表面処理

粉体の表面処理に関しては、粉体にカンテン被膜処理することで落ちにくい口紅や保湿性の高いファンデーションとして応用されることがあります(文献6:2012)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

カンテンの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2015年)

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カンテンの安全性(刺激性・アレルギー)について

カンテンの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

食品および医薬品においても古い使用実績があり、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

カンテンは安定化成分、表面処理成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分 表面処理剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「高分子」パーソナルケアハンドブック,106-134.
  3. “多糖類.com”(-)「寒天」, <https://www.tatourui.com/about/type/09_agar.html> 2019年5月28日アクセス.
  4. 浅井 以和夫, 他(1996)「多糖類による食品物性形成」応用糖質科学(43)(3),385-392.
  5. 宇山 光男, 他(2015)「カンテン」化粧品成分ガイド 第6版,146.
  6. 鈴木 一成(2012)「カンテン(寒天)」化粧品成分用語事典2012,595-596.

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