アスコルビン酸とは…成分効果と毒性を解説

酸化防止剤 抗酸化成分
アスコルビン酸
[化粧品成分表示名称]
・アスコルビン酸

[医薬部外品表示名称]
・アスコルビン酸

[慣用名]
・ビタミンC、L-アスコルビン酸、ピュアビタミンC

栄養素ビタミンCとしてはたらく、水に溶けやすく強い酸味のあるラクトン構造をもった有機化合物です。

強い抗酸化作用を有しており、メラニン色素の生成を抑制する働きがありますが、そのままでは皮膚に浸透しないため、皮膚に浸透して効果を発揮する様々なビタミンC誘導体が開発されています。

ただし一方で、2001年以降にリポソーム化またはエマルション化技術でアスコルビン酸を安定化させて高配合し、アスコルビン酸本来の抗酸化作用を発揮する製品も定着しており、この場合、アスコルビン酸はピュアビタミンCと呼ばれます。

リポソームおよびエマルションというのは以下の図のように、

リポソームの構造

有効成分をカプセルのように包み込んで届けるデリバリーシステム技術のひとつで、エマルションは通常は均一に混ざり合わない2種類の液体を混ぜる130nm~180nmほどの物質のことで、以下の画像のような構造を形成しています。

エマルションの構造

実際は一方が他の液体中に微粒子分散している状態であり、画像では油分に有効成分が混ざっている状態で、たとえば、水中に油滴分散する牛乳や油中に水滴分散するバターなどは代表的なエマルションといえます。

アスコルビン酸の場合はレシチングリセリンを用いたり、エトキシジグリコールベタインなどでデリバリーシステムがつくられます。

アスコルビン酸として化粧品に配合される場合は、一般的には化粧品自体の酸化防止剤として幅広い製品に使用され、この場合は配合量も微量で成分表示一覧には最後のほうに記載されます。

一方で、ピュアビタミンCとして配合される場合は、配合量も5%~20%と高配合で成分表示一覧の最初のほうに記載されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2000-2001年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

アスコルビン酸の配合製品数と配合量の調査結果(2000-2001年)

スポンサーリンク

アスコルビン酸の安全性(刺激性・アレルギー)について

アスコルビン酸の現時点での安全性は、化粧品の使用実績および医薬品および食品添加物の使用実績も長く、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of L-Ascorbic Acid, Calcium Ascorbate, Magnesium Ascorbate, Magnesium Ascorbyl Phosphate, Sodium Ascorbate, and Sodium Ascorbyl Phosphate as Used in Cosmetics」(文献1:2005)によると、

  • [ヒト試験] 被検者に10%アスコルビン酸を含むスキンケア製品を4日間連続で閉塞パッチ適用し、一方でアスコルビン酸を含まないスキンケア製品を対照として適用したところ、対照製品の皮膚一次刺激スコアは0.38であり、10%アスコルビン酸を含むスキンケア製品の皮膚一次刺激スコアは0.40であった。10%アスコルビン酸を含むスキンケア製品は最小限の皮膚刺激性であり、許容範囲であると考えられた(CTFA,1998)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激スコアは対照とほぼ同じで、ほとんどなしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足により詳細は不明です。

皮膚感作(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of L-Ascorbic Acid, Calcium Ascorbate, Magnesium Ascorbate, Magnesium Ascorbyl Phosphate, Sodium Ascorbate, and Sodium Ascorbyl Phosphate as Used in Cosmetics」(文献1:2005)によると、

  • [ヒト試験] 29人の被検者の前腕または背中に前処理として0.25%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)0.1mLを24時間閉塞適用し、24時間後にSLSパッチを除去した後、10%アスコルビン酸を含むフェイシャルトリートメント0.1mLを誘導期間において48時間(週末は72時間)適用し、パッチ除去後に試験部位を評価し、刺激がない場合に次のパッチを適用するという手順を5回繰り返した。最後の誘導パッチ適用後に10日間の無処置期間を設けた。次いで各被検者の前腕または背中の未処置部位にSLSで前処理し、次に48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去1および24時間後に皮膚反応を評価したところ、この試験条件下では10%アスコルビン酸を含む試験物質は接触感作能を有さず、したがって通常の使用条件下では接触感作反応を示す可能性は低いと結論付けられた(KGL Inc,1998)
  • [ヒト試験] 103人の被検者に5%アスコルビン酸を含むクリームを誘導期間およびチャレンジ期間に適用し、適用後に皮膚反応を評価したところ、5%アスコルビン酸を含むクリームは皮膚感作を誘発しなかった(Hamison Research Laboratories, Inc,2000)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アスコルビン酸 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アスコルビン酸は毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アスコルビン酸は安定化成分、抗酸化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:安定化成分 抗酸化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2005)「Final Report of the Safety Assessment of L-Ascorbic Acid, Calcium Ascorbate, Magnesium Ascorbate, Magnesium Ascorbyl Phosphate, Sodium Ascorbate, and Sodium Ascorbyl Phosphate as Used in Cosmetics」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810590953851> 2018年6月10日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ