カラギーナンとは…成分効果と毒性を解説

増粘剤
カラギーナン
[化粧品成分表示名称]
・カラギーナン

[医薬部外品名]
・カラギーナン

紅藻類に属するスギノリ科とミリン科の細胞膜から抽出された多糖類(水溶性増粘剤)です。

主成分は、ガラクトースとアンヒドロガラクトースで、非常に独特の粘性と肌感触があり、増粘効果や感触の調整目的で配合されています。

保湿効果も高く、肌にしなやかなハリ感を与える働きもあります。

その独特のゲル化性や増粘分散性で、化粧品分野だけでなく医薬品や食品、歯磨き、錠剤など様々な分野で広く使用されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2013-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

カラギーナンの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2015年)

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カラギーナンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

カラギーナンの現時点での安全性は、高分子多糖類であり、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、重大な皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

また、以前に発がん性の疑いがありましたが、カラギーナンによる毒性リスクはマウスやラットなどげっ歯類の経口摂取による特殊な腸内細菌叢によるものであり、ヒトでは問題ないとする考えが現在では有力であるため、摂取量の制限も設けておらず、化粧品の場合、カラギーナンは高分子であるため皮膚に浸透することもなく、安全性に問題ないと考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

安全データはみあたりませんが、高分子多糖類であるため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

安全データはみあたりませんが、高分子多糖類であるため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

安全性についての捕捉

ラットを用いた実験でカラギーナンを含む食餌がラットにおける結腸腫瘍発生率を増強したり、低分子カラギーナンが大腸がんを引き起こしたことから発がん性の疑いが報告されていましたが、

  • ヒトでは不可能なレベルの大量投与により行われていること
  • カラギーナンによる発がん促進作用はげっ歯類特有の腸内細菌叢による証拠がある
  • カラギーナンによる炎症はサルでは容易に起きない

などの理由から、カラギーナンによる悪影響はげっ歯類の特殊な性質であり、ヒトでは問題ないとする考えが現在では有力で、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議では2001年に日許容摂取量を「特定せず」(つまり毒性リスクは事実上ゼロとみてよい)と決定しています(文献1:2002)

化粧品に配合されるカラギーナンは高分子であり、皮膚へは浸透しないため、これらの毒性リスクは関係がなく、安全性に問題はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
カラギーナン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、カンテンは毒性なし(∗1)となっており、安全データをみるかぎり、安全性に問題ない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

カラギーナンは安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cohen, SMaIN(2002)「A critical review of the toxicological effects of carrageenan and processed
    Eucheuma seaweed on the gastrointestinal tract」Critical Reviews in Toxicology(32)(5),413-444.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「高分子」パーソナルケアハンドブック,p112-113.

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