イソドデカンの基本情報・配合目的・安全性

化粧品表示名称 イソドデカン
医薬部外品表示名称 軽質イソパラフィン
化粧品国際的表示名称(INCI名) Isododecane
配合目的 溶剤 など

1. 基本情報

1.1. 定義

炭素数12(C12分岐脂肪族炭化水素(∗1)です[1a]

∗1 脂肪族炭化水素とは、鎖状または環状の非芳香族性の炭化水素のことです。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 溶剤

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、日焼け止め製品、クレンジング製品、アウトバストリートメント製品などに汎用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 溶剤

溶剤に関しては、イソドデカンは安定性および揮発性(∗2)が高い油状液体であることから、製品の広がりを良好にするとともに速乾することが求められるシリコーン原料の溶剤として汎用されており、イソドデカンを溶剤としたシリコーンは油性の残留感が好まれない口紅、アイライナー、マスカラなどのメイクアップ製品に汎用されています。[1b][2]

∗2 揮発とは、通常の温度で液体が気体になることです。

3. 混合原料としての配合目的

イソドデカンは、混合原料が開発されており、イソドデカンと以下の成分が併用されている場合は、混合原料として配合されている可能性が考えられます。

原料名 BENTONE GEL ISD V
構成成分 イソドデカンジステアルジモニウムヘクトライト炭酸プロピレン
特徴 イソドデカンでヘクトライトを膨潤させた油剤のゲル化剤

4. 配合製品数および配合量範囲

配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗3)

∗3 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

イソドデカンの配合製品数と配合量の調査(2010年)

5. 安全性評価

イソドデカンの現時点での安全性は、

  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

5.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[3a]によると、

  • [ヒト試験] 69名のボランティアに90.3%イソドデカンを含むヘアオイルミストを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、試験中に起こった発赤や乾燥は臨床的に重要なものではなく、この試験製品は皮膚刺激および皮膚感作の兆候はみられなかった(RCTS Inc,2010)
  • [ヒト試験] 108名の被検者に80.74%イソドデカンを含むリッププライマーを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、この試験製品は皮膚刺激および皮膚感作を誘発する可能性を示さなかった(Clinical Research laboratories Inc,2004)
  • [ヒト試験] 104名の被検者に47.64%イソドデカンを含むアイシャドーを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、この試験製品は皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(Clinical Research laboratories Inc,2004)
  • [ヒト試験] 204名の被検者に63.7%イソドデカンを含むマスカラを対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、この試験製品は皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(TKL Research,2004)

このように記載されており、試験データをみるかぎり共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

5.2. 眼刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[3b]によると、

  • [動物試験] ウサギの眼に100%イソドデカン0.1mLを点眼し、点眼後に眼刺激性を評価したところ、この試験物質は眼刺激を誘発しなかった(Product Safety Labs,2010)
  • [動物試験] 3匹のウサギの眼にイソドデカン(濃度不明)を点眼し、点眼後に眼刺激性を評価したところ、この試験物質は非刺激剤であった(Personal Care Products Council,2010)

このように記載されており、試験データをみるかぎり共通して眼刺激なしと報告されていることから、一般に眼刺激性はほとんどないと考えられます。

6. 参考文献

  1. ab日本化粧品工業連合会(2013)「イソドデカン」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,192.
  2. 鈴木 一成(2012)「イソドデカン」化粧品成分用語事典2012,33.
  3. abW. Johnson, et al(2012)「Safety Assessment of Isoparaffins as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(31)(6_suppl),269S-295S. DOI:10.1177/1091581812463087.

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